まず最初にお知らせとお礼を書かせていただきます。
先週金曜日に表の掲示板でもお知らせしましたが、来月から大阪で始まる、社会福祉法人みらい福祉研究所の、「介護ビジネスアカデミー」の僕が担当する、「施設ケアマネジャー・生活相談員実務講座」(4月〜6月)については、申し込みが受講定員に達して受付を終了させていただきました。
お申込みいただいた方には、この場で感謝をさせていただくとともに、申し込んだのに受付できなかった方には、深くお詫びを申し上げます。少人数(12名)で、双方向のコミュニケーションを大事にする講座なので、定員を超えての受講が難しくご迷惑をおかけいたしますことをお許しください。
この講座は、今回限りではなく、少なくとも来年度いっぱい計4回(7月〜9月:第2回、10月〜12月:第3回、1月〜3月:第4回)開催予定なので、今回申し込みできなかった方、受付されなかった方については、次回以降にお申し込みlただきたくお願い申し上げます。
(※僕の講座以外については、まだ定員に達していない講座も多いとのことですので、そちらについては今後も受付可能だそうです。)
今回のセミナーは、平成30年の医療介護保険制度の同時法改正に向けた、知っておかなければならない経営の方向性や、人材不足の中で実行すべき人材育成の方法など、介護ビジネスを行う上での具体的な対策方法が得られる内容としておりますので、相談援助職も、厳しい時代の介護経営という視点をもって、日常業務に臨む必要性についても理解していただけるような内容も含んで構成しております。そのことについては、現在内容を組み立てている最中で、いろいろなことを考えております。
そんな中で先週金曜日に、東京都社会福祉協議会の相談員を対象とした研修会講師としてご招待いただき、2時間半の講演を行ってきました。その研修会で、僕の後に講師を務められていたのが、東京家政学院大学の現代生活学部人間福祉学科・西口守教授でした。
西口教授は、「困難から逃げず、困難さえ引き受ける姿勢=ソーシャルワークの哲学を考える=頑張れ、相談員。負けるな相談員。」 をテーマにしてお話ししてくださいましたが、僕にとってそれは、背中の筋をぴんと伸ばして、もう一度ソーシャルワークの原点を考え直す機会となるような、格調高いソーシャルワーク論でした。
しかしそのお話しは決して難解なものではなく、サイモン&ガーファンクルの「明日に架ける橋」の曲と詞の紹介から入り、当時のアメリカの社会情勢から、市民が何を求めていたのかということの説明に結び付けるなど、受講者の心をぐっと引き寄せ、最初から最後までわかりやすく、心に深く響く内容でした。
その中で特に感銘を受けたことは、利益追求の経営と、社会福祉の目的は、相反する場合があり、そうした場合のソーシャルワーカーの役割とは、福祉援助利用者の利益と相反した位置にあってはならないという原点を、はっきりわかりやすく示したもらったことです。
大坂セミナーの僕の講座では、中間管理職としての役割から、経営的視点をもって、経済活動にも参加する相談員の役割というものをお話しする予定でありますが、この中にも、相談援助の原点である、「利用者本位」とは何かという視点を忘れない中身を入れないと、「魂」を失ったソーシャルワーク論になるという戒めをいただいたような気がします。
さらに西口教授は、過去に養護老人ホームで指導員だった頃のケース紹介から、相談援助職の業務を考えると、その範囲を超える利用者支援を行った経験を語り、それは「自分がやりたかったから行った」と述べられていましたが、そこに僕は西口教授の、ソーシャルワーカーとしての矜持を見たように思いました。
昨今、「それは〜の仕事ではない」と割り切ること、切り捨てることが、ごく当たり前に行われる風潮にあり、しばしば支援者の「やりすぎ」が批判されることがありますが、業務の範囲を超えないと救えない命や暮らしがあることは事実です。
その時にソーシャルワーカーという「社会福祉援助の担い手」が、何をどう考えるべきかという原点を、西口教授は教えてくれたのではないかと思います。少なくとも僕はそう解釈して、ソーシャルワーカーの役割は、時には業務の範囲を超えなければ果たせないというメッセージとして受け取りました。西口教授には、この場を借りてお礼を申し上げます。
今回の新宿講演は、話し手としてより、聞き手として得るものが大きかったように感じております。そういう意味では、東社協の皆さんにあたらめて感謝し、そのことをお礼の言葉に変えて、本日のブログ記事を締めたいと思います。
本当に皆さん、ありがとうございました。
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私の周りにも、危機感を持ち、相談援助とは何かという事に真剣に向き合う人達がいます。
時代の流れや組織のなかで迷い悩む相談員に対しても、一人一人の援助者が共に手をとり支えられらばと思います。