異例の速さで、松の内に開催された通常国会では、先の国会で先送りされた社会福祉法の改正案も審議され、今回は成立する見込みとなっている。

改正法案の中では、社会福祉法人改革が焦点になるだろう。

社会福祉法人を巡る、この数年間の状況を振り返ると、財務省の陰謀と主導で、内部留保批判をはじめとした社会福祉法人バッシングが起き、厚労省はこれに対してほとんど無抵抗に終わったことで、メディアもこの理不尽な風に乗っかってしまって、国会議員もその雰囲気にのまれた中で、大幅な介護報酬の減額が行われた。

そのことに加えて、社会福祉法人がその責務を果たしていないかのような論調で、改革が求められていることに、憤りを感じている関係者も多いのではないかと思うが、そこで求められている体制をしっかり構築しつつ、介護報酬減額が、その改革の足かせになることも含めて正論を主張し、世間一般にもその声を認めてもらうことの方が大事である。

この部分の理論武装がされない限り、社会福祉法人へのいわれなきバッシングはなくならないし、それを理由にした報酬減額は、社会福祉法人をターゲットにしながら、次期報酬改定以後も続けられるだろう。

今回の社会福祉法人改革の柱は3本である。一つには、「組織のガバナンス強化」であり、二つは、「財務諸表の公開等の事業運営の透明性向上」であり、三つは、「公益事業の地域展開の責務の明確化」である。

細部を見ると、今まで介護保険事業のみを行っている法人には設置しなくてよいとされていた、「評議員会」について、すべての法人に設置義務が課せられ、それも諮問機関ではなく、議決機関とされる改正が行われることになる。

実際に、多額の「内部留保」のある社会福祉法人については、「社会福祉充実残高」なるものを計算し、地域貢献事業に適切に財務執行しなければならなくなるようだ。

本来、社会福祉法人は、そうした義務を課せられなくとも、その使命と責務として社会貢献事業・地域貢献事業を行わねばならない組織で、法律によるがんじがらめの縛りは、その精神を著しく削ぎ落すもののような気がしてならない。

この部分は地域特性に応じた、柔軟対応がどれだけ可能なのかということがポイントになりそうである。

どちらにしても大改正である。改正法案によって求められることは、社会福祉法人の一大転換であり、これに失敗すると法人の存立自体が危うくなるという危機感を持たねばならない。

そのためには社会福祉法人役員が、この改正法案の内容をしっかり把握し、先先を読み取りながら法人改革に取り組んでいく必要がある。

逆に言えば今の時期に、法人理事長及び理事・監事が、この法律の内容に無関心であったり、無理解であったりするのは、それだけで経営危機をもたらすということになる。

仮に全ての役員が法律に精通していなくとも、少なくとも役員の中に、このことに対応可能なスペシャリストを置いておく必要があるだろう。

こうした厳しい状況であるからこそ、名ばかりの役員ではなく、実務に精通した役員を法人内部に置く必要がある。今ほど社会福祉法人が、人材を求めなければならない時代はないのである。そのことを法人理事長はじめ、役員は理解しているだろうか?

こうした危機的状況の理解がない理事長がトップに立つ法人は不幸である。

そして、社会福祉法人を旧態然の運営で良いと考え、社会福祉法人を自分の個人商店のような意識で運営しようとしている理事長には、そう遅くない時期に大鉄槌が下されることになるだろう。

そんな厳しい状況に置かれた社会福祉法人であるが、自分自身は一時、敵前逃亡のような形で、社会福祉法人から少し距離を置いた位置に席を移動することになる。当法人にとってその意味は、一番改正内容に詳しい役員を失うということだ。

そのことはなんとも申し訳ない思いであるが、今後も影に陽に、社会福祉法人を応援し続ける姿勢には変わりはないことを宣言しておきたい。

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