先週末の土・日は休みであったため、5月に行う講演のファイルなどを作成していたが、そのほかの時間は休養に充てることができる予定になっていた。

しかし施設の管理者であるから、いろいろな連絡が入り、その都度指示を出したり、確認や対応を行ったりすることはあるわけである。

土曜日の夜には、約40日間看取り介護を行っていた方が亡くなり、その連絡も入り対応したりした。この方は末期がんのため看取り介護に移行したが、看取り介護開始当初は、すぐに死亡する可能性は低かったので、ご家族は日中を中心に面会に来られていた。しかし先週初めころより、容態の悪化がみられ、いよいよお別れの時期が近付いたことから、ご家族が泊まりこまれて、昼夜問わずベッドサイドでこの方を見守られており、最後の瞬間を看取ることができたケースである。

僕も金曜日の夜、帰宅の途につく前に、ベッドサイドでご家族と話をさせていただいたが、たまたま眠られていた利用者に声をかけたところ、目を開けて僕の顔をじっと見つめて、僕の言っていることが分かるような表情をされていた。この方の容態は、毎朝の朝礼で報告され、すべての職員に訪室が呼びかけられており、寂しくさせることはなかったのではないかと思う。

御遺族となられたご家族も、充分なお別れの時間を持つことができて、悔いのない状態で見送ることができたのではないだろうか。このことは今後の「看取り介護終了後カンファレンス」で確認されるであろう。

こうした報告事項以外では、現場の判断で、事後報告で良い事も多々あり、それらの処理事項については、月曜日の朝礼で報告を受けることになる。例えば、休日中の「ひやりはっと」などはこの部類に入るが、そうであるがゆえに、月曜日の朝礼はいつも以上に耳を澄まして報告を聴かねばならないと思ったりする。

そんな中で今朝は、土曜の夜から嘔吐と水曜便があった方を、「ノロ対応」としたケースの報告があって、施設全体に緊張感が漂った。当施設では、過去の経験に即して、急なおう吐の場合、例外なくノロウイルスと疑って、その対応を行い感染が拡大しないように努めている。そのためにすぐにおう吐物を覆い隠して、空気感染させないようにし、消毒できるものをひとまとめにして、それぞれのフロアに「感染予防対応セット」として置いている。

平日ならば、対応を行った上で、即便などを検査に回して、ウイルス感染しているのか、していないのかを確認できるわけであるが、土・日・祝祭日などは、この確認ができないために、ノロウイルスに感染したものとして、隔離対応なども行い感染をできるだけ拡大しないようにしている。本ケースもそのように対応し、今朝便をすぐに検査に出したところ、午前中のうちにノロウイルスではないと確認され、隔離対応などを解くことができた。ほっとした。

利用者には一時的に不便をかけて申し訳なく思うが、感染症を拡大させないための予防措置として考えると、こうした対応は仕方ないのではないかと思う。

ところで事故防止対策は、何も自分が所属する施設のヒヤリハット報告や、事故報告からだけ学びとるものではなく、他事業者の重大事故であっても、そのことは必ず職員に情報提供され、同じ轍を踏まない対策と意識付けが必要であると思う。

今朝も、土曜日に報道された通所介護事業所での送迎車のリフトからの転落死亡事故について、報道記事内容を回覧して、基本操作を確実に行うことの確認とともに、同じ事故を繰り返さないように注意喚起した。

というのも、リフトからの転落死亡事故は過去に複数回起きているのである。これは極めて重大な問題である。

例えば、「通所介護での転落死亡事故」で報告したケースは、2006年5月に、北海道津別町で起きた事故であるが、これもリフト操作中に「車止めが操作の途中ではずれた」ために起きた事故である。

また「送迎リフト車からの転落死亡事故報道を受けて」のケースは、2012年7月に、鳥取県鳥取市のケースであるが、リフト操作する際に、車止めが固定されていなかったことが疑われるケースである。先週の山形のケースも、しっかりリフトに車止めで固定されておれば、起きなかった事故と思える。
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山形新聞 4月12日(土)11時40分ネット配信記事より
河北町谷地のデイサービスセンター「ちょうよう」(渡辺明管理者)で送迎用マイクロバスの昇降リフトから転落し、頭に大けがをした同町谷地の無職槙ナミさん(93)が10日夜、入院先の病院で亡くなったことが11日、関係者への取材で分かった。死因は脳挫傷。
事故は7日朝、50代の男性介護員がリフトで槙さんを降ろそうとした際に発生。槙さんは後ろ向きの状態で車いすごと約90センチ下のアスファルト地面に落下して後頭部を打ち、救急搬送された。事故の翌日から危篤状態となっていた。
リフトには自動で持ち上がる転落防止用の車輪止めが付いていたが、機能しなかったとみられ、寒河江署は業務上過失致死容疑での立件を視野に、男性介護員らから引き続き事情を聴いている。
県によると、県内の老人介護施設では昨年度、20件の死亡事故が発生。大半が食事の誤嚥(ごえん)や施設内での転倒が原因で、送迎中の事故はなかった。渡辺管理者は「最悪の結果となり心から申し訳なく思う。事故が二度と起こらぬよう対策を講じていきたい」としている。
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当法人では、送迎に関わる職員はデイだけではなく、ショート・外出行事の運転も含めると、施設長や事務職員、ケアワーカー等、厨房職員や清掃職員を除いてほぼ全員が関わる可能性がある。そのためこの報道記事をコピーして、全職員に回覧して注意を喚起したところであるが、こうした記事をただ読むだけではだめで、定期的に朝礼やケアカンファレンスなどで話し合いながら、深く、強く安全運航への意識付けを行っていく必要があるだろうと思う。

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