歴史は繰り返すとは言うが、静岡県の介護保険行政指導で繰り返されている事態は異常である。

行政指導担当者だって、人間だから間違った指導を行うことは仕方のない事なのかもしれないが、何度も根拠のない指導を行い、間違っておれば後で撤回すればよいと考えているのだとすれば、それは許されることではないだろう。

・「居宅サービス計画の第7・8表を利用者に交付するとき、それがどのような根拠で作られているか説明するために、第1・2・3表も毎月利用者に交付しなければならない。

・「居宅サービス計画について、各サービス事業所の加算算定(例えば通所介護の個別機能訓練等)が居宅介護支援事業所のプランの第2表に、その必要性とともに具体的内容が記載されていないと、各サービス事業所の加算費用などの算定を認めず返還指導があり得る。

・「老企25号で定めた通所介護等の外出については、屋外への移動の際に車を使用する場合、乗車している時間は基本的にはサービス提供時間には含まれない。

↑これらはすべて過去に静岡県が集団指導等で県内の介護サービス事業者に行政指導した内容である。そして根拠のない指導については後に撤回されている。(撤回されていない者があること自体が問題ではあるが・・・。)

そういう意味では、介護サービス業界での静岡県の印象は、馬鹿馬鹿しい解釈で現場を混乱させ、後にその解釈が間違いであったと取り消した前科を持つ「根拠のない指導」で有名な県というものであり、まさに静岡県は、頑迷で見識のない小権力者が介護サービス行政指導担当課にはびこる、静岡権である。

ところで、この県がまたやってくれた。表の掲示板に寄せられた情報であるが、今回は集団指導ではないが、とある居宅介護支援事業所の実地指導に於いて、介護支援専門員の居宅訪問面接について、例えば「3/20に訪問、4/25に訪問というのでは、間が35日になるので、31日という期間を超えるので1月に1回訪問するという規定違反となる。」と指導したそうである。

あまりにも馬鹿馬鹿しい指導内容であるため、指導されたという事業者が何か誤解しているのではないかと疑ったが、しかしこうした指導は複数の事業者が受けており、今年度の集団指導で正式にアナウンスされるという情報が書き込まれている。そうであれば事実としか思えない。

居宅介護支援における訪問面接の規定は、厚生省令第三十八号において
十三  介護支援専門員は、前号に規定する実施状況の把握(以下「モニタリング」という。)に当たっては、利用者及びその家族、指定居宅サービス事業者等との連絡を継続的に行うこととし、特段の事情のない限り、次に定めるところにより行わなければならない。
イ 少なくとも一月に一回、利用者の居宅を訪問し、利用者に面接すること。


このように規定されており、31日以内の訪問とか、30日以内の訪問ではなく、あくまで一月に一回の訪問であり、「3/20に訪問、4/25に訪問」でもまったく問題はない。なぜなら「少なくとも一月に一回、利用者の居宅を訪問し、利用者に面接する」という文言をどう解釈しても、「3/20に訪問、4/25に訪問」は、3月も、4月も月に一度訪問しているということになり、まったく問題ないのもである。

この1月をどう解釈するかという詳細規定は介護保険法にはなく、それでもなお法的な根拠を求めようとすれば、表板のレスポンスで、「通りすがりさん」が指摘しているように、別の法律に根拠を求めるほかなく、そうなれば民法の「期間の計算」を根拠にせざるを得ない。

民法第143条(暦による期間の計算)
1 週、月又は年によって期間を定めたときは、その期間は、暦に従って計算する。


↑この意味は、月または年によって期間を定めた場合において、その月の末日に満了するという意味であり、1月に一度とは、暦月で一度訪問すればよいという意味にしかならない。

どちらにしても、静岡県で今行われている実地指導内容は不適切極まりないものである。それにしてもなぜ静岡県は、このような馬鹿げた指導を繰り返すのだろうか?行政指導担当課に脈々と続く負の連鎖の元は何だろう。以前に3度も根拠のない指導内容を行い、それを撤回しているということを恥と思わないのはどうしてだろうか。

こういう指導に振り回される静岡県内の介護サービス事業者さんは、お気の毒としか言いようがない。


介護・福祉情報掲示板(表板)

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