先月書いた記事「白寿の祝いを早めた理由」で紹介した方の、「看取り介護終了後カンファレンス」報告書を紹介する。看取り介護対象期間は31日であった。
(ご家族の評価)
長男夫婦、長女より
「母さんにとって、最高の人生の最期でした。病院や家ではこんなに手厚い介護はできなかったと思う。また最期に子供たちみんなに逢う事ができて本当に良かった。最期は、とっても穏やかな顔で眠るように最期を迎えました。本当の“看取り介護”だったと思いました。本当に素晴らしい最期だったと思います。私達も年をとったら、ここにお願いしたい。日本一の所です。ここに入れてもらった時点から、こんなに大切にしてくれる事を分かっていました。家に連れて来てもらったり、お祭りにも連れて行ってもらったし寿司も食べに連れて行ってもらった。どれも大切な思い出です。一人ひとりのために、ここまで考えて下さるなんて感動しました。昔の事など、よく聞きだして下さったと思います。また夜中なのに職員さんがたくさん集まって下さって、テキパキと動く姿にまたまた感動しました。あんなにたくさんの人に見送られて、母さんは本当に幸せ者だったと思います。ここにもう来ないのかと思うと、寂しくなります。遺影はここで写した写真を使いました。みなさん、本当にありがとうございました」
(看護部門の評価と課題)
以前よりご本人の嗜好に合わせおやつなどを摂取していたこと、また看取り介護後も体調の良い時にはアイスを摂取できたことは良かったと思いました。早めにジェルなどを使用し対応することで、口腔内トラブルを最小限とすることができたと思います。また、保清や体交、電動エアーマットを使用することで、褥創がなかったことも良かったと思います。
左下肢が壊死状態となってしまい常に保護し注意を払ってはいたが、皮膚剥離の悪化を止めることができず残念でした。園での対応に限界はあるが、少しでも状態を悪化させないよう努力はしていかなくてはと感じました。家族の希望にて静養室に移動し、毎日のように面会あり、孤独感なく家族と共にゆっくり過ごすことができ良かったと思います。また、家族への説明も都度でき良かったと思いました。
(事務部門の評価と課題)
静養室ということもあり、出勤・退勤時等訪室することが多く出来た。訪室時眠られていることも多かったが、声掛けに、少し目を開けられる事が多かった。節分の行事の時に、ホールで参加しておられたので、身体的に辛くはないのかとは思ったが、厄払いができたのかと思った。
(担当ユニット以外の介護部門の評価と課題)
(〇〇〇ユニット)
・誕生日会を早めに行ったり、その時の様子から担当CWと〇〇〇ユニットのCWの〇〇〇さんへの感謝の気持ちと思いの深さが伺え〇〇〇さんとご家族にとっても、とても良い最後の誕生会だったと思います。
・乾燥する時期でしたが口腔ケア―もこまめにできており良かったと思います。
・担当ユニットスタッフに〇〇〇さんの状態を聞くと直ぐに教えてくれていた為、こまめに訪室していることが分かりました。
・普段から必ず華道クラブにご家族が来園されており、その際に他ユニット職員とも面識しており他ユニットのご家族でしたが会話もしやすくその際にご家族の心境も伺う事も出来良かったです。
・ユニットは違ったが、看取りになる前から〇〇〇さんとは会話をする機会も多く〇〇〇さんの人柄が人を引き付ける力をもっていられたので最期の方は声を出す事はなくなっておられましたがCWの訪室も多くできました。
(〇〇〇ユニット)
・静養室だった為、各ユニット職員が出勤・退勤時、訪室し声をかけていたと思う。最期の方では声は出ずらくはなってきていたが開眼されていること・口を動かし返答しようとする様子が見られていた。1ヶ月近い看取りだったが、担当CWが中心に居室整備をし、毎日来る家族にとっても過ごしやすい空間ができていたと思う。気になったのが担当CWの姿はオムツ交換以外にも見られていたが、各ユニットCWよりも〇〇〇ユニットの他のCWがオムツ交換以外にはなかなか顔をだせていなかったような気がした。
