認知症をもつ人を一人の「人」として尊重し、その人の視点や立場に立って、その人の個別性を理解しながらケアを行おうとする考え方を、「パーソン・センタード・ケア」という。

僕はこの考え方は、何も認知症の人のケアに限ったものではないと思うので、「あせらない介護」のなかでは、『それは何も「認知症ケア」ではなく、「ケア」そのものであると僕は考えている。』と書いている。その考え方は今も変わりない。大事なことは、認知症の人であっても、認知症の症状がない人であっても、ケアの方法論を考える際には、一人一人の異なる個別性や、感情に対する配慮は欠かせないということであるし、サービス提供方法が、我々の価値観の押し付けであってはならないということだと思う。

ところで来月8月8日(土)に、奈良県の社会福祉法人・太樹会さんの8周年記念事業として、「第1回パーソン・センタード・ケアをともに深める会」が行われるが、縁あってその中での記念講演講師を依頼された。
※文字リンクから、この会の案内とサ安価申込書がダウンロードできるので、是非参照していただきたい。

第1 回 パーソン・センタード・ケアをともに深める会
僕が頂いた講演テーマは、「ケアパートナとしての誇り〜介護の常識を見直し、明日へつなぐ介護を創ろう」である。

このことに関して、講演主催者の事務局に、「僕のお話しする内容も、認知症という枠から外れない方がよいでしょうか?」と質問してみた。すると次のような答えが返ってきた。

8/8のご講演では、「その人を取り巻く人々や社会とのかかわりをもち、人として受け入れられ、尊重されていると本人が実感できるように、共に行っていくケア」を考えたいと思っています。ケアをする人、される人がともに必要とされている、ここにいていいんだ、と実感できるような関係性をみんなで考える機会となれば幸いです。ですので、認知症に限らず、菊地先生の言霊に触れられればと思います

ということで当日は、認知症の方に対するケアに限らず、ケアそのものについて語ろうと思う。それは僕がいつも講演で語っていることであるが、戦後70年を迎えた今日の状況において、高齢者を対象とするケアサービスに何が求められているかを明らかにし、誰でも実践可能なケアの実践論を語ろうと思う。

団塊の世代が2025年に後期高齢者となる我が国の状況を鑑みれば、認知症の人に対する理解と、そのケアはますます重要になるのは明白であり、そのことにも触れたいと思う。現実社会で、認知症の人の尊厳と権利がいかに奪われているかとい実例を示したうえで、求めらえる対策をも明らかにしたい。

当日の講演は、畿央大学 冬木記念ホールで、12:45〜17:00の予定で行われる。僕は13:00〜90分間の講演を行う予定であるが、そのほかに村田 康子氏(NPO その人を中心とした認知症ケアを考える会 代表理事・英国ブラッドフォード大学認知症ケアマッピング(DCM)認定講師・認知症介護研究・研修大府センター DCM推進マネジャー・作業療法士)と、中村 裕子氏(認知症介護研究・研修大府センター 研修部 主任研修指導主幹・英国ブラッドフォード大学認知症ケアマッピング(DCM)認定講師・社会福祉士・介護福祉士・介護支援専門員)の講演も予定されている。

会場が広いでの、席には十分な余裕があるそうだ。お近くの方は、是非8/8(土)畿央大学においでいただきたい。

※ちなみに、前日7日の大阪市老連主催「看取り介護講演」は、残り座席あとわずかである。こちらへの参加希望者は、お早目にお申し込みください。

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