僕の講演を何度も主催してくれている、大阪市老連のMさんから、「菊地先生の声がいいんですよね〜。」と言われたことがある。

実は「声」を褒められることは結構多い。決して「菊地さんの顔が良い」とか、「顔が好きです」とか、「顔が素敵です」と言われることはないが、「声は好きです」、「声は素敵です」と言われるときはある。

この時、せめて「声が好きです」、「声が素敵です」と言ってほしい。「が」と「は」では、かなりその意味合いが違って聞こえるからである。

そんなことはどうでもよいが、今日僕は声をほとんど出せない状態であり、しゃべるとしても小さな声で濁声を発することしかできず、職場では、「その声どうしたんですか」と、朝から何人にも聴かれている。

先週初めころに軽い風邪症状が出て、咳が出て喉が痛い状態が続いていた。と言ってもその症状は軽く、体のだるさもないし食欲もある。そのため特に薬を飲むこともなく何もしないでいた。そしてそのまま金曜日の朝、東室蘭駅を起点に、青森県むつ市〜東京都葛飾区の2会場での講演を行い、昨晩夜中近くに家に戻った。

その講演の旅の最中に喉の異変が起こった。

下北むつ市での講演を行う際にも、若干ののどの痛みを感じていたが、それも気にかければ気になる程度で、講演が始まった時には、そのことも忘れ、90分の短い講演を終えたが、どうもその講演最中からのどの炎症が進行したようで、講演後にはしわがれた声になっていた。

しかしその時も大した気にも留めず、オフ会でお酒を呑みながら楽しい時を過ごしていた。

そして宴会後にぐっすり眠って、朝起きたときに、いつもは感じないのどの痛みを感じた。これはヤバイと思いつつ、声を発してみると、昨日よりさらに枯れた声になっており、大きな声も出せない状態になっていた。それでも日常会話に支障はないし、体調も悪いわけではないので、葛飾講演には特段問題ないだろうと思いながら、土曜日の朝、下北駅を起点に、八戸〜上野〜北千住へと移動し、ホテルに入った。

その日は移動日で講演はなかったが、18:00〜葛飾講演主催者の皆さんとのオフ会が予定されていたので、オフ会会場に入る途中で、薬局に寄って薬剤師さんに相談し、喉のあれを治す風邪薬と、喉スプレーを買って、そのままオフ会に参加した。

その時は、薬も買って飲む予定だし、葛飾講演の際には元に戻っているだろうと安易に考えていた。それでも翌日の体調を考慮して、珍しくオフ会を1次会だけで終え、ホテルに帰って温かくして眠った。

そして日曜日の朝、モーニングコールの音に目を覚まして、喉の状態を確認すると、声の枯れと若干の違和感は残っているものの、なんとなく昨日よりは調子が良いように思え、朝食後にも薬を飲み、喉スプレーも気が付いたら使うようにして、講演会場に移動した。

会場では、昨日オフ会でご一緒した皆さんから、のどの調子を聞かれたが、「昨日より調子は良いです」と答え、自分自身は楽観視していた。それでも僕の声の状態を心配した皆さんから、喉飴などをいただき、講演が始まるまでに何個も飴をなめ、いざ講演を開始した。

しかし異変は、講演開始当初から始まった。僕は講演最中に話が途中で途切れないように、のどを潤すという行為は、120分の講演であっても、150分の講演であっても、講演後か、休憩時間に水を飲むだけのことが多い。ところがこの日は、講演が始まって間もなく声がさらにかれ、音量が小さくなったように感じた。そのため、壇上に用意していただいたペットボトルの水を飲み、喉を湿らせながらお話をしないと、声が出なくなるような気がして、再三口に水を含み気が気でないまま講演を続けていた。

幸いなことに講演終了まで、声が出なくなることはなかったが、終了後は、開始前以上に声がしわがれ、小さな声しか出なくなってしまっていた。のどの痛みはさほどでもないが、声が出しづらい状態である。その状態は今朝さらに悪化していた。

昨晩は夜中近くに家に戻り、すぐ寝て今朝は通常通り業務を行っているが、体は元気なのに、声が出ない状態である。電話の応対は、しわがれた小さな声で何とか行っているが、聴きづらく相手の方に失礼しているのではないかと気になっている。

しかも午後からは、日経BPの取材予定も入っていて、インタビューに答えねばならない。大丈夫だろうか。

幸い明日は休みなので、1日声をなるべき出さずに、喉をいたわろうと思う。何とか早くあの、「美声」とは言わないまでも、自分の声を取り戻したい思いでいっぱいである。

ということで、今日僕に逢う人がいても、今日の僕は無口ですので、あまり話しかけないでいただきたくお願いしたい。

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