先週土曜日は、北海道自治労会館で行われた「北海道介護支援専門員協会研修会」で、「地域包括ケアシステムにおける介護支援専門員の役割」というテーマで講演を行ってきた。
札幌は僕の住む登別から特急列車で80分、自家用車で高速道路を使っても90分くらいで着く場所にあるが、僕が札幌に出かけるのは、昨年7/31の北海道老施協主催:老人福祉施設研究発表会の講師役を務めて以来である。そのため土曜日は、講演終了後オフ会に参加して、久しぶりに薄野に泊まって翌日曜日に帰ってくる日程を組んだ。
土曜日は、昼近くに札幌駅に着いたため、まずは昼食。当初は会場の自治労会館1階にある、札幌ラーメンの老舗、「月見亭」で札幌味噌ラーメンを食べようかと思ったが、どうも味噌ラーメンモードではない。九州へ行く機会が多い僕は、九州ラーメンの細麺ストレート、豚骨スープを無性に食いたくなる時があるのだが、このところ2月ほど九州に行く機会がなかった。しかし登別周辺地域に本格的な九州ラーメンを食べさせてくれるお店はないので、札幌ならあるだろうと探してみた。
すると札幌駅西口を出てすぐの場所に、「ばりきや」という本格的な博多ラーメンを食べさせてくれるお店があるらしい。ここは博多一風堂プロデュースというお店らしい。ということで早速来店。看板メニューの「ばりきめん」は650円であったが、たまの札幌なので贅沢しようと、「肉入りばりきめん」880円をチョイス。

650円のばりきめんのチャーシューより厚いチャーシューが4枚入り。麺は本格的に、「やわらかめ・ふつう・かため・ばりかた・はりがね・粉落とし」から選べ、僕は迷わずいつもの、「ばりかた」を選択。具はきくらげともやし、ネギが入っているが、卓上に並んだツボに入った紅しょうが、高菜、味付けもやしは取り放題。好みによって味が変えられる。スープも本格的な博多ラーメンでうまかった。

替え玉150円を追加注文。残念なのは注文がすべて食券で行わないとダメなところである。博多でも食券の店は多いが、替え玉は口頭で、現金と引き換えの店が多い。そうではないこの店の方式だと、あとから替え玉を追加したいと思ったら、席を立って食券を買わねばならないが、お昼時で券売機の前に人が並んでいたら、並び待ちの間に、スープがさめてしまう。僕はあらかじめ替え玉分も食券を買っていたが、この方式は不便と思った。でも味は満足だった。
さてお腹も満ちたところで、会場に移動。ばりきやから自治労会館は徒歩7分の場所にある。
北海道介護支援専門員協会の方々は顔も知りの方も多いし、初めてお会いする方もフェイスブックでつながっている人が多数いて、和気あいあいの雰囲気の中でご挨拶〜準備〜講演とあいなった。講演時間は約100分。地域包括ケアシステムの中での介護支援専門員の役割を理解するためには、地域包括ケアシステムとはなんぞや、国は地域包括ケアシステムにより、どういう地域社会を作ろうとしているのかということを理解しなければならない。そのことを制度改正の目的と絡めてお話しした。

地域包括ケアシステムとは当初、「日常生活圏域で、急性期入院を除く医療・介護・予防・住まい・生活支援サービスを一体的かつ適切に利用できる提供体制を全国につくる」という概念が示されていたが、平成25年3月に出された地域包括ケアシステム研究会報告書では、「ニーズに応じた住宅が提供されることを基本とした上で、生活上の安全・安心・健康を確保するために、医療や介護のみな らず、福祉サービスを含めた様々な生活支援サービスが日常生活の場(日常 生活圏域)で適切に提供できるような地域での体制」という風に微妙にその概念が変えられている。
当初は、医療・介護・予防・住まい・生活支援サービスが並立的に書かれていたが、新たな報告書では、「ニーズに応じた住宅が提供されることを基本」という表現で、「住まい確保」をどうするかが一番の課題として挙げられている。このことは地域包括ケアの中で、要介護等高齢者の住まいは、「住み慣れた地域」で確保されるという意味であるが、必ずしもそれは「自宅」を意味しておらず、状況に応じた早めの住み替えを視野に入れなさいという意味だと解説した。
また地域包括ケアシステムは、行政主導の組織化だけでは機能することにはならず、そこに参画する多職種が有機的な連携を図るためには、「顔の見える関係者の関係性」が不可欠であり、今年3月に講師としてご招待を受けた、仙台市の「ささかまhands」さんの活動の紹介を行うとともに、「法制化される地域ケア会議では何が求められるのかで示した考えも説明させていただいた。

