来年の介護保険制度改正に関連して、全国介護保険担当課長会議資料についてのQ&A【9月19日版】が発出されているが、皆さんはもうご覧になっているだろうか。
僕はざっと目を通したという程度であるが、その中で気になる点、注目すべき点などをいくつか挙げておきたい。このブログの読者の皆さんも、何か気づいた点があれば、コメントを書き込んでいただきたい。
(利用者負担割合の変更について)
問34 旧措置入所者については2割負担の対象となるのか。
(答)介護保険制度施行以前から特別養護老人ホームに措置入所している者について、従前の費用徴収額を上回らないように配慮している趣旨に鑑み、旧措置入所者は2割負担の対象外としている。
(masaのつぶやき):特養の旧措置者は、所得額がいくらであろうとも1割負担のまま。
問38 負担割合証を交付する要介護(支援)認定者には、第2号被保険者も含まれるのか。また、第2号被保険者には負担割合証を発行しないこととしてよいか。
(答) 第2号被保険者は一律に1割負担ではあるが、事業者等が適切に負担割合を確認できるよう、要介護(支援)認定を受けている第2号被保険者に対しても、負担割合証を交付する。
(masaのつぶやき):第2号被保険者も所得によっては2割負担になるって思っている人って意外と多いよな。
(補足給付の資産換算について)
問63 預貯金等を親族に贈与した場合には、判定の対象外となるのか。
(答) 本人の意思に基づく適法な贈与が行われた場合には、贈与された資産については判定の対象外となる。
(masaのつぶやき):資産勘案はあくまで本人と配偶者のみだから、預金をおろして同居の子名義の貯金にすれば資産換算されないという抜け道もある。タンス預金も資産の対象となるけど、それはあくまで自己申告だから実際に把握できないタンス預金で、資産認定逃れは必ず出てくるし、暗にそれを勧める関係者も出てくるだろうな。
問64 施設入所時には預貯金等が基準を超えていても、その後基準を下回った場合にはその時点で申請を行って補足給付を受けることが可能とされているが、その場合の確認方法・適用開始時点はどうなるのか。また逆に、施設入所時に基準を下回っていて補足給付を受けている者がその後基準を上回った場合には給付対象外になるのか。
(答) 施設入所時には預貯金等の基準を超えていたが、入所後に基準を下回ることとなった場合は、その時点で本人から改めて申請を行い、申請日の属する月の初日より適用となる。逆に、施設入所時には補足給付の対象であったが、その後預貯金等が基準を上回ることとなった場合は給付対象外となるため、適正に自己申告いただくことを促す等により適切な預貯金額の把握に努めていただきたい。
(masaのつぶやき):これ実際には施設の相談員の業務になるだろう。特に施設入所時点で預金額が1.000万円を超えていたため補足給付の対象になっていない人が、入所中に預金額が1.000万円を下回った場合、申請さえすれば申請月初日から補足給付対象になるので、利用者支援という面からは避けられない業務だ。でも補足給付を受けたら、また数カ月後に預金が1.000万円を超えて、再申請が必要になることも想定できるなあ。相談員の業務量は増大するぞ。
問65 預貯金等の金額を確認するための通帳の写し等は必ず提出を求める必要があるのか。継続して申請する場合は毎年の提出までは求めないことも可能とすると示されているが、どのくらいの期間まで提出を求めないことが許容されるのか。
(答) 預貯金等の金額が自己申告によらざるを得ない以上、確認をとるため、初回申請時には必ず通帳の写し等の添付を求める必要がある。継続入所の場合には、申請者負担を考慮し、毎年の提出までは求めないこととして差し支えないが、その場合にも申請書上の自己申告により、毎年の判定時に預貯金等の金額を確認する必要はある。通帳の写し等を求めなくとも良い期間については、適正な判定業務を行える範囲で市町村において判断して差し支えないが、特別養護老人ホーム等では入所期間が長期に渡ることも踏まえると、少なくとも初回申請時しか添付を求めないといった対応は望ましくないと考える。
(masaのつぶやき):特養の場合、毎回補足給付継続申請時に預金の写しをつける必要があるって、これも代行申請を施設が行うことがほとんどだから、相談員の業務負担増だなあ。措置時代の収入申告を思い出させる。
(定員18名以下の通所介護の地域密着型サービスへの移行について)
