今日はこれから登別を経って、新千歳空港から仙台空港を経由して宮城県登米市に向かう予定である。
心配していた台風8号も、温帯低気圧になった。道内の状況としては、トラブル続きのJR北海道が、今日も雨の影響により一部区間で運休しているが、幸い登別〜新千歳空港をつなぐ函館本線は通常運転している。新千歳空港〜仙台空港の空路も、特段遅れもなく平常運航しているようである。
登米市には午後5時を過ぎない時間に到着できるものと思われるが、そのあと夕方6:00から登米祝祭劇場大ホールで行われる「宮城県ケアマネジャー協会登米支部・登米市介護保険事業者連絡協議会合同研修」で講演を行う。
この研修会には、昨年初めてお招きを受け、今回2年連続のご招待を受けることになった。受講予定者も、昨年に引き続き300名を大きく超えた数となっており、たくさんの方々が登米市で僕を待ってくれている。そのことを考えると、うれしいやら恐縮するやら、責任重大であると感じている。
同じ研修会に連続してお招きを受けるということは、前回の講演内容に共感・支持してくださる受講者が多かったという意味だろうから、こんなにうれしいことはない。今回の研修のように、主催者が同じで、会員参加が多い研修会の場合には、昨年と同じ受講者が2年連続研修参加してくださる人が多いことが考えられる。
そうであれば2年連続で同じ話を聴いてもあまり意味がないだろうと思う。そのため昨年の同研修会で話した内容とはかぶらないように、違う角度から介護サービスの質向上に関するお話をしようと思う。取り上げる事例も昨年とは異なるものであるが、それはすべて過去に僕自身が経験したケースであるから、具体的な支援方法が見える実践論であることに変わりはない。
昨年、僕の話を聴いてくださって心に火がついた人がいるかもしれない。しかし心の炎を燃やし続けるには、時折たきぎを継ぎ足さなければならない。心の炎が消えかかっている人もいるかもしれない。そういう人たちにもたきぎを継ぎ足すことができるようなお話をしたい。
キーワードは、「介護という職業の誇り」である。
僕たちの仕事は、人の暮らしに向かい合って成立する職業だ。人の暮らしに介入するということは、人の人生に介入して、影響を与えるという意味である。そうであるからこそ、人の暮らしを護り、個人の尊厳を護るという使命感と、自らの職業に対する誇りが必要になるのである。
そこでは単に報酬を得るためだけに機械的に動くだけではかなわないものがある。
自分の仕事に誇りを持たずに、機械的に利用者に相対して、行為を支援するという視点を忘れ、動作援助だけで終わることを恥と思わない人が実際にいることは事実だ。それらの人々によって、介護という職業が誇りのない質の低いサービスに貶められているという現状があることも否定しない。
しかしそれは本来の対人援助サービスの姿ではない。そうさせているのは利用者の尊厳や感情に気を使わず、誰かを不幸にしてしまうことを何とも思わない人自身である。対人援助である介護サービスの本質が、そのような恥ずべきものであるのではなく、そういう仕事しかできない人自身が恥ずべき存在であるだけの話である。本来そのような人はこの仕事に関わってはならない。しかし自らの職業に誇りを持てないということは、もっとも不幸なことかもしれない。
僕たちの周りには、必要な支援の手が差し伸べられないまま、辛い暮らしを送っている人がいる。しかし辛いという言葉に一を足せば、幸せという文字に変わるのだ。私たちはその一を見つけることのできる専門家として存在していることを忘れてはならない。介護は、「辛い、つらい」と声なき声を挙げている人々に、幸せになるための一を足して、安心と安楽の暮らしを護る誇り高き職業である。誰かの心の中に咲く赤い花のような存在になれるのが、介護の専門職なのである。
そして僕たちに求められているのは、集団の中に個人を埋没させないことだ。一人一人の利用者を、かけがえのない尊い存在としてみつめることだ。だからアセスメントが重要になる。
しかしアセスメントを軽視し、真のニーズ・個別のニーズを引き出すことをせず、根拠のない方法論を押しつけて、アセスメントを形骸化させるものも存在する。その最たるものは、全国老施協のようなスローガン主義である。何か一つの結果に対して、サービス提供者側の価値観でしかないスローガンを掲げて、ひとつの価値観に全員が向くように仕向けて、それを達成した場合に表彰しても、その価値観から外れた個人のニーズは満たされない。
見えない涙を探せない。だから私たち巨大な組織に対しても、違うものは違うと言い続けなければならない。見えない涙を見逃さないように、小さな勇気がこぼれ落ちないように。
和歌山地域ソーシャルネットワーク雅(みやび)の皆さんが、素敵な動画を作ってくれました。ぜひご覧ください。
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そういう事が出来なくてはダメなケアマネと言われる場合もあると思います。
そんな中で介護職員(特にケアマネ)はいつも質が低いと言われ、今度は主任ケアマネも更新制度が導入される、というのは他資格と比較してもあまりに迅速に話しが進んでいる気がします。
ケアマネのレベルを上げなくては、というのはみんな言いますが、具体的にどうしたら世間に認められるのか、というのが分かり難いのが本音です。
手前みそですが、少なくとも私の周囲のケアマネはみんなスローガンに関係なく頑張っていると思いますし、医師とも良好な関係を築けていると思います。
本当にどうしたらよいのでしょうか・・・。
本筋と関係なくなってますね・・・すいません・・・。