北海道では、七夕まつりを旧暦に合わせて1月後れの8月7日に行う地域が多い。僕が生まれ育った下川町下川鉱山や、高校生以後社会人になるまで過ごした岩見沢市も8月7日が七夕であった。

しかし現在住んでいる登別市は、新暦の7月7日が七夕である。北海道全体を見渡せば8/7に七夕まつりを行う地域が多いようだが、どの地域から分かれているのかという明確な線引きはできないようである。例えば隣町が1月後れでも、その隣町は新暦通りといった状態も見られている。それぞれの地域に伝統があるということだろう。

ところで時期が違って行われる七夕まつりではあるが、北海道全体に共通している七夕文化がある。それは七夕の夜に、子供たちが連れ立って各家庭を回る風習だ。

この時に子供たち全員で唱える掛け声があって、それは地域ごとに微妙に違っているのだが、例えば「ろうそくだーせ、だーせーよー。出さないとかっちゃくぞ。おまけに食いつくぞ。」といったたぐいのもので、上品な掛け声の地域では、「ろうそく一本くださいな〜。」となっているようだ。おそらく北海道全体を細かく調べたら、微妙に言葉の違う掛け声が何種類も出てくるだろう。

どちらにしてもロウソクを集める掛け声に変わりはなく、僕らが子供のころは、夜暗くなってから、近所の子供たちと提灯に灯りをともして各家庭を回って、ろうそくを集めてきたものだ。

現在では、本当にろうそくを渡す家庭もなく、子供たちもそんなものはもらっても喜ばないので、スナック菓子などを渡すようになっている。そのため七夕の日に合わせて、子供のいない家庭でも、近所の子供たちが回ってきたら渡せるように、菓子を買って用意しておくのが「当たり前」になっている。

しかし最近では、この伝統的な風習自体が消えかかっている。僕の家にも声をかけて回ってくる子供の数がめっきり減った。これは少子化ということも影響しているだろうが、夕方6時以降の「ろうそく出せ」を禁じる学校が増えてきたからである。児童の安全を考慮してのことであろうが、なんとも寂しい話である。

七夕まつり4
緑風園では、毎年七夕の夜に、「七夕まつり」を行っている。夕食後の19:45からカフェバー「おりひめ」を開店し、お酒やソフトドリンクをふるまう。その際に、職員の子供を中心に、近所の子供たちに来てもらう。そしてステージで七夕の歌を歌ってもらったあと、会場で「ろうそく出せ〜」の掛け声をかけながら、利用者の皆さんのテーブルを回り、あらかじめ用意しておいたお菓子を、利用者の皆様から一人ひとり手渡していただくのが、この夜の定番である。
七夕まつり
七夕まつり3
七夕まつり25七夕


昨晩の七夕は天気も良く、このあと子供たちは緑風園の玄関前で花火を楽しんで帰ってもらった。その姿を利用者が昔を懐かしむかのように眺めながら、「おりひめ」で飲み物を飲んで過ごすのが、毎年のスタイルである。

和歌山地域ソーシャルネットワーク雅(みやび)の皆さんが、素敵な動画を作ってくれました。ぜひご覧ください。


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