同時に国は、このシステムが機能するような介護報酬評価の仕組みを作るのではないかと指摘した。
それは何か?所属の違う多職種連携が有機的に機能するモデルとして面白いのが、定期巡回・随時対応型訪問介護看護の連携型である。連携型は訪問介護事業所に訪問看護師がおらず、外部の訪問看護事業所と委託契約を交わした上で、定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所は市町村に連携の届け出を行い、訪問看護事業所は都道府県に連携の届け出を行った上で、外部の医療機関の医師の指示を受けたケースについて、定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスとして、訪問看護事業所より訪問看護が行われる。そして費用算定は、24時間訪問介護事業所が請求し委託費を訪問看護事業所に支払うのではなく、それぞれの事業所が連携型の定期巡回随時対応型訪問介護看護の費用算定を行うという形である。
このように委託契約と言う形でありながら、費用算定はそれぞれの事業所で行い、なおかつそれはお互いのサービスが有機的に繋がって定期巡回・随時対応型訪問介護看護費を算定するという構造において、自然と両者のネットワークが形成され、医師・看護師・訪問介護員という所属が違う者同士の多職種連携が進むという事例がみられる。
地域包括ケアシステムにおいては、そうした連携が必要になるため、介護報酬の体系も、それをモデルにした算定構造を増やしていくというのが国の考えだと思う。だから地域包括ケアシステムのこれからのキーワードは「統合化」であり、介護報酬評価は包括化をさらに進め、サービス毎から「経営単位」に考えられていくだろう。
これは来年の報酬改定時のことだけではなく、次の次の報酬改定時にも引き続き検討されていくことで、むしろ次の次の報酬改定時にその傾向が色濃く示されるように思われる。
そのほか講演では、地域包括ケアシステムによって作り上げたい地域社会とは何かという部分について説明し、課題である認知症対策や、そこで求められる介護支援専門員の役割、在宅での看取りについても解説させていただいた。

講演後に会場で、僕の著作本4作品を販売させていただいたが、新刊の「介護の詩」はじめ、「人を語らずして介護を語るな」全3シリーズをすべて購入してくださる方もいて、大変感謝している。

ご希望者には、いつものように落款入りのサインをさせていただいた。
講演終了後、総会を終えるのを会場で待ち、そのままオフ会へ向かった。オフ会には19名の方が参加してください里、大いに盛り上がった。

僕はこの後、2次会・3次会と場所を変え、日付が変わるまで飲んで、薄野のど真ん中にある定宿に泊まり、翌日登別に戻った。
北海道介護支援専門員協会の皆さん、講演受講者の皆さん、2次会以降に駆けつけてくれた皆さん、本当に楽しかったです。ありがとうございました。
介護・福祉情報掲示板(表板)
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色々と複雑な仕組みになっていくのでしょうね。
難しく考えないで素直な答えは、
「他職種ともっと連携を図り、介護サービスのみならず地域の力も最大限に活かしながら在宅生活を支えていく」
ということなんでしょうか?。
顔のわかる範囲での生活を支えることができなくなった地域力低下は、今までの歴史が物語っているのでしょうが、
住みやすくなった分、「地域の力」が何処かへ行ってしまったのでしょうね。
ご近所の「やかまし爺とやかまし婆」の存在が消えたように・・・・
これからは、医療より介護の視点の看護師さんの出番でしょうか?それはそれで、楽しみですが、・・・。