昨年、フェイスブックでつながっている千葉県老人保健施設協議会の方から、介護老人保健施設のターミナルケア研修で講師を務めてほしという依頼を受けた。

特養と老健の違いはあっても、ターミナルケアに関する考え方や、そこで行うべきことに差はないだろうということで、昨年8月、千葉市で180分の講演を行ってきた。受講者は、老健の方であるのは当然だが、職種としては看護職員さんが多かった。

それがきっかになり、今年3月に千葉市で行われた、「千葉県高齢者福祉施設協会主催のーミナルケア研修」でも講師役を務めた。ここでも180分講演を行ったが、その時の受講者は、特養の介護職員さんが中心だった。

ところで今月18日、2年連続で「千葉県老人保健施設協議会主催・ターミナルケア研修」の講師を務めることになった。そして今回は、昨年より60分長い240分講演で、午前と午後にそれぞれ120分お話しする予定になっている。

今年は時間が長い分、事務局より「老健でのターミナルケア加算創設の経緯、老健でなぜターミナルケアが求められるようになったか等、 加算算定ルールも含めて話して頂けるとありがたいです。」という要望をいただいている。

特養とグループホームの「看取り介護加算」や、老健の「ターミナルケア加算」の算定ルールをどこで確認するかという説明に使うスライドが次の画像である。

算定要件の確認
このように報酬告示をまず読んで、次に基準告示〜解釈通知という確認を行い、その後にQ&Aで補足されている部分はないかという確認が必要になる。この手順を省いて、Q&Aだけで算定ルールを確認しようとすれば必ず漏れが出る。一連の基本作業を怠ってはならないのである。

ところで特養と老健の基準告示を見ると、老健より特養のほうの基準が一つ多いことがわかる。

これは特養の看取り介護加算の算定要件として、常勤の看護師を1名以上配置し、施設の看護職員もしくは訪問看護ステーションとの連携により、24時間の連絡体制を整えていることや、看取り介護指針を定め、説明同意を得ていること、看取りに関する職員研修を実施していること、看取りに際して個室利用が可能となる体制を定めていることが定められている。

老健の場合は、この要件が全くない。おそらくその理由は、看護師を1名も配置していない老健はないということではなく、そもそも医師が配置されているから、その要件は必要ないし、医師が配置されている施設で、改めてターミナルケアの指針や研修は求めなくともおこなわれるだろうという意味ではないだろうか?個室の準備要件がない理由はわからないが、そもそも看取り介護加算と、ターミナルケア加算は同じ加算ではなく、要件が違うこともありという意味しかないのかもしれない。

なおグループホームの看取り介護加算についてはこの要件がないが、しかしグループホームが看取り介護加算を算定するためには、医療連携加算を算定しておらねばならず、医療連携加算の算定要件として看護師配置もしくは訪問看護ステーションなどとの連携による看護師のかかわりを求め、重度化対応指針を定めることとしており、解釈通知で看取り介護指針の作成を求めている。

ところで老健のターミナルケア加算の解釈通知を読むと、面白いことに気が付く。

《解釈通知老企第40号第2の6(13)》
ホ 外泊又は退所の当日についてターミナルケア加算を算定できるかどうかは、当該日に所定単位数を算定するかどうかによる。したがって、入所者が外泊した場合(外泊加算を算定した場合を除く。)には、当該外泊期間が死亡日以前三〇日の範囲内であれば、当該外泊期間を除いた期間について、ターミナルケア加算の算定が可能である。


↑ここに「外泊加算」という記述があるが、介護給付費にそのような算定費用は存在していない。これは明らかに「外泊時費用」の間違いである。このように国の発出文書にも間違いがあり、修正されないままその文言が残っているということがわかる。

またこの部分は特養の看取り介護加算と異なるルールである。というのも老健は、「入所者が外泊した場合(外泊加算を算定した場合を除く。)には、当該外泊期間が死亡日以前三〇日の範囲内であれば、当該外泊期間を除いた期間について、ターミナルケア加算の算定が可能」とされ、外泊時費用を算定中は、施設に利用者がいなくともターミナルケア加算の算定ができることになっている。

しかし特養のこの部分の記述は、老企40号第2の5(24)「┳闇駛瑤和狃蠅療日について看取り介護加算を算定できるかどうかは、当該日に所定単位数を算定するかどうかによる。」としか書かれておらず、外泊時費用の算定に触れた記述が一切ないため、外泊時費用の算定中でも看取り介護加算は算定できないことになっている。

Q&Aでも、看取り介護加算は入院または外泊期間は、看取り介護加算の算定はできないとされ、ターミナルケア加算は、「外泊加算は施設サービス費に代えて算定するものであることから、外泊加算を算定している場合にあっては、死亡月にターミナルケア加算を算定することとなる。」としている。(ここでも外泊加算という間違った算定費目名称になっている。)

これは特養の外泊時費用は、自宅への外泊だけではなく、入院の場合も算定できるのに対し、老健は入院の場合に外泊時費用は算定できないルールであることが影響しているのかもしれない。

ところで当日の講演内容は、事務局より次のような依頼もある。
自分が職員として赤い花のような存在になることができているのか、最後の瞬間に傍らにいることが許される存在になっているのか、そうなる為にはどのように考え行動すべきか、を含めていただけるとありがたいです。

この内容を含めて、昨年の講演のボリュームを膨らませた240分講演になる予定である。

誰かの人生の最終ステージにおいて、その人の傍らにいることが許され、その人にとっての心の中に、最期の瞬間まで咲き続ける赤い花。そんな介護を目指す人になることができるためのメッセージを伝えてきたい。
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