年が変わった元旦と3日、当施設では容態が急変し医療機関に緊急搬送された方がおられた。幸い両名とも命に別状はなく、緊急入院したものの現在回復に向かっている。一日も早い退院を祈っている。

また、昨年末から「看取り介護」を行っていた方が、2日の日中に亡くなられた。その方は、元旦には意識がほとんどない状態に陥り、日中家族も傍らで過ごし、その日の夜には夫が宿泊するなど、最期を看取る準備ができていた方であった。僕は元旦の勤務であったので、帰宅する際にお部屋で、宿泊される旦那様に不都合なことはないかなどを確認して帰ったが、翌日の日中に旅立たれた。家族が見守る中やすらかな最期であった。お通夜は4日(日)18:00〜行われたので、僕はそこに参列してきた。

お通夜に参列して帰宅したそのすぐあと、今度は年末から風邪をひいて発熱していた方が、肺炎を併発し急死されたという連絡が入った。こちらは予測していないお別れであった。その方は平成11年に当施設が増築された際に入所した方で、15年以上当施設で暮らしていた方であった。風邪をひくまでは元気に暮らしていた方である。ジョークが好きだったその人の笑顔が思い浮かぶ。心よりご冥福をお祈りしたい。

看取り介護を行っての死と、突然の急死と、両者の旅立ち方は異なるが、死とは日々の暮らしの延長線上にあるものであり、死の迎え方が異なるとしても、日々の暮らしの中で我々がそれらの人々にどのようにかかわってきたのかが問題であり、看取り介護であろうと、急死であろうと、その方々が旅立たれた後に後悔しない日々の関わり方が大事だろうと思う。そういう意味では、日々の暮らしの支援の延長線上にある、「看取り介護」を特別視する必要はなく、特養という暮らしの場で、「看取り介護」ができないとか、必要ないと考える人々がいること自体理解ができない。暮らしの場には当然のことながら、看取り介護という支援が必要とされると思う。

このように今年は、1日〜4日まで、入院と死亡が1件ずつ生ずるという幕開けとなった。現在施設内では風邪がはやり、発熱者が増えている。インフルエンザの人はいないが、一日も早く皆さんに回復していただきたい思いでいっぱいである。熱発者が多いので、施設内の行事や集団レクリエーションも今週は中止している。

病気や死は、時期や場所を問わず訪れてくるものである。あらためて考えてみれば、そんな時に、いつもその事象に適切に対応してくれる機関があり、人がいるということはとてもありがたいことだ。

今回の2件の緊急入院にしても、そこには正月であっても緊急対応し、入院させてくれる医療機関が存在し、適切に対応してくれる医師や看護師等の存在がある。そのことを当然であると考えず、ありがたいことであるという感謝の思いを忘れないでいたい。

僕の所属施設にしても、昼夜を問わず365日は働いてくれる職員がいるからこそ、施設運営ができるのであり、そこで時期にかかわらず適切な対応を行うことができる職員がいるからこそ、「看取り介護」ができるということに対し、職員の一人一人に感謝したいと思う。

そういう職員が誇りをもって、安心して働くことができる職場を創り、護っていく必要があると思う。

とても現状を表しているとは思えないデータのみを根拠に、あたかも社会福祉法人がもうけ過ぎているようなプロパガンダで報酬が削減されようとしている厳しい状況において、志の高い職員をどう護っていくのかが大きな課題である。心配されるのは、このような社会福祉法人たたきの状況に嫌気をさして、将来の展望を失って、介護という職業から身を引く人々が増えないかということである。

介護の人材不足の理由の大部分は、国のこれまでの無策と、今後予測される間違った施策によってもたらされているものだ。ここに気が付かないのはなぜだろうか。

そんな状況と厳しい時代であっても、僕たちには護っていかなければならないものがある。それは我々の目の前にいる支援を必要としている人々の暮らしである。それを支える職員の暮らしと志である。

介護という職業は、専門知識と援助技術が不可欠な職業である。誰もができるという職業ではない。最低限必要とされ知識と技術を獲得し、それを日々向上させていくためには、ある種のモチベーションが必要となる。その基盤となるものが介護という職業に対する使命感を持つことであり、仕事に対して誇りを持つことができるということではないかと思う。

しかし対人援助や介護サービスの使命と言っても、そのことを誰からも教えられずに感ずることができる人がいる反面、僕たちの持つべき使命とはなにかを具体的に伝えないとわからない人がいるのも事実だ。そのことを具体的に示して初めて自身の職業に誇りを持つことができる人がいる。僕は職場の中で、そのことを伝え続けたいと思う。

同時に要望があれば、そのことを全国の色々な場所でも伝え続けたいと思う。僕たちの職業が、人々の暮らしを護る職業として存在するために・・・。
福祉施設職員の使命と誇り
そういう意味で、全国のいろいろな法人の職員研修講師としてご招待を受ける機会を今後も大切にしていきたい。一つ一つの言葉を大切にして、介護サービスの具体論を伝えていきたい。

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