(通所介護事業者に迫られる決断の時より続く)
下記の画像は、九社連老人福祉施設協議会・通所部会セミナーで使った講演ファイルのスライドである。

通所介護の選択
。緑色の図形のテキストとして書かれている内容について意味が分かるだろうか。

指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成十一年三月三十一日厚生省令第三十七号)の第九十三条2  当該指定通所介護事業所の利用定員(当該指定通所介護事業所において同時に指定通所介護の提供を受けることができる利用者の数の上限をいう。以下この節から第四節までにおいて同じ。)が十人以下である場合にあっては、前項の規定にかかわらず、看護職員及び介護職員の員数を、指定通所介護の単位ごとに、当該指定通所介護を提供している時間帯に看護職員又は介護職員(いずれも専ら当該指定通所介護の提供に当たる者に限る。)が勤務している時間数の合計数を提供単位時間数で除して得た数が一以上確保されるために必要と認められる数とすることができる。

↑この規定は、現在の利用定員10人以下の通所介護の職員配置基準を定めた規定である。つまり利用定員10名以下の通所介護事業所については、看護職員を配置せず、介護職員のみの配置でサービス提供ができるという、法的根拠となっている規定である。

ところで来年4月以降、現在利用定員を10名以下に定めている通所介護事業所については、自動的に地域密着型通所介護に移行する。(みなし指定

しかし現在までに示されている国の資料では、定員18名以下の通所介護は、「地域密着型通所介護」というひとくくりのサービスとしかされておらず、この中で定員10名以下というくくりが別に示されていないのである。

そうなると、18名以下の地域密着型通所介護事業所は、すべて同じ基準で、看護職員配置も必要であるということになるのだろうか?そうなると現在、民家改修型通所介護など、利用定員が10名以下で、看護職員を配置せずに畝いしている事業所はどうなってしまうのだろうか?

おそらくそれは取り越し苦労で、地域密着型通所介護の運営規定の中に、定員10名以下の配置規定が別に設けられて、現在看護職員が配置されていない通所介護事業所が、あらたに看護職員配置を求められることにはならないと思うが、その予測がはずれて、地域密着型サービスが定員18人以下としてすべて同じくくりとされたなら、定員10人以下の事業所にとっては死活問題である。この点は注目しておかねばならないことではないかと思う。

それももう一つは、本体通所介護事業所のサテライト事業所に移行する場合の疑問である。この場合の人員配置規定は、現在示されていないように記憶している。(違っていたら、どなたか指摘していただきたい。)

サテライト事業所は、本体事業所との一体的な指定がされ、メリットとしては本体施設とサテライト事業所との『人材の共有』がメリットになると思われるが、その具体的な規定が今のところ示されていないと思う。

例えば、小規模多機能居宅介護のサテライト事業所への移行も可能となっているが、この場合だと29年度末まで宿泊室を設けなくてよい経過措置期間が示されており、この間は日中の通いサービスだけ対応して、宿泊サービスを利用する場合は、本体事業所で対応するということになるし、人員配置においては、小規模多機能型居宅介護の代表者・管理者・看護職員・介護支援専門員・夜間の宿直者(緊急時の訪問対応要員)は、本体との兼務等によりサテライト型事業所に配置しないことができるとされており、この部分でメリットが明らかである。

しかし本体通所介護事業所のサテライト事業所の場合、管理者は兼務可であるのは間違いないが、そのほかの職員について、サテライトだからと言って、利用者人数に応じた、介護職員数を確保しなくてよいということにならないだろうし、バイタルチェック等の看護職員対応も必要だろうし、あまりメリットは感じられない。

例えば、介護報酬Q&A VOL2では次のようなQ&Aが示されている。

問1 サテライト事業所において加算を算定するにあたり、認知症加算又は中重度者ケア体制加算の算定要件の一つである専従の認知症介護実践者研修等修了者又は看護職員は、通所介護を行う時間帯を通じて本体事業所に1名以上配置されていればよいか。

(答)認知症加算・中重度者ケア体制加算は、認知症高齢者や重度要介護者に在宅生活の継続に資するサービスを提供している事業所を評価する加算であることから、通所介護を行う時間帯を通じてサテライト事業所に1名以上の配置がなければ、加算を算定することはできない。

↑このように2つの新加算については、サテライト事業所だからと言って本体施設と一体的に算定できるものではなく、この部分のメリットはないのである。

そうであるなら、相談員の配置規定は本体に配置されていることをもって緩和されるのであろうか?この辺りの基準が示されない限り、本体通所介護のサテライト型に移行するメリットはあるのかどうか判断できないし、そうであれば、通所介護のサテライト事業所へ移行するという判断自体ができないということになるのではないだろうか。

この点が大きな疑問である。

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