問143 現在、1 の事業所において月曜〜金曜の利用定員を 30 人、土曜の利用定員を 10 人としている場合、月曜〜金曜について通所介護の指定が継続され、土曜について地域密着型通所介護のみなし指定を受けることになるのか。それとも、そもそも曜日ごとに定員を分けることは想定していないのか。(事例の場合では、利用定員は月〜土まで 30 人,月〜金曜は 1 単位目、土曜は 2単位目という取扱いになるのか)。
(答) 利用定員については、事業所において同時にサービス提供を受けることができる利用者の数の上限をいうものであるため、単位ごとの定員のことではない。事例のような場合には、利用定員 30 人の事業所となるため、地域密着型通所介護にはならない。
(masaのつぶやき):利用定員については、事業所において同時にサービス提供を受けることができる利用者の数の上限で地域密着型サービスになるか、否かを判断するということが明確に示された。
問144 地域密着型通所介護の利用定員については、定員 18 人以下と示されているが、事業所によっては、サービス提供単位ごとに定員 19 人以上と 18 人以下に設定している場合がある。このようなサービス体制を取っている場合は、サービス分類をどのように考えれば良いか。
(答) 利用定員については、事業所において同時にサービス提供を受けることができる利用者の数の上限をいうものであるため、サービス提供単位ごとの定員のことではない。事例のような場合には、利用定員 19 人以上の事業所となるため、地域密着型通所介護にはならない。
(masaのつぶやき):1日2単位の場合も、定員は事業所において同時にサービス提供を受けることができる利用者の数の上限で判断するということで、この部分での疑義は消えるだろう。
問145 平成 28 年 4 月から小規模な通所介護事業所が地域密着型サービス等に移行するが、利用者は原則として、事業所がある市町村に限定されるのか。また、他市町村の利用者については現行のような事務手続きをすることで利用可能とするのか。
(答)
1 平成 28 年 4 月 1 日以降の新規利用者については、その事業所がある市町村の被保険者のみがサービス利用の対象となるが、当該市町村の同意を得た上で他の市町村が当該事業所を指定すれば、他の市町村の被保険者が利用することも可能である。
2 また、平成 28 年 4 月 1 日前からの既存の利用者については、それぞれの住所地である市町村の指定があったものとみなされるため、事業所の所在市町村の被保険者だけでなく、当該市町村以外の他の市町村の被保険者も引き続き利用することが可能である。
(masaのつぶやき):既存の利用者については、みなし指定で継続利用可能。
問154 指定介護予防通所介護の指定を併せて受けている指定通所介護事業所が、指定地域密着型通所介護事業所に移行する場合、予防給付の通所介護が地域支援事業へ移行するまでの間、当該事業所に対しては、指定地域密着型通所介護事業所としての指定指導を市町村が行い、指定介護予防通所介護事業所としての指定指導を都道府県(大都市)が行うとの理解でよろしいか。
(答) お見込みのとおり。なお、移行期間について指定権者が分かれることになるため、都道府県と市町村は適切な連携を図るようにお願いしたい。
(masaのつぶやき):定員18名以下の通所介護事業が地域密着型サービスに移行するのは、平成28年4月からであるが、予防通所介護がその時点で新総合事業に移行していない地域では、予防通所介護は地域密着型サービスにならないため、その部分のみ都道府県指定の居宅サービス事業として残っているという扱いだ。
(お泊りデイサービスについて)
問163 お泊りデイサービスについても、「居宅サービス等」として、介護保険法に基づく実地指導、監査、処分の対象となる事項があるのか。
(答) 通所介護の設備を利用して介護保険制度外の宿泊サービスを提供している場合には、通所介護の基準省令を見直し、宿泊サービスの基本的事項等について指定権者への届出を義務付けることや事故があった場合には市町村への報告を義務付けることを検討している。
このため、宿泊サービスの届出事項に虚偽がある場合等、通所介護の基準省令に照らし必要がある場合には、実地指導等は可能であると考えている。
(masaのつぶやき):保険外サービスだから、本来ガイドラインが示されても、実質、行政指導の対象にならないと思っていたが、届け出の義務付けを根拠に、保険外事業でも通所介護の基準省令に照らし実施指導が可能って・・・やや強引な気がするが・・・。
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