(〇〇〇ユニット)
・〇〇からは若干距離が有り、不便な面があったと思われるが、いつ訪室しても居室内は整理整頓されており、居室の異臭も無く、加湿器の水が空になっている事も殆ど無かった。
・体交の援助方法もしっかり統一されており、担当者の思いが他ケアワーカーにも浸透しチームとしての一体感と思いやりを感じた。
・整容、着衣、布団の乱れだが殆ど無く感心しました。
・時折、夜中迄、居室の蛍光灯が点灯している事が気になりました。
・毎日、家族の面会が有り、CWの出入りも多く寂しくなかったのではないかと思いました。家族面会時も入り口の戸が開いていたので、訪室しやすく良かった。
・口腔ケアもまめに行われており、不快なく過ごされていた。
・居室の環境整備が本当に行き届いており雰囲気がとても訪室かったと思います。また、体交等しっかり出来ており衣類・布団等が乱れていなくとても良かったと思いました。
(担当ユニットの介護部門の評価と課題)
・看取り介護が開始になってから、静養室へ居室移動し、〇〇号室にいた時よりもユニットCWが頻回に居室に行く事が難しくなり寂しい思いをさせるのではないかと心配だったが、その分他ユニットCWや他職種の方がたくさん訪室し、〇〇〇さんに声を掛けてくれたので寂しい思いをさせる事なく過ごして頂く事が出来てと思う。今回、〇〇〇さんの所への他ユニットCWの訪室が多く、〇〇ユニットも安心して静養室で過ごして頂く事が出来て感謝しているので、〇〇ユニットのCWもその気持ちを忘れずに、他ユニットの看取りの利用者の訪室を進んでしていけるようにしたいと思う。
・今回、経口からの摂取が困難になってからすぐに口腔ケアをこまめに行い、保湿ジェル等も用意・開始する事が出来た。だが、看取りが1か月近く続くと、こまめに口腔ケアをしていたつもりでも、口角に小さい傷が出来てしまい、そこからの出血が見られ口腔ケア時も苦痛表情があり痛い思いをさせてしまった事が悔やまれる。
・左足が血流障害で壊死し始めており、最期の方は皮膚剥離も見られとても痛そうな状態だった。その他は2時間毎の体交とマッサージで皮膚トラブルなく痛い思いをせずに最期を迎える事が出来たのでよかった。2時間毎の体交も、新1CWやNS 、夜勤FなどユニットCWだけでは、手が回らない所をヘルプしてもらう事が出来て、とても助かりました。
・禁食になってからも、〇〇〇さんの状態のいい時にアイスやジュース等少しだが、口にして頂く事が出来たのでよかったと思う。
・看取り開始時、熱発により入浴が出来ない日が続いたが、体調が安定してからは入浴が好きな方だったので週に2回特浴で入浴をして頂くことが出来てよかったと思う。また、入浴出来ない日でもほぼ毎日体拭を行う事が出来た。
・家族の方が毎日何名も来てくれ、時々オムツや体交の様子も見て頂く事も出来、一緒に看取り介護を行う事が出来たのではないかと思う。ただ、オムツ交換などで家族に静養室から出て待っていて頂く際、静養室を出た所で待たせてしまい、デイルームやソファーの所へ案内する等の配慮が最初の頃欠けていた為、他利用者が不穏になるという事があった為、今後はすぐに対応出来るようにして行きたい。
・呼吸状態が悪くなってから家族へ連絡する際、どの状態で家族に連絡したらいいのか、家族に事前に急変時連絡をしてもいいか確認をしていなかった為、連絡してもいいのか判断に迷い、CWから家族への連絡が少し遅れてしまった。今までは、呼吸が止まってからNSに連絡、NSから家族に連絡という流れだったが、今後は状態の変化が見られたら、夜間はCWから家族に連絡すること(呼吸が止まりそうだから連絡ではなく、呼吸状態が悪くなって酸素を使い始めた等)を前提とし、家族に状態が変わったら園から連絡が行くという流れにしていくべきではないかと思う。夜間に連絡をもらっても困るという家族もいるかもしれないが、連絡をしたから来て下さいということではなく、状態の変化を伝える事で、亡くなってから連絡が行くよりも家族も心の準備が出来るのではないかと思うし、事前に連絡が行く事を伝えた時点でその確認も出来ると思う。今回〇〇〇さんが息を引き取る際、たくさんの家族に看取って頂く事が出来て、〇〇〇さんにとっても家族にとってもとてもいい最期の迎え方が出来たと思う。
