介護保険制度改正・報酬改定の主たる目的は何か?
それは、団塊の世代が全て75 歳以上となり、医療ニーズを併せ持つ要介護者の増大が見込まれる 2025 年(平成 37 年)にむけ、その後数年間の介護ニーズの増大(おそらく2040年まで)に対応するために、保険料と公費で支えられている介護保険制度の持続可能性を高め、限りある資源を有効に活用するため、より効果的で効率的なサービスを提供する仕組みに制度を変えていこうとするものだ。
効果的で効率的なサービスといえば聞こえは良いが、その本当の意味は、必要性の薄いところにはお金をかけず、国民にも痛みを負担してもらおうというものであり、軽度介護者に公費と保険料をかける無駄を省いて、その部分は自己責任で対応することを主軸とするという意味だ。少ない財源は、中・重度の要介護者だけにしか回せないというのである。
そんな中、安部内閣は6月30日に、「経済財政運営と改革の基本方針2015 〜経済再生なくして財政 健全化なし〜」(骨太方針)を閣議決定し、この中で社会保障費の伸びを2018年まで、現状の毎年1兆円から五千億円に抑える方針を打ち出した。
これは財務省が2020年度に、一般会計上の基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化することを最重要課題としていることに対応した歳出削減策である。
しかし団塊の世代が後期高齢者となる2015年に向けて、社会保障費の自然増分が増大する中での、この政策実現のためには、厳しい財政支出の抑制がともない、それは介護保険制度に対する締め付けと、介護報酬のさらなる削減という方向に向かう可能性が高い。
そんな中で、全国老施協は危機感を感じ、「2025年に向けたあるべき社会保障制度改革を目指して〜財政健全化に関する意見」を、骨太方針が出された直後の7月に公表している。この意見書に対する論評は明日に回すとして、今日は財務省の方針はどうなっているのかを確認してみたい。
4/27に行われた財政制度等審議会・財政制度分科会において、財務省は、『要介護2以下が対象のサービスを、効率化に向けて市町村の裁量を広げる「地域支援事業」に移行するとともに、そのうち訪問介護の生活援助や福祉用具の貸与、住宅改修の給付について、自己負担を原則とする仕組みに切り替えることを提言。要支援者への訪問介護とデイサービスも、原則として利用者の自己負担にすべきだ』と意見を出している。
このように今回の改正で、予防訪問介護と予防通所介護を、地域支援事業化した実績を橋頭堡にして、それを全サービスに拡大し、それも予防サービスだけではなく、介護給付の軽介護者にまで範囲を拡大し、さらに一部サービスは、自己負担を原則として、所得に応じた補助方式に変えようとする考え方が示されている。
さらに、『3年後の介護報酬改定もマイナスにすべきだ』と財務省が主張していることは、関係者の方はご存じだろう。
くわえて同省の宇波主計官が、9月3日、シルバー産業新聞(本社・大阪市)の座談会で、さらなる給付抑制を視野に入れていることを示している。その内容は9/10付の同紙によって報道されている。
それによると、「利用者のコスト意識を高め、事業者の競争を促す。」ことを理由に、「福祉用具や生活援助は原則自己負担に切り替え、要介護度や所得に応じた一部補助の仕組みへ」と提言し、この2つのサービスは、軽介護者に限らず介護給付から外すことを示唆している。特に、「福祉用具のスペックと価格の関係が高止まりしている。」として、価格競争が実質行われていないことを問題視している。さらに、「住宅改修は個人の資産形成になっている。」として、これも保険給付は問題であるという認識を示している。
この考え方は、来年2月から始まる社会保障審議会・介護保険部会の中で議論されていくことになるが、このことが実現したら、国民の福祉の切り捨てであるという指摘は免れないだろう。
それにもまして問題になることは、強制加入の保険料を払っている被保険者が、一定年齢に達し、要介護認定を受けても、なおかつ保険給付が受けられないという問題が生ずる。これは保険料を納めるという動機付けを著しく削ぐもので、制度維持の根幹にかかわる問題に発展するであろうことを指摘しておきたい。
(介護保険制度はどうなってしまうのか2(全国老施協の意見書について・前編)に続く)
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感動の完結編。

私たちは、「年金」を頂けるのでしょうか?
と、不安に思う年頃ですが、同様に「介護保険」を利用することができるのでしょうか?と会話が聞こえるようです。
今日は、「秋分の日」ですね。
時代は変化しても「彼岸花」は、毎年咲いてる場所もありますね。
時代が変化しても「介護保険制度」のみならず、様々な「福祉」がいい形で生き残れます様に・・・・