新年度に入り、新しい介護報酬の算定ルールに基づいて業務再編している事業者が多いだろうが、現場の混乱は収まっていない。

現在行っている業務の手順はこれでよいのか、利用者に対するサービス提供の方法は間違っていないのかという試行錯誤が続いており、特にそれが加算算定に関連するものである場合、この手順と方法で、本当に加算が算定できるのかという部分で疑義が生じている。そのため表の掲示板では、この部分に関する情報のやり取りが続いているが、根拠となる国の考え方が示されていないため、その情報交換もやや混乱気味と言えなくもない。

それもこれもQ&Aの発出が遅すぎるためである。過去の例から言えば、最初のQ&Aが2月中に出されて、3月の年度末までにすべてのQ&Aが出そろったということもあった。そうでない場合も、前回と前々回の報酬改定時は、それぞれ3月中旬に最初のQ&Aが発出され、年度末に第2弾が出されている。そこで4月請求の概要はおおよそつかめたわけである。

ところが今回は、最初のQ&Aの発出が新年度にずれ込み、今月中にあと2本のQ&Aが出される予定であるが、それもまだ出ていない。

加算請求や給付管理は5月に行うのだから、そこまでに詳細が明らかになればよいというのは少し違うと思う。介護保険サービスの原則は計画利用であり、その計画の中には費用の計画という意味をも含んでいるのだから、利用者の皆さんが、今自分が使っているサービスの対価がいくらで、1月後に自分がいくら支払うのかということが不透明である状態は問題である。事業者にしても経営にして、受容となる加算算定要件が不透明なままでは、事業運営に不安要素を抱えたかなの状態が続くことになる。大減算の報酬改定なのだから、わずか1月の収入だから問題はないということではないだろう。

統一地方選挙などの政治日程も影響するなど、様々な要因で発出作業が遅れているのだろうが、利用者と事業者にだけそのしわ寄せをするような状況はなくしていただきたい。過去の作業例に比べて、これだけ作業が遅れていることも、担当課長や担当課員の人事考課にしてほしいとさえ思ってしまうのである。

ところでQ&A第1弾の中にも解釈が難しいものがある。例えば通所リハビリテーションの中重度者ケア体制加算については

問106 中重度者ケア体制加算において、通所リハビリテーションを行う時間帯を通じて、看護職員を1以上確保していることとあるが、2名の専従看護職員が両名とも体調不良等で欠勤し一日でも不在になった場合、利用者全員について算定できるか。

(答) 時間帯を通じて看護職員を1以上確保していることが必要である。


という部分について、「一日の言葉の場所から推測するに、月単位での体制加算と読めるのではと考えました。1日毎の算定であれば、上記の文章は不自然かなと…。」という意見があり、月のうち1日でも体制が不備である場合、その日のみでなく月を通じてこの加算が算定できないのではないかという疑義が生じている。これは通所リハビリのみならず、通所介護の同加算でも同じ疑義となっている。

僕はこのことについては、その日1日は利用者全員に算定できないので算定する場合は 時間帯を通じて看護職員を1以上確保していることが必要という意味に過ぎないと思っているが、これも今一度疑義解釈が求められる部分だろう。

またショートステイの緊急短期入所受け入れ加算についても、緊急の意味、「計画的に行うことになっていない」という定義が、そもそもケアプランに入っていないということなのか、それは1表〜3表部分なのか、利用表・提供表におけるその月の当初の利用計画に入っていないということなのか、という部分について混乱が生じており、疑義解釈が待たれるところである。(参照:議論となっているスレッド

Q&Aが出たことによって、逆に疑問が生じた部分もある。ショートステイを緊急に受け入れる場合に、静養室を利用することが可能とされたが、この場合の居住費について。

問74 静養室において緊急に短期入所生活介護の提供を行った場合、従来型個室と多床室のどちらで報酬を算定するのか。

(答) 多床室の報酬を算定し、多床室の居住費(平成 27 年8月以降)を負担していただくこ ととなる。


↑静養室が個室であっても多床室料金を算定するということはわかるが、ここでなぜ(平成 27 年8月以降)という括弧書きがされているのだろう?8月から多床室も、光熱水費負担だけではなく室料負担が加わり単価が変わるのはわかるが、4月からの利用で8月からの料金負担などあり得ず、この括弧書きはいらないような気がする。いったいどういう意味があるのか、このQ&A最大の謎となっている。

Q&A Vol2は今週中にも発出されるであろうし、今月末にはVol3も出される予定だという。

Vol2では介護職員処遇改善加算の詳細も掲載されることになるのではないだろうか。

特養の関連では、日常生活継続支援加算について、新しい算定要件の一つが「新規入所者の認知症日常生活自立度薫幣紊65%以上」とされ、従前の利用者割合ではなく、新規入所者に占める割合とされたことについて、算定がしにくくなるという意見があるが、この判定については、入所前に渓にであっても、入所後7〜10日程度の状態を観察し、施設嘱託医師により薫幣紊犯縦蠅気譴疹豺腓眷Г瓩蕕譴襪箸い条件が加えられることも、Q&Aで考え方が示されるものと思える。

それにしても、これにより施設所属医師の介入による認知症の日常生活自立度の変更ができるのだから、事実上要件緩和と言ってよく、全国老施協はこの部分では水面下で頑張ってくれたのだろうと想像がつく。

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