(担当ユニットリーダーの評価と課題)
・担当CWを中心に本館1階チームとして最善の看取り介護が出来たのではないかと思います。これには、家族や他職種、他ユニットCWの協力、多くの訪室があってこそだと思います。
・今回、看取り介護を実施し夜間の容態変化(悪化)時の家族への連絡の有無、また、その判断が難しいと感じた。今後、看取り開始時に家族に確認しておく必要があると思う。それにより、夜勤者の不安も少しは軽減出来るのではないかと思う。
(介護係長の評価と課題)
他ユニットにも言えることですが、看取り介護に対するユニット内のスタッフ一人一人の思いや取り組みに差が生じる点が気になった。例えば夜間帯の口腔ケアであげると保清が保持されていない。ほつれたタオルケットをそのまま使用していたり、湯たんぽが冷たいままだったりと細部に渡って確認・注意する事が初めのうちはあった。が、気持ち良く〇〇〇さんに過ごして頂く為にはどうすべきか?という点から担当CWや当日にリーダーに引き継ぐことで徐々に周知徹底されていくようになったことは良かったと思う。今後の課題は“指示されなければ気付かない”という所がなくなるよう、看取り介護が始まりそうな状態からスタッフの気持ちを一つにして取り組めるアドバイスをしていきたい。ご家族の言葉にもあったが、〇〇〇スタッフは、日頃の援助から最期の時まで〇〇〇さんを思い、ご家族の気持ちに添った援助、看取り介護ができたと思います。
(相談員の評価と課題)
静養室に移られてからは、ほぼ毎朝〇〇〇さんの顔を見る事が出来ました。朝方なので眠られている事が多かったのですが開眼されている時に「おはようございます」と声を掛けると返事を頂くこともありました。朝の訪室時に、時々、無呼吸の状態が有りましたがしばらくすると大きく息をされ安心した事を思い出します。日中も毎日のように家族が来園されており〇〇〇さんも寂しい思いをせず過ごす事ができたのではと思われます。また、華道クラブがある時にはお花の先生も顔を出して声を掛けてくれていました。静養室はホールに近く、レクリエーションや療育音楽を楽しまれている利用者の声が響き良かったのではないかとも思いました。とても良い看取り介護が出来たのではないかと思います。
(相談室長の評価と課題)
・各部署で援助の内容を確認しながら適切な対応をとっていたと思う。しかし、それ以上にユニットのCW一人ひとりが〇〇〇さんのためにできる事を一生懸命考えチームとして取り組んでいた姿勢が、ご本人だけではなくご家族にもしっかり伝わり、緑風園とご家族が一丸となって〇〇〇さんを支える事ができたと強く感じた。“看取り介護”だから、ではなく入園してからの関わりの深さ、〇〇〇さんの話を聞きそれを日々の援助や行事等に繋げた事など、小さな事の積み重ねがこのような結果に繋がったと思う。改めて日々の援助の大切さを感じた。約6年間の関わりの深さがあったからできた事ではなく、入所日数の多い・少ないに関わらず、当園を利用されている方全てにこのような対応ができるよう、職員が一つになって取り組んでいきたい。
・看取り介護へ移行となった時点より、静養室に移動となった。今までご家族が面会に来ても4人部屋だったため遠慮していた部分もあったと思うが、個室となってからは少しでも長く一緒に過ごす時間が持てたと思う。ご家族にとっても貴重な時間を過ごせたのではないか。また全職員がそれぞれに挨拶をして声をかける事が来た事で、〇〇〇さんを通してご家族の方との交流の大切さを学ぶ機会にもなった。
(給食部門の評価と課題)
