全国老施協が主催している、「介護力向上講習」で行われている洗脳的教育とは、施設利用者に対する個別アセスメントのない一律の1.500ml/日の強制的な水分補給であり、その問題については、このブログでも再三批判してきた。(参照:過去の関連記事)
しかし実際には、知識も見識もない施設管理者と介護主任が、その講習会に参加することによって洗脳され、根拠のない過剰な水分摂取を利用者に強制的に行っている施設は増え続けている。そしてそのことにより健康被害が生じているケースについての情報も、僕のこのブログ記事のコメント欄に数多く寄せられている。
可哀そうなのは、そこで無理やり過剰な水分を摂取し続けられ、心不全等を引き起こして亡くなっっている人である。
しかしその原因について、水分の過剰摂取と結び付けて考えられないために、単に年のせいとか、病状の悪化とされるだけで、水分の過剰摂取さえなかったら、もっと長生きしたであろう人々が、そこで死んでいることについて、誰もそのことを問題視せず、誰も責任を取っていないという現状がある。これはとても恐ろしいことだ。
全国の介護施設で、この科学的根拠のない一律1.500ml/日という過剰な水分補給を、利用者全員に強制的に行っている施設の管理者や職員に警告しておく。いつまでもそのことが問題視されず、健康被害が出ても水分摂取と絡めた批判がされないという現状が続くわけがなく、近い将来そのことは確実に、健康被害者の訴訟問題に発展するということである。その時あなた方は、きちんとその訴えに反論し、自分たちに責任はないと主張する根拠を持っているだろうか?僕はそんな根拠は、どこにも存在しないと思う。そんな科学的根拠はないというのが、一般的な医学的知見だからである。
テレビ等の司会者として有名な、みのもんた氏(70)が、テレビ番組の中で、水を飲む習慣を勧めて、それを実行した視聴者が、「うっ血性心不全」を発症し、それはみのもんた氏の発言に責任があるとして、同氏に対し損害賠償を求めたことがありらかになった。
--------------------------------------------------
2015年3月10日 17時0分 東スポWebより
大御所司会者・みのもんた(70)が、テレビでの発言で訴えられていたことが9日、本紙の取材でわかった。かつて司会を務めた日本テレビ系情報番組「午後は○○おもいッきりテレビ」と後継の「おもいッきりイイ!!テレビ」で、みのが「水を飲もう」と勧めたところ、実践して習慣化した千葉県の主婦Aさん(87)がうっ血性心不全などを発症。テレビで発言したみのに責任があると約6700万円の損害賠償を求めて提訴した。対するみのも、辣腕弁護士を立てて、徹底抗戦の構えを見せている。
※うっ血性心不全=心臓のポンプ機能に障害が生じ、体内に十分な血液を送り出せない状態を心不全と言う。その結果、血流量が減ったり、一部組織の血管に血液が滞留して増加する(うっ血)現象が見られる。そのため心不全は「うっ血性心不全」とも呼ばれる。肺にうっ血が起こって呼吸が苦しくなったりするほかに、顔や下肢のむくみ、食欲不振、疲れやすいといった症状などが見られる。
----------------------------------------------------
この訴訟自体がどうなるかはわからないし、訴えそのものが正当なものかどうかも判断できる材料はない。
しかし一つ言えることは、ただ単にテレビ番組の中で、「毎日、一定量の水分を呑みましょう」と勧めただけで、その言葉を信じて自ら水分を摂取して、結果的には水分過多で病気を発症した人から訴えられるという事実があるということである。
一方で、介護力向上講習受講施設の多くでは、過剰な1.500ml/日という水分を、利用者や家族への十分なる説明も同意もないまま、過剰に摂取させているのだから、その責任度合いは、みのもんた氏の比ではない。かつ介護施設は、本来利用者の命や暮らしを護るべき責任を負っている場所で、それを護るための最低限の基本知識を持っていなければならず、水分過多は健康被害につながるという明らかな事実や事例が存在する以上、そのことを無視して過剰な水分摂取を続けて、そのことが健康被害につながったという事例が公になった時に、その施設には損害賠償責任が生じるだろうし、場合によって管理者には刑事責任が問われ、告訴されることも考えられる。
