昨日更新した、「迫りくる介護崩壊危機」に書いたように、介護報酬の減額を強いられた特養の厳しい状況は半端ではない。そのため各施設は減益幅を圧縮させるための様々な対策に取り組んでいることだろう。

経費削減では、アウトソーシングして経費削減できる部分がないか検証しなおして、外部委託契約を進めている施設も多いことだろう。特に自前で、調理員を雇用して食事提供していた施設は、今年度以降に厨房業務のアウトソーシングを図る施設が増えるだろう。掃除や洗濯といった業務もしかりである。

その他の運営コストも削減を図っていく必要があり、それは利用者介護に必要な経費も例外ではない。特に支出額が多い排泄用品のうち、紙パットや紙おむつは、系列法人とタイアップして共同購入を進めるなどすると年単位で100万円近くのコストダウンを図ることができる可能性がある。そうした経費の細かな見直しが不可欠だろう。

収入面では、定員がある一般入所の収益を今以上に挙げることは現実には難しく、入院や退所の空きベットへの新規入所のタイムラグをできるだけなくして、ベッド稼働率を高く維持することが求められる。

当然のことながら、減益幅を少しでも圧縮するためには、基本サービス費以外の加算費用である日常生活継続支援加算等を確実に算定できるようにしなければならない。

例えば看取り介護加算は、減益分を補う額には程遠い額であるとはいっても、看取り介護をきちんと行うことによって、終末期という理由だけで医療機関に入院する必要がなくなるという意味がある。ならば国が構築を求めるPDCAサイクルを積極的に構築し算定していくべきである。

経口維持加算も、食事の観察と会議を行うこと等で、造影検査を行わずとも、従前の加算兇茲蟾發た群短鮫気鮖残蠅任るので、必要な人には確実に算定できる体制を整えるべきであろう。

ショートステイについては、年平均利用者が1名増えれば250万円以上の増益が見込める。そのため「空床利用型」と「併設専用ベッド型」の両方の指定を受け稼働率を高める必要がある。

従前までの稼働率が100%に近い施設でも、基準緩和により「利用者の状態や家族等の事情により、介護支援専門員が緊急やむを得ないと認めた場合などの一定の条件下においては、専用の居室以外の静養室での受入れを可能とする。」とされたルールを利用するべきだ。これはショートベッドが満床時に、静養室のベッドを利用できるという意味だから、実質ショートベッドの増床であり、これによる利用者数増を目指すことが可能である。これに伴う定員変更の届け出も必要になる場合があり、行政担当課に確認する必要もあるだろう。

さらにショートは退所した日に、新たに利用する人が同じベッドを使う場合には、利用時間が重複しないことを条件に、1ベッドで2人分の費用請求が可能なのであるから、できるだけ退所ベッドに、その日のうちに別のショート利用者の受け入れを行うという意識を高めることで収益は上がる可能性がある。

どちらにしても今後の施設経営は、どんぶり勘定ではなく、コスト計算をきちんと行った管理が不可欠になる。加算を算定するために、算定できる費用以上のコストをかけては意味がなく、売り上げ目標を年単位、月単位、週単位、日単位で考えて、そこに到達するために何が必要で、何を削減するのかを考えていかねばならない。

加えて今後は、保険制度外の収益事業を同時並行的に行って収益を確保していく必要があるだろう。どのような保険外事業があって、どのようにそれを実施できるのか、あるいは受託できるのかなどを様々なアンテナを使って情報分析していく必要があるだろう。

さらに職員確保の課題解決、そのための職場環境づくりが加わってくるのだから、管理者が考えなければならないことは山ほどある。

しかし、この3年間を何とか乗り切ったとしても、次期介護報酬改定での報酬アップがないと、事業経営自体が困難となり、取り崩すことができる繰越金で、あと何年営業可能かという判断をせざるを得ない法人も増えるだろう。「社会福祉法人はつぶれない」、「人手不足だから介護職員の給料は減らせないから、人材流出はしない」というわけのわからない論理で、介護費用を切り捨てた財務省の論理が、日本の介護の破綻につながる時期は、そう遠い時期ではないのかもしれない。

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