最初にお知らせしておきたいことがある。職場が変わって、昼休みの時間も変わったことで、このブログの更新時間も、今までより多少遅い時間になる。12:45前後が更新する時間としては多くなるのではないだろうか。・・・・ということで本題に入りたい。

現在、介護関連の新聞・冊子・メルマガに連載を6本持っている。

それは非常にありがたい状態といえるのであるが、同時にそれはいつも締め切りを気にしながら、原稿執筆作業を続けなければならないことをも意味している。

締め切り自体は、あらかじめ決まっていることなので、自分の中で作業スケジュールはできているわけであるが、これに加えて、講演依頼を受けたテーマに沿ったファイルづくりや、連載ではない随時依頼のある原稿執筆作業も入ってくる。

それらは本業の仕事を行っている日の日中にはできない作業であるから、どうしても平日の夜や、講演の入っていない休日作業となるわけであるが、今月初めからは、職場が変わって通勤時間が今までより3時間近く長くなったために、平日の夜作業というのは難しくなり、休みの日に集中的に作業を行うようになった。

先週、土日はそのために1日9時間以上PCの前に座り続ける状態であった。

しかし執筆作業にも調子の波があって、文章がなかなか浮かんでこずに、1時間近く何もできずに頭を抱え込んで、意味のないネットサーフィンで気分転換を図ったりしていることも多い。

それでもどう書けばよいか、構想が浮かばないときには、考えていた原稿以外の、まだ先にある締め切りの作業も気になり始めて、もうどれから手を付ければよいのかわからなくなり、すべての作業を投げ出してしまいたいと思うこともある。

そんな時に、一番近くの日に締め切りが迫っているものではなく、それより先の日に締め切り日が設定されている、ほんの短い原稿に手を付けて、その作業が思いのほか順調に進んで、校正作業前とはいえ、原稿が一応完成することで、目の前の雲が晴れるかのように視界が広がることが多い。

先週土曜日がまさにそういう状態で、休みにも関わらず、朝7時には起きだして、パジャマ姿のままPCの前に座り、締め切りが来週末に設定されている原稿の執筆作業にかかったが、なかなか思うような文章にならない。

原稿用紙に文字を埋めることはできるのであるが、文字が埋まっていっても、その内容が気に食わなくて、何度も消しては、文章を入力しなおすことが続き、結局1時間たっても1枚目の原稿用紙に文字が埋まらない状態に陥った。こうなるともう袋小路に迷い込んだ状態と同じであり、今までの経験からも、そのまま作業を続けても良い文章が抱えるわけでもないということに気が尽きたので、気分転換のために、PCの電源を落とし、洗濯やトイレ掃除などの主夫業を行って、一段落した後には、テレビの娯楽番組を見て無為に過ごしていた。

そんな時、たまたまテレビの討論コーナーの中で、高齢者介護施設の虐待問題が取り上げられ、名の知れた評論家が、「介護ストレス」ということと、虐待の発生を絡めて論評しているのを聴いて、どこか的が外れているなあと思った。そして虐待が、「氷山の一角ともいわれている。」という発言を聴くに至っては、僕たちもその氷山の一つだと言われているようで、非常に不愉快な気持ちになって、「僕が漕ぎ出す海に、そんな氷山は浮かんでいないし、もしそんな氷山があるとしても、それは僕たちとは相いれないものであり、そういう氷山を認めるのが介護ではなく、介護という仮面をかぶった冷酷なものをなくするのが、僕たちの務めである、なんていう気持ちが沸々と湧き上がってきた。

その時、まだ先に締め切り日が設定されている、インターネットのCBニュース(キャリアブレイン)から、次号のテーマ候補の一つに、「介護施設での虐待問題」が挙がっていることを思い出し、その内容として、「昨年発覚した虐待事件で、国は都道府県に対し、重ねて指導強化を求める通知を出すなど、対応に追われています。しかし、官の取り締まりが強化されたからといって、虐待がなくなるわけではありません。そして、現場ではかつてない人手不足に苦しみながら、虐待防止のための暗中模索が続いています。虐待はなぜ、起こるのか。また、それを防ぐためには、どんな取り組みが有効なのか−。菊地様独自の視点からの分析と提案をお願いできればと思います。」とされていたことも思い出した。

この連載は、担当編集者より、あらかじめ依頼された複数のテーマ候補から、その時僕が書きたいものを選んで原稿を書いて送ることになっており、土曜の時点で締め切りが先であったために、どのテーマにするか決めていなかったのであるが、今回は上記の内容をテーマとすることにし、その原稿執筆にとりかかると、30分もしないで執筆作業を終えることができた。

もちろんそれから校正作業は必要になるが、ここまで原稿の骨格ができてしまえば、あとの作業については枝葉の作業で、しばらく原稿を寝かせて、時間をおいて何度かその内容を確認して、不自然な表現や言い回しを修正するだけのことで、仕上がりには何の不安もなくなる。

すると不思議なことに、土曜のうちに完成させなければならないと考えていた原稿案も、自然と湧き上がて、筆も進むようになり、ゴールが見えて心に余裕が出てくる。そうなると次の日の日曜日にも作業ができるということが、何か無限の時間に思えてきて、それがさらに心の余裕となり、執筆作業とは関係のない読書をしようと思えるようになり、そのことがさらに執筆のヒントになるなど、好循環が生まれてくる。

こんな風にして、あんなに焦って、「しなければならない」と思っていた作業が、次々と仕上がっていく。

困る宿命をもった人間の知恵。」という記事にも書いたが、凡人たる僕たちは人生の中で何度も「困る」のであり、「困って」当たり前なのだ。しかしそのたびに困り事には必ず解決策があることを信じる必要がある。要はそれをどう克服するかという問題で、解決してみれば、あれほどの困りごとが笑い話にも変わることがあるのだ。

晴れない空はない。困りごとくらいであきらめる必要はない。そんなふうに、仕事でもプライベートでも、ケセラセラの精神を失わずに前向きに取り組んでいきたい。

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