少なくとも過剰な強制的水分補給を行っている施設で今後、心不全や低ナトリウム血症、高血圧などの悪化等の健康被害が生じた場合、この過剰な水分強制補給に対し、損害賠償の請求・訴訟が起こることは時間の問題だろう。水分過多と関連深い病状の悪化が、いつまでも年のせいとして隠し通せると思う方がどうかしている。
なお、僕のフェイスブックでこの問題を提起した昨日から今日にかけて、そこに寄せられた意見を下記に紹介しておく。
(フェイスブックに寄せられたコメント)
・薬でもそうですが、人によって違うので、ある人にはいい薬でも、別の人にとっては毒になります。水分は一般的に脱水症の予防に欠かせませんし高齢者は脱水しやすいので水は必要ですが、心臓などの病気を持っている人には危険ですね。
・ 施設系にはこんなに広がって、実践していることに本当にびっくりです。医療の事もっと勉強して欲しいです。ギリギリまで在宅で頑張って施設に入所しているのに、、、あとひどい目にあうなら、後悔ばかりですよ(泣)
・自分の親だったら、個別アセスメントもしないで一日1500ml(食事のとき摂取する量を除く)の水分を無理やり飲ませる施設からは、九分九厘退所させますよ。
・知らないとそれが正しいんだと施設の職員に言われたら家族は泣き寝入りですね。一人でも多くの人を助けたいです。
・当該利用者の体型によって不感蒸泄や食事から入る水分量、基礎疾患も違いますから、一概に1500ccというのはおかしな話ですよね。
※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。
介護・福祉情報掲示板(表板)
4/24発刊「介護の詩・明日へつなぐ言葉」送料無料のインターネットでのお申し込みはこちらからお願いします。
「人を語らずして介護を語るな 全3シリーズ」の楽天ブックスからの購入はこちらから。(送料無料です。)
しかし実際には、知識も見識もない施設管理者と介護主任が、その講習会に参加することによって洗脳され、根拠のない過剰な水分摂取を利用者に強制的に行っている施設は増え続けている。そしてそのことにより健康被害が生じているケースについての情報も、僕のこのブログ記事のコメント欄に数多く寄せられている。
可哀そうなのは、そこで無理やり過剰な水分を摂取し続けられ、心不全等を引き起こして亡くなっっている人である。
しかしその原因について、水分の過剰摂取と結び付けて考えられないために、単に年のせいとか、病状の悪化とされるだけで、水分の過剰摂取さえなかったら、もっと長生きしたであろう人々が、そこで死んでいることについて、誰もそのことを問題視せず、誰も責任を取っていないという現状がある。これはとても恐ろしいことだ。
全国の介護施設で、この科学的根拠のない一律1.500ml/日という過剰な水分補給を、利用者全員に強制的に行っている施設の管理者や職員に警告しておく。いつまでもそのことが問題視されず、健康被害が出ても水分摂取と絡めた批判がされないという現状が続くわけがなく、近い将来そのことは確実に、健康被害者の訴訟問題に発展するということである。その時あなた方は、きちんとその訴えに反論し、自分たちに責任はないと主張する根拠を持っているだろうか?僕はそんな根拠は、どこにも存在しないと思う。そんな科学的根拠はないというのが、一般的な医学的知見だからである。
テレビ等の司会者として有名な、みのもんた氏(70)が、テレビ番組の中で、水を飲む習慣を勧めて、それを実行した視聴者が、「うっ血性心不全」を発症し、それはみのもんた氏の発言に責任があるとして、同氏に対し損害賠償を求めたことがありらかになった。
--------------------------------------------------
2015年3月10日 17時0分 東スポWebより
