先週末は、北海道沼田町で2講演を行ってきた。

沼田町は、北海道のほぼ中央に位置する町である。人口は3千人超、世帯数は1.500世帯ほどの小さな町である。介護施設は特養も養護も町立施設で、民間事業者が少ないという特徴がある。昨年、沼田町議会の方々が、看取り介護の研修を含めて当施設に見学においでになったというご縁もある町である。

登別からは、JR特急で札幌乗り換えで約4時間ほどで着くことができるが、函館〜札幌及び札幌〜旭川という大動脈線なので、非常に揉む列車である。(JR深川駅からは、車で送迎していただいた。)

土曜日は夕方から、町内の介護施設の職員向けの講演を行い、町内のほぼすべての事業者から職員の方々が集まってくれた。ここでは介護の実務論をお話しさせていただいた。

日曜日は一転、一般市民向けの認知症講座で、「認知症を知り地域で支え合うまちづくり」というテーマでお話しさせていただいた。

あらかじめ一般市民の方が受講者の中心であるということを聴いていたが、会場に100席用意した席がたちまち埋まり、パイプ椅子を追加しての講演となった。

会場に駆けつけてくれた方々の顔触れを見ると、お年を召した方が多い。60代以上の方が大半を占めているのではないかと思えた。

沼田町認知症講演
普段僕の講演は、保健・医療・福祉・介護の専門家に向けたものが多いのであるが、一般市民の方に向けた講演は久しぶりである。当然ここでは、あまり専門用語を使わずに、わかりやすい言葉で、わかりやすく認知症が理解できるように伝える必要がある。

だからといって、認知症サポーター研修と同じようなことを話しても意味がない。それは僕以外の講師でも話ができる内容だからである。

会場には、お元気なお年寄りがたくさん来てくれているので、その方々が今興味を抱いている認知症の問題とは何かということを考えながら、認知症と健忘のわかりやすい見分け方から始め、認知症の早期発見はなぜ必要かということを、一般的に言われている、「認知症の進行を遅らせることのできる薬の効果と実態」を含め、他では聞けない認知症の対応の虚像と真実も語らせていただいた。
起きて、その時に一番世話をしてくれる身内がなぜ窃盗犯のごとく疑われるのかということや、何が原因で家族の人間関係が壊れていくのか、などを実例に沿ってお話しさせていただいた。そして我々が介護施設で認知症の人自身や、その家族に学ぶことは何かという側面も含めて、実際のケースの中から我々が理解すべき認知症の人の行動の意味、混乱の原因についてお話しさせていただいた。

当然そこでは、一般の方々が理解できる範囲で、最新の医学情報もお話しさせていただいている。

僕の場合は、同じ講演ファイル・パワーポイントのスライドを使ったとしても、受講者に合わせて臨機に、その内容を変えて、受講対象者の理解度に合わせた講演内容に組み立て治すことを得意としているので、会場の皆さんの顔を見ながら、その反応を確認しつつ、お話しする内容を微調整しながら、紹介するケースも変えたりしているので、きっと理解していただけたのではないかと思う。

講演後には、高齢者の皆様にもたくさん僕の本を購入していただけたので、きっとお話しした内容に共感・理解していただけたものと考えている。この場を借りて感謝申し上げたい。

沼田町も高齢者の割合が増えているが、今現在は元気な高齢者がたくさんおられて、深刻な介護問題は表出されていないようである。しかし2025年に団塊の世代が後期高齢者となり、介護サービスを必要とする人の数は、加速度的に増えることが予想され、それは沼田町も例外ではなくなるだろう。そのあとの15年〜20年間が、日本の介護の正念場になるし、全国で様々な高齢者介護問題が噴出するだろう。

それはもしかしたら「介護難民」という形で問題となってくるのかもしれないし、認知症の人が増えることによる漂流社会の問題として、クローズアップされてくるかもしれない。

どちらにしても、今お元気な高齢者の方々が、自分の問題として介護問題や、認知症の問題を日頃から考えておくことが重要で、その中で自分や家族に何ができるのか、自分が将来認知症になったならば、どのように生きたいのかということを、周囲の人々と話し合っておくことが、まず大事なことであろうと思う。

もしかしたらその延長線上には、「終活」という考え方が存在するのが必然となるのかもしてない。そんなこともあって、沼田町で次にお話しする機会があるとしたら、「終活セミナー」もありかなと、事務局の方々とお話ししたりしていた。

沼田町は「ホタルの町」なのだから、今度は夏の夜、蛍の光が見える時期に、行ってお話ししたいなと思ったりした。

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