通常国会で審議入りせず、継続審議となった社会福祉法改正案には、介護福祉士の資格取得方法の見直しも含まれている。

現行法は16年度の介護福祉士養成施設卒業生から国家試験を課すことにしているが、法案はそれを猶予しようというものだから、今年度中に法案が成立しないと猶予できず、来年度から養成施設卒業生が国家試験合格しないと介護福祉士の資格が与えられなくなることになって、期間猶予を前提にしていた要請現場が大混乱に陥るため、厚労省は秋の臨時国会で法案成立を図りたいという意向を示していた。

しかしここにきて政府与党は、秋の臨時国会を開かない方向で政治日程を進めている。うがった見方をすれば、昨日記者インタビューに答えた小渕優子議員の不正経理問題や、改造内閣閣僚の不適格報道などがあって、臨時国会を開けばそれを突っ込まれ、内閣及び政党支持率が低下し、来年の参議院議員選挙に影響が出ることを嫌ってのことかと思ってしまう。

どちらにしても12年ぶりに秋の臨時国会が開催見送りになれば、継続審議となった法案は、次の通常国会で審議されることになる。とすれば年度中に法案が成立するとしても、事務作業等に影響が出るだろうし、関係者は気をもむことだろう。

世間一般を見渡せば、横浜市で大型マンションが傾くというニュースが連日報道されているが、様々な問題があるとしても、販売企業も施行企業も、下請けが行った偽装と不適切工事について、親会社が表に出て謝罪し、今後の保障も行う意思を示している点だけは感心できる。

一方で介護業界では、3人の利用者が不審の転落死をした介護付き有料老人ホームでは、隠し撮りされた職員の虐待行為と、そのグループ施設における一連の利用者虐待について、親会社はホームページにお詫びの文章を載せただけで、最高責任者などがきちんとした形で表に出て、世間に対して謝罪をするという行為を全くとろうとしていない。その親会社とは、常日頃地域包括ケアシステムの中心を担う人材を育てていると言っていた会社で、その最高責任者は、サービス付き高齢者向け住宅を束ねる団体のトップも務め、ケアと暮らしが分離することによって利用者の尊厳が護られると声高らかに唱えていた人ではないのか?

それなのにこの問題が明らかになった以降、世間に対して何のメッセージも送っていない。会社名がギャグかよと言いたくなるのである。

それにしても介護業界の負のバリアは厚いし、スタンダードを変えようとしない程度の低い頑固者が多すぎる。

顧客サービスであるのに、乱れた馴れ馴れしい言葉でしか、「親しみ」を伝えられない輩は、自らが言葉を使いこなして、常に相手の心情にマッチできる達人だとでも思っているんだろう。利用者の中には、自分が従業者にくだけた言葉で話すのは当たり前だが、従業者が同じ言葉で返答してくることに不快な思いを持つ人たちは大勢いる。しかし自らが人質にとられている以上、そのことに不満が言えない人が大多数だ。

そうであれば我々介護サービス従事者は、最低限守るべき接客態度を意識し、全ての人が大満足をしないまでも、少なくとも不快に思わないという意味で、丁寧語を基本として会話すべきなのでる。

例えばホテルのフロントの従業員に対し、客がため口で話しかける場面は、しばしばみられる。しかしそれに対して客が、フロントマンが同じ言葉で話しかけてくるかと考えた場合、それは違うだろうということは容易にたどり着く答えである。

しかし馬鹿は言う。『例えば床屋や美容院なんてお客さんにくだけた言葉遣いで話す人いっぱいいますし、個人でやってる居酒屋とか喫茶店なんて常連客には砕けた感じで話してますよ。あとラーメン屋の接客って丁寧ですか?お客に「いらっしゃい!」ですよ。丁寧な接客なら「いらっしゃいませ」でしょうが。』

接客教育のされていない街の個人事業主を、サービス業の代表に考えてもらっては困るが、そうした事業主のいる場所を自ら選んで訪れる客に対する個人営業の商売と、我々の対人援助サービスは根本的に異なるのである。対応する寿業者を選ぶことができない、対人援助サービスにおいて、最低限の護らねばならない規範を定め、それを下回らない水準のサービス提供に心がけるのは、至極当然のことで、それさえなけれな介護はいつまでもエビデンスを創造できない。そもそも組織だって客商売している企業で、そのような(例示された個人事業主のような)接客態度を許している企業は存在しない。そういう意識の低い商売人と同列でしあ語れない仕事を、あんたはしているんだということだ。

馬鹿はさらに言う。『丁寧な言葉こそ唯一無二の至高の対応だなんて言ってしまえば、キャバ嬢に「介護ってバカでもできるのね」と笑われてしまいそうです。』

どこに丁寧語で対応することが『丁寧な言葉こそ唯一無二の至高の対応』だなんて書いてある。丁寧語で接することは最低限のサービスの質を保ち、介護サービスの割れ窓をふさぐ効果に結びつくと言っているだけで、それだけしておればでき職業だとは一言も書いておらず、逆に、「それだけはしなけれなばならない職業」であることを指摘しているに過ぎない。

見識の低い、エイデンスを創造しようとしない輩は、こんなふうに論旨のすり替えや、書いてもいないことを自ら作り出して批判するという悪辣な手を使うので、無視するに越したことはない。

こうした一見頑張ってる風、よさげに見える介護職員のため口によって、口調だけを真似る後輩が感覚を麻痺させ、アミーユの隠し撮り映像に映っているような姿になる例は枚挙にいとまがない。そうであるなら、あの映像に映っている姿を創りだしているものが、こうしたタメ口を正当化する、見識の低い連中であり、その罪深さは海より深いと言わざるを得ない。

信念もよいが、お前の信念で今まで何人の人が傷つき、これから何十万人の心を傷つけ続けるんだと言ってやりたい。

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