介護報酬の改定率はマイナス2.27%と極めて厳しいものとなったが、特養はそれに加え、経営実態調査の結果、収支差率が高いとされ、さらに内部留保金が3億あるという批判にさらされ、報酬減のターゲットとなっている。

しかし収支差率は、全国老施協の調査では4.3%でしかなく、しかもこの数字には施設整備補助の対象経費に相当する減価償却費が含まれており、これを除くと収支差率は0になる。また内部留保金の3億という数字には、減価償却に併せて、建築時の国庫補助金等を毎年取り崩して収入とする会計処理上の数字が含まれており、実際の現金等の入金を伴わない社会福祉法人独自の会計処理上の数字を含んだものであり、現金や預金の総額が3億という域ではないし、再三指摘しているように、それは不正蓄財ではない。(参照:介護報酬−2.27%の影響

しかし介護報酬単価決定(2/6)までの時間は短く、今回はそうした主張が通らず、特養の報酬単価は極めて厳しい減額が予測されている。

そうした状況では、新たな加算を確実に算定できるような体制を作っていくことも必要で、食事の経口摂取維持の取り組みを再評価し、入所者の適切な口腔衛生管理の普及を目的に名称変更され算定要件が新たに示される、「口腔衛生管理加算」、「口腔衛生管理体制加算」を確実に算定できるようにする必要があるし、基本サービス費が減額される中、増額される「看取り介護加算」は、確実に算定しなければならないと思う。

看取り介護加算については、下記の図のように現行最大合計4800単位であったものが、死亡日以前4日〜30日までの単位数を上げ、合計(4800+α)単位となる。

看取り介護加算の見直し
このための新たな要件は以下の通りである。

‘所者の日々の変化を記録により、多職種で共有することによって連携を図り、看取り期早期からの入所者及びその家族等の意向を尊重をしながら、看取り介護を実施すること
当該記録等により、入所者及びその家族等への説明を適宜行うことを追加し、死亡日以前4日以上30日以下における手厚い看取り介護の実施に対し、単位数を引き上げる。

また、施設における看取り介護の体制構築・強化をPDCAサイクルにより推進することが求められている。

この算定要件は特段厳しい条件ではない。当施設では毎日朝礼で、看取り介護対象者の状態報告を行い、全職員で状況把握を行っている。当然その状態報告のための記録があるわけで、それがそのまま,了残衢弖錣竜録となる。

△蓮家族が毎日面会に来るとは限らないので、面会時に面会している日の状態と、面会しなかった日の状態を説明し、安心感を持ってもらおうという目的であろうし、今までも「随時の説明」が求められていたわけであるから、この説明を「面会時には必ず行う」こととし、その内容は現在朝礼で行っている内容と同様にすればよいわけであり、そのことを記録しておけばよいだけの話だ。

この要件をクリアするための書式は国から示す考えはないそうである。ただし国は、全国老施協に参考書式を示すようにお願いしているそうだ。

しかしそのような参考書式に頼るまでもない。自施設の方法に併せて、算定要件をクリアできる記録しやすい書式を独自に作った方があとあと楽である。全国老施協がどのような書式を示すか知らないが、そのようなものにとらわれていては、施設の裁量が生きてこない。僕はすでに、現在の毎日の報告事項の書式に、家族の説明記録を加えた新書式案を持っている。近々その新書式に切り替え予定である。

また求められているPDCAサイクルは、次のような図で説明されている。

PDCAサイクル
要は看取り介護の実施体制を構築したうえで、その振り返り評価や報告を行いながら、体制の改善に努めるべく体制を構築するということであり、それも特段体制づくりが困難となるようなものではない。

体制の整備や看取り介護の実施自体は、それをしなければ加算算定できないのだから、必然的に創らねばならないもので、加算している施設では現時点でできているものである。あとは振り返りのための、「デスカンファレンス」や、「事例報告」の場を作ればよいだけで、当施設の場合は、このことについては「看取り介護終了後カンファレンス」や、その内容の報告、様々な機関に対するケース紹介などですでにクリアしているものだと思われる。

報酬改定率が下がる中で、加算単位が上がるという意味は、国が特養に期待している機能が、「看取り介護」であることを意味し、この期待に応えることが、将来的に特養の介護報酬改善に反映されてくることを期待しながら、看取り介護の提供体制を、すべての特養で充実させていくことが求められるだろう。

そのため職員の意識改革や基礎知識の研修が必要なら、僕が全国各地で行っている『看取り介護研修』に職員を派遣していただきたい。施設全体で知識を得たいという場合は、施設研修に講師としてお招きいただければ、必要なお話もできるだろう。現に昨年度も、法人・施設単位の職員研修で、『看取り介護講演』を何度かおこなっている。老健のターミナルケアに関わる研修講師としてもお招きを受け、一定の評価をいただいている。

必要があれば、メールで気軽に連絡していただきたいと思う。

勘違いしてほしくないことは、施設で亡くなる=看取り介護を行っているということにはならないということだ。看取り介護と称した、「施設内孤独死」も存在するが、それは看取り介護とは言えないということだ。終末期にいかに安心と安全の環境の中で、暮らしの支援を行い、最期の瞬間まで人生というステージで人間らしく過ごせるかが問われているのである。

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