認知症は治るという人がいる。しかしこれには二つの意味があることを理解すべきだ。

ひとつには、認知症とはそれに繋がる病気や病態が存在して、その病気や病態については治療可能なものがあり、その治療によって、認知症という症状がなくなるという意味である。

早期発見すれば治る認知症の具体例としては、その症状を引き起こしている病気・病態が、アルコール脳症,低酸素症,一酸化炭素中毒,脳炎,髄膜炎,神経梅毒,脳腫瘍,慢性硬膜下血腫,正常圧水頭症などが挙げられる。特に、「正常圧水頭症」については、早期発見すれば外科的手術で8割の方が、認知症の症状が消失し正常に戻ると言われており、そのことは認知症サポーター研修のテキストにも書かれていたと記憶している。

またこれとは別に、「治る」という意味を、症状が良くなるという意味で使っている人もいる。

例えば、現在のところ治療も予防も困難とされている、「アルツハイマー型認知症」の人について、服薬コントロール等で、行動・心理症状が消失、軽減するということを、「治った」と言っている人もいる。たしかに認知症の人をケアする主介護者などが、一番困ることは、起きている間中大声を出したり、徘徊したり、破壊的行為に及んだりすることであり、その症状が消失することで、介護負担は著しく減るのだから、これも「治る」というふうに表現されるのであろうと思う。

ただし、認知症の病系としては最も数の多いアルツハイマー型認知症に関していえば、その原因は今もって不明であり、治療法も予防法もない。

とはいっても研究自体は、以前から続けられているわけで、アルツハイマー型認知症の進捗状況については、脳内に異常なタンパクが蓄積して(老人斑)、脳神経が繊維化し(神経原線維変化)、神経細胞間の連結が消失し、これにより記憶が消失し、認知症と呼ばれる症状を起こしこすことがわかっており、アミロイドβタンパクや、タウタンパクの阻害薬や、ワクチンの研究がされているところである。

そんな中で、一筋の光明が見えたかもしれないというニュースが流れ、その内容は8/19に書いた、「認知症の治療に光明?」でも情報提供したところである。

11/1(日)に、テクノプラザかつしか(東京都葛飾区)で、「認知症を知り、地域で支え合おう〜認知症の症状と対応を考える〜」(葛飾区介護サービス事業者協議会主催認知症研修会)をテーマに講演を行うが、その講演ファイルは、既に完成させ講演主催事務局に送付済みである。そのスライドの1枚が下記であり、それは前記の記事に書いたニュースの内容についてである。

認知症治療法の現状
僕は医者ではないので、治療に関する専門的知識を述べるわけにはいかないが、「最新の情報」として、認知症の治療の試みがどうなっているのかということは講演内容に含めた方が良いと判断して、こんなスライドも作ってみた。このことと筑波大チームの血液診断と絡めて考えると、画期的な治療法が生まれるかもしれないという話をするつもりである。

ところが、このファイルを事務局に送った直後に、イギリスの研究チームが、「アルツハイマー病は、感染症ではないか?」という衝撃的な研究発表を行った。アルツハイマー病で亡くなった方の脳を調べたところ、11人全員から、数種類の真菌種の痕跡を発見されたというのである。もしアルツハイマー病の原因が真菌であるとしたら、アルツハイマー病の治療に、真菌治療が加わる可能性があるということだ。ただこの研究チームは、アルツハイマー病によって抵抗力が落ちたから、真菌に感染したという可能性も否定出来ないとしている。
(アルツハイマー型認知症と、アルツハイマー病という表現の違いについては、「認知症・診断名の違いについて」を参照願いたい。)

このことが本当なのか?本当だとしたら、アミロイド仮説等に基づいた今までのアルツハイマー型認知症の治療や予防の研究は無駄になるのか、それとも役に立って発展するのかなどは、すべて現時点では、「わからない。不明である。」と言うしかないだろう。

要するに、アルツハイマー型認知症には、まだまだ分からない点が多いという事実が明らかになったということである。

何とか一日も早く、アルツハイマー型認知症の原因を突き止め、治療法と予防法を開発して、これが過去の病となることを願ってやまない。ただしその途はまだ遠く、険しいと言えるのだろうと思っている。

さて話は変わるが、本日は私用でお昼から休みをいただき出かけなければならない場所がある。明日はこのこととも少し関連して、現在僕が所属する法人の一大改革に関する話題を記事にしたいと思う。「介護サービスの割れ窓理論」を支持してくれる人で、言葉の改革に取り組んでいる又はこれから取り組みたいと思う人は、是非明日の記事を楽しみにしていただきたい。

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