このブログ記事カテゴリーの中には、「日本酒」があって、masaの日本酒道というシリーズもずいぶん前から書いているので、日頃、僕が日本酒ばかり呑んでいると思われる方がいるかもしれない。
たしかに僕は呑兵衛であるが、しかし僕が普段呑むお酒はウイスキーであり、家呑みの晩酌は、ウイスキーの水割りである場合がほとんどだ。
オフ会などで、ご一緒した方はご存じだろうが、僕はビールが苦手でほとんど飲まない。そのため乾杯のときに「とりあえずビール」という習慣はなく、オフ会では最初から最後までハイボールでお付き合いすることが多い。
今日のように30度を超えるくそ暑い日でも、ビールのジョッキを恋しく思うことはない。キリリと冷えたジョッキには、炭酸の効いたハイボールを入れてグイッといきたいものだ。
ワインも結構好きである。日本酒を呑む機会は、ウイスキーとワインの次くらいの割合であろうか。というのは日本酒のランクが、僕の中で3番目の位置にあるからではなく、僕が好む日本酒は、晩酌で飲む安ウイスキーや、安ワインより値段が高いからである。
ワインに負けないくらいフルーティーな日本酒が多くなっているが、これは醸造用アルコールを添加した、いわゆる「アル添酒」ではなく純米酒である場合が多い。こうした本物の酒を創る蔵が増えてきたが、同時にそれらの日本酒が劣化しない温度管理が、流通〜小売り段階でも普通に行われるようになったことが米の香りがふくよかに香る酒が一般に出回るようになった大きな理由だろう。
そういう日本酒は、大好きである。ただ前述したように値段もそこそこなので、毎日の晩酌には向かない。せいぜい安いウイスキーを呑む前に、口開けにいっぱいだけ、おいしい日本酒を呑むということが多いだろうか。
ところで北海道で生まれ育ち、一度も道外で暮らしたことのない僕は、当然北海道が好きである。北海道の食べ物も大好きなのであるが、今まで一度も「日本酒道」のシリーズの中で道内の地酒を紹介したことはなかった。その理由はただひとつ、道内の地酒で旨いと思える酒に出会ったことがなかったからである。そのため僕は、「北海道の地酒で旨い酒はない。その理由は、水は良いけど、道内には酒造好適米でよいものがないからではないだろうか。」という固定観念を抱いていた。
おいしい日本酒をいくつも生み出している酒造好適米として、もっとも有名なのは山田錦だろう。うまい酒造りの条件として「YK35」という言葉が使われることがあるが、Yとは、この「山田錦」のことであり、Kとは「9号酵母」、そして精米歩合35%の大吟醸造りでできた酒に銘酒が多いという意味である。鳥取の銘酒、諏訪泉・純米吟醸「鵬:おおとり」などはその代表である。
このほかおいしい酒を生み出している酒造好適米としては、百万石、雄町、美山錦などが思い浮かぶが、しかしそれらはいずれも道内米ではない。そのため道内米を使う道内の酒蔵の地酒には限界があるのかと思い込んでいたのである。
そもそも酒造好適米とは、比較的大粒で心白がある米のことである。そのため稲が倒壊しやすく作りづらいという特徴がある。これに寒冷地であるという条件が加わり、なかなか道内でおいしい酒になる酒造好適米づくりは難しかった。
酒造りに使う米は、食用の米に比べ、アルコールの生成に必要なでん粉質の割合が高く、雑味を生じさせるたんぱく質の割合が低くなければならない。また粒が大ぶりで高度な精米にも耐える必要がある。なぜなら中心部に白く不透明な部分こそ発酵を行いやすい部分で、それ以外をできるだけそぎ落としたものが、香り高い米のうまみを引き出す酒になるからである。日本酒がフルーティーになるのも、余分な部分をそぎ落として吟醸香が醸し出されるからである。
その吟醸香に優れていると紹介しているのが、「masaの日本酒道2〜出羽桜・吟醸生酒・桜花」である。
先週、久しぶりにこのお酒を購入してみたのだが、上にリンクを張ったブログ記事を書いた頃と、造りの質が違ってきているように思えた。これは昨年この酒を呑んだ時にも感じたことで、フェイスブックに次のように感想を書いた。
「家で日本酒を飲む機会は多くないですが、昨晩は久々に山形の出羽桜。
ここ1〜2年、造りが悪いような気がする。この酒独特の鮮やかな吟醸香が薄れてしまっているような・・・。水質が変わったのか、酒造米の出来なのか、杜氏の腕が鈍ったのか・・・。」
この書き込みに対して、フェイスブックでつながっている道内の方から、「たしかに、以前はもっとフルーティーで艶やかな吟醸香がたちましたよね!」、「千歳鶴が出している十一州は、もう飲まれましたか?純米吟醸で出羽桜の桜花よりも少しお安く買えるのですが、以前の出羽桜を彷彿させる香りと味わいが感じられます。もし、まだでしたら、是非お試し下さい!」というコメントをいただいた。
千歳鶴を知らない呑み助道民はいないが、「十一州」という銘柄の酒があることは知らなかった。
そこでネットで調べたところ、新十津川地区で契約栽培している北海道の酒造好適米「吟風ぎんぷう」をつかい、地下150mからくみ上げている豊平川の伏流水を使って、丁寧に丹誠込めて仕込んだ酒であるらしい。ちなみに「十一州」とは、明治維新後の北海道は11ケ国86群に分けられたことにより、北海道を表す言葉が「十一州」であることに由来しているそうである。
今回は精米45%で「十一州」ブランド最高峰の純米大吟醸酒720ml(1.705円)と、レギュラーブランドにはない、50%精米の無濾過生原酒、「番外品」1.800ml(3.294円)を購入してみた。
※「番外品」の方は、濾過や加水と言った一切の手を加えず、そのままを瓶詰めしていると書いてある。
呑み比べてみると、どちらも鮮やかな吟醸香と綺麗な甘味が口中に広がる。レギュラー大吟醸はキレがありさわやかな甘み。番外品は、それよりコクがあって深い甘みといったところか。どちらも吟醸香がさわやかで、米のうまみをしっかりと感じることのできる甲乙つけがたい旨さである。僕の好みからいえば、番外品の深いコクのあるうまみにやや傾くだろうか・・・しかしやはり甲乙つけがたい。
どちらにしても今まで呑んだ北海道の地酒の中では一番旨かった。こんな日本酒が道内で創られていることを知ってよかった。道内の地酒ではおすすめNo1と評価しておこう。
和歌山地域ソーシャルネットワーク雅(みやび)の皆さんが、素敵な動画を作ってくれました。ぜひご覧ください。
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先日立ち寄った蕎麦屋のメニューにあったのですが、車だったので。。。残念!飲んでみたかったです。