大御所司会者・みのもんた(70)が、テレビでの発言で訴えられていたことが9日、本紙の取材でわかった。かつて司会を務めた日本テレビ系情報番組「午後は○○おもいッきりテレビ」と後継の「おもいッきりイイ!!テレビ」で、みのが「水を飲もう」と勧めたところ、実践して習慣化した千葉県の主婦Aさん(87)がうっ血性心不全などを発症。テレビで発言したみのに責任があると約6700万円の損害賠償を求めて提訴した。対するみのも、辣腕弁護士を立てて、徹底抗戦の構えを見せている。
※うっ血性心不全=心臓のポンプ機能に障害が生じ、体内に十分な血液を送り出せない状態を心不全と言う。その結果、血流量が減ったり、一部組織の血管に血液が滞留して増加する(うっ血)現象が見られる。そのため心不全は「うっ血性心不全」とも呼ばれる。肺にうっ血が起こって呼吸が苦しくなったりするほかに、顔や下肢のむくみ、食欲不振、疲れやすいといった症状などが見られる。
----------------------------------------------------
この訴訟自体がどうなるかはわからないし、訴えそのものが正当なものかどうかも判断できる材料はない。
しかし一つ言えることは、ただ単にテレビ番組の中で、「毎日、一定量の水分を呑みましょう」と勧めただけで、その言葉を信じて自ら水分を摂取して、結果的には水分過多で病気を発症した人から訴えられるという事実があるということである。
一方で、介護力向上講習受講施設の多くでは、過剰な1.500ml/日という水分を、利用者や家族への十分なる説明も同意もないまま、過剰に摂取させているのだから、その責任度合いは、みのもんた氏の比ではない。かつ介護施設は、本来利用者の命や暮らしを護るべき責任を負っている場所で、それを護るための最低限の基本知識を持っていなければならず、水分過多は健康被害につながるという明らかな事実や事例が存在する以上、そのことを無視して過剰な水分摂取を続けて、そのことが健康被害につながったという事例が公になった時に、その施設には損害賠償責任が生じるだろうし、場合によって管理者には刑事責任が問われ、告訴されることも考えられる。
少なくとも過剰な強制的水分補給を行っている施設で今後、心不全や低ナトリウム血症、高血圧などの悪化等の健康被害が生じた場合、この過剰な水分強制補給に対し、損害賠償の請求・訴訟が起こることは時間の問題だろう。水分過多と関連深い病状の悪化が、いつまでも年のせいとして隠し通せると思う方がどうかしている。
なお、僕のフェイスブックでこの問題を提起した昨日から今日にかけて、そこに寄せられた意見を下記に紹介しておく。
(フェイスブックに寄せられたコメント)
・薬でもそうですが、人によって違うので、ある人にはいい薬でも、別の人にとっては毒になります。水分は一般的に脱水症の予防に欠かせませんし高齢者は脱水しやすいので水は必要ですが、心臓などの病気を持っている人には危険ですね。
・ 施設系にはこんなに広がって、実践していることに本当にびっくりです。医療の事もっと勉強して欲しいです。ギリギリまで在宅で頑張って施設に入所しているのに、、、あとひどい目にあうなら、後悔ばかりですよ(泣)
・自分の親だったら、個別アセスメントもしないで一日1500ml(食事のとき摂取する量を除く)の水分を無理やり飲ませる施設からは、九分九厘退所させますよ。
・知らないとそれが正しいんだと施設の職員に言われたら家族は泣き寝入りですね。一人でも多くの人を助けたいです。
・当該利用者の体型によって不感蒸泄や食事から入る水分量、基礎疾患も違いますから、一概に1500ccというのはおかしな話ですよね。
※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。
介護・福祉情報掲示板(表板)
4/24発刊「介護の詩・明日へつなぐ言葉」送料無料のインターネットでのお申し込みはこちらからお願いします。
「人を語らずして介護を語るな 全3シリーズ」の楽天ブックスからの購入はこちらから。(送料無料です。)