今回食事中止になる以前に看護師の方から、もうじき看取りになるので昼食時にも〇〇〇さんの好きだった味噌汁を提供して欲しいという話をもらい、一週間ほどだったが提供することができたのでよかったと思う。また状態の良い時に、厨房で用意しているアイスも食べていただけた。いずれも他職種から意見をもらい行ったことだが、今後は栄養士側から、看取りになった方の状態を見て経口摂取の働きかけが出来たらと思います。
(施設長の評価と課題)
ご家族が頻繁に面会に来て、最期のお別れの時間を過ごせたことが何よりだったと思います。職員のアイディアにより、心のこもった誕生会もできて、ご本人、ご家族にとって思い出深い時間を過ごせたのではないでしょうか。夜間の呼吸状態の変化などの連絡は、検討に値すると思いますが、家族への連絡は必ずしも看護職員による必要がないもので、連絡してはいけないという規定がない以上、利用者に不利益がない限り個別のケース判断で、「連絡する」ということがあってもよいと思います。そのことで苦情等があっても、それは最終的に施設長の責任なので、都度、最善の対応を考えながらということしかないのではと思います。
(総合的な評価と課題)
《評価》
入浴は週2回 特浴に入浴できていた。居室から静養室に移る事で家族の来園の回数が少なくなり心配だったが、他ユニットのケアワーカー、他職種の方がたくさん訪室してくれていた。また、家族も〇〇〇さんの誕生会を開催後に来園の回数が増えた。今までの看取り介護の経験から早めに口腔ケア用の保湿ジェル使用する事で口腔内の保清を保つ事が出来ていた。また、傷が出来た時に使用する保湿ジェル等も使用できていた。禁食になるまでの間、経口摂取を維持出来るように看護職員、介護職員の連携が取れていた。禁食になってからも、〇〇〇さんの体調が良い時にはアイスやジュース等を厨房より提供でき少しだが摂取する事が出来ていた。看取り介護前より家族とのコミュニケーションが出来ている家族だった。担当ケアワーカー、看護職員、担当医ともコミュニケーションがとれていて。家族との外出行事を企画 幌別の苅田神社のお祭り、外食(寿司)と思い出が沢山あった。また、家族の方も緑風園祭り、月2回の華道クラブ等の園内行事に積極的に参加されていた。褥創や皮膚トラブルもなく最期を迎える事ができた。静養室の整理整頓、室内加湿器の水も切れる事が無く整備されていた。他職種を巻き込んで看取り介護を行えていた。
《課題》
○左下肢の壊死状態があり保護し注意を払っていたが、皮膚剥離の悪化を止める事が出来なかった。施設での限界を感じた。
介護・福祉情報掲示板(表板)
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我が家も4月10日は、父の命日でした。桜が満開の寒い日でした。
今年は、桜は早くに散ってしまいました。
定時で退社し、父の最後に食べたいと希望した焼肉を食べに行く予定でしたが、相変わらず色々ありまして、3時間遅れの帰宅でしたが、できた家族です!
文句も言わず出かけることができました。
父は本来、刺身が大好物でしたが、癌になってからは刺身が食べれなくなり、焼肉が好物に変化しました。
もちろん少量しか焼肉は食べれません。病室で少々煙が出て、思いっきりハラハラしましたが、「白衣の天使のナース」は美しい微笑を残し病室を去って行かれました。それ以来、父の命日は、「焼肉」へお出かけです。
★今日は父の命日に合わせて休みを頂き、兄の保養所湯布院と別府温泉へ母と親類と旅にでます。取りあえず親孝行と称し私のリフレッシュ治療です。
勤務先の施設も色々と多忙の日ですが、今回は甘えさせて頂きます。
我が家の一人息子(犬のしんちゃん)がいるので、主人は犠牲者となりお留守番が
かわいそうですが、・・・えへへ・・・
★昨日は、先日の桜の花見の写真を請求書へ同封する作業を行いました。
請求書郵送の度にご家族へ入居者の方々の笑顔を運べたらと思います。