今年23歳になる僕の二男は、中学からずっとバトミントンを行っており、今でも休日になると市の総合体育館などで練習や試合をしている。時にはそこで、後輩に指導をしているらしい。
そのような縁もあって、彼を通じて来春卒業予定の高校生から、「介護の仕事をしたいので、就職できないか」という相談を受けた。
その子は特別な介護の授業を受けているわけではないので、専門知識は全くない状態である。しかし介護という職業に憧れを抱いて、将来は資格も取りたいと思っているのだから、来春の卒業を待って、当施設に就職することはやぶさかではない。
しかし当施設の場合は、介護福祉士の有資格者でなければ正規の介護職員として雇用できない規則になっている。資格がない場合は、契約職員として採用することになり、この場合、賞与などはあるが、支給率が正規職員より低くなるし、通勤手当以外の各種手当(住宅・扶養等)も支給されないし、退職金制度などを含む共済制度の対象外職員となってしまう。
もちろん就業後に勉強をして、実務3年を経た後に国家試験を受けて合格し、晴れて介護福祉士の資格を取得すれば、正規職員にすることは可能だが、それには最低でも3年かかる。
たしかにそのようなルートで、現在正規職員として勤めている職員もいる。現に二男の同級生は、高校卒業後に介護とは全く関連のない別職種で働いていたが、1年もたたずにその仕事を辞め、当施設で契約職員として介護を一から学びながら3年後に介護福祉士を取得し、正規職員となり、今では若手のホープとして周囲から期待を寄せられながら、現場リーダーを目指して日々の介護業務にやりがいを感じて頑張っている。
だがそれができたのも、介護業務の実務経験3年で、国家試験を受けることができたからである。しかし、介護福祉士の国家資格を取得するための実務経験ルートについては、2016年度から450時間の実務者研修の受講を義務付けることになっている。
このため来春、契約職員として介護実務を始める人であれば、実務3年で国家試験を受ける際には、その経験だけでは受験資格を得ることができず、就業中に別に時間をとって実務者研修を受講しなければならない。就職して収入がある身とはいえ、経済的負担も馬鹿にできないし、なにより研修受講の時間を作るという苦労があるだろう。
一方で、介護福祉士養成校の卒業生に国家試験を課す時期は、2016年度からさらに延長させ、実施時期を2017年度以降とする方針が決定しているので、来春の高校卒業後に、介護福祉士の養成校に2年通えば、専門技術や専門知識を得るための勉強をしながら、2年後の卒業時点で確実に介護福祉士の資格を取得できる。
そのことを考えると、安易に当施設にその子を契約職員として就業させ、その後の資格取得に向けて指導協力するということが良いのかどうなのか疑問に思えた。
当人は「契約職員で構わない。将来は資格を取って正規職員を目指す」と言ってはいたが、こうした資格取得のルートなどの詳細を知っているわけではないので、きちんとそのことを説明し、熟考したうえで判断してほしいと話した。
同時にこのことは、若者の将来に係る問題で、仮に専門学校にいくという選択をした場合、学費の負担という問題も生じてくるので、親御さんにも理解をえる必要があると思え、昨日その子の父親と電話で話させてもらい、資格のこと、給与を含めた待遇のことなど説明させてもらった。
就職試験を受けるにしても、養成校の受験を選択するにしても、時間はまだ十分あるので、自分の将来設計としてじっくり考えてもらいたいと思った。
だが若い高校生が、真摯に介護の仕事に就きたいと思ってくれることには素直にエールを送りたいと思ったし、ひとりでもそういう人が増えてくれるのを願わずにはいられない。同時に、そうした志を持つ若者に、「介護の仕事は、収入が低いから将来設計ができないので、考え直しなさい」という進路指導が行われないように願うし、そういう進路指導があり得ないような待遇改善につながる、介護報酬の設定を望むものである。
ところで今日は、介護福祉士養成校の授業の日。介護福祉士の養成校の授業ではあるが、今日は来春卒業する2年生が社会福祉主事任用資格を得るための授業である。学校教育法に基づく専門学校において、厚生労働大臣の指定する社会福祉に関する科目を講義することになる。
そのため今日は、相談援助に関する講義であるが、半年後には介護福祉士として介護サービスの場に出て働く彼らに、護るべき介護の誇りをしっかり伝えてこようと思う。
ちなみに午後からの予定は、室蘭の専門学校で90分1コマ授業を2コマ、13:10〜16:20まで行った後、その足で登別市役所に走り、18:00〜認定審査会。審議終了後、一昨日施設で看取り介護が終了した方のお通夜に参列予定である。
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給与と、仕事のキツさについても、最近ではそれ程多職種と違わなくなってきているのではと思いますし、(周りが下がって、という事ですが。)お話のような若者がこれから増えていってくれたらいいな、と思います。