昨夕18:00〜21:00、胆振総合振興局(室蘭市)で行われた「平成25年度介護認定審査会委員現任研修及び運営適正化研修」に参加してきた。

当日、対象となっていたのは、登別市・室蘭市・伊達市・西胆振(洞爺湖町・壮瞥町)の認定審査会委員と保険者事務担当者である。

この研修は、介護認定の平準化を図ることが目的で行われているもので、介護認定審査会における認定過程とルールを正しく理解するとともに、認定調査のルールも理解し、地域ごとに認定基準に差ができないように定期的に実施される研修である。

審査会委員は、毎年必ずこの研修を受けなければならないということではないが、要介護状態区分を審査判定する責任があるのだから、自分の判断基準の中から、思い込みを排除して正しいルールを確認するためにも、できるだけ時間が許す限り受講に努めているところである。

さて内容であるが、前半の約1時間は、「介護保険制度の現状と課題」・「末期がん等の方への要介護認定について」・「主治医意見書について」・「要介護認定の適正化について」・「要介護認定の概要」について講義を受けるものである。

基本的には国が作成したペーパーの伝達研修であるから、講師の裁量が働く余地はあまりなく、講義の8割がパワーポイント配布資料の「読み上げ」である。よってパワーポイントを使って画面に資料内容を映しているのであるが、そのスクリーン画面を見ている人はほとんど居らず、画面に背を向けたまま、あるいは横を向いた姿勢で(後半はグループワークなので、席がグループ毎になっており、画面に向かって机が並べられているわけではないので)、机上の資料を読み続けるという異様なスタイルになる。

講師も資料を読み上げるだけではまずいと思うのか、途中で自分の考え方や解説をさしはさもうとするのだが、解説と言っても、我々が知っている程度の内容で、解説の中にも突っ込みどころ満載の間違いも垣間見える。笑いを取ろうとしてか、いらないプライベートのエピソードなどがそこに挿入されて、極めて分かりづらい講義となってしまっている。あんたが筋トレ好きで、ベンチプレスで何キロ挙げようと私らには関心ないって言いたくなる。いっそのこと、配布資料の「読み合わせ」に終始した方がよさそうである。

なお「末期がん等の方への要介護認定について」は、二次判定前に死亡する人が2割を超えている現状から、できるだけ速やかに審査・判定をしてほしいという趣旨であろうが、判定が迅速にできない理由は、審査会に提出する資料(主に医師意見書)の遅れが理由なのだから、これを認定審査会に頼まれてもどうしようもないというのが個人的な感想である。

「要介護認定の適正化について」・「要介護認定の概要」では分かっているつもりでも、忘れかけていたルールを確認できたので、個人的にはそれなりの成果を感じた。

データから見える地域の状況では、登別市の場合、高齢化率が高い割に、要介護認定を受ける人が少なく、認定者は軽度認定者が多く、認知症や障害高齢者の割合が低いと分析されていたが、その理由は不明である。

二次判定の変更率は、全国平均が13.2%であるのに比べ、登別市は15.3%と高くなっている。それだけ審査会の二次判定機能が発揮されていると言ってよいのだろうか?これは微妙なところである。

ところで登別市のお隣の室蘭市は、変更率8.5%と、西胆振の4%に次ぐ低さである。西胆振は認定件数が少ないことがあって、他市と比較にならない部分があるが、人口90.000人以上で、高齢化率が30%を超え、1号被保険者の認定率15.3%の室蘭市の二次判定の変更率がこれだけ低いのには、何らかの理由があるのだろう。噂によると制度開始直後の保険者事務局が、国の変更ルール以上の厳しい縛りで、審査委員にそのルールを強く守ることを促す担当者がいたことが影響しているという声も聞く。どちらにしても低すぎる変更率である。

後半の2時間は、3ケースの模擬審査というグループワークで、2次判定を行った。2ケースはさほど疑問の余地を差し挟むものもないケースで、全てのグループで結果は同じとなるであろうと思えるケースであったが、1ケースのみ判断に迷うケースがあった。というか模擬審査になじまないケースと言ってよいと思う。

それは一次判定で、基準時間42.7分で要介護1とされているケースである。調査項目2-5排尿、2-6排便の項目にチェックがないが(介助されていない)、特記事項には次のような記述がある。

(2-5)トイレで排尿は行うが、失禁も多く居室は尿臭が強い状態。嫁によると下着を取り替えてもどこかに隠して尿臭がひどくなっている
(2-6)排便の行為も自分で行っている。「介助されていない」としたが、嫁がトイレ掃除をするが、便がついた手を水タンク面でぬぐっており、便が付着しているのを注意しても否定して困っているとの事

本ケースを、特記事項勘案して二次判定で、「要介護2」としたグループがほとんどであったが、正解は一次判定の確定時に、2-5と2-6のチェックを「一部介助」に変えて、一次判定をやり直すというものである。

なるほど、調査員テキスト82頁には、「実際の介助方法が不適切な場合」という項目があり、「介助されていない」状態や、「実際に行われている介助」が、対象者について「不適切」であると認定調査員が判断する場合は、その理由を特記事項に記載した上で、適切な「介助の方法」を選択し、認定審査会の判断を仰ぐことができる。

以上のように記載され、「実際の介助方法が不適切な場合」の具体例の中に、「介護抵抗のため適切な介助が提供されていない場合」という記述もあり、本ケースはこれに該当するため、2-5と、2-6は、チェックなしではなく、一部介助を選択した上で、一次判定をやり直すと、基準時間が58分になるので、要介護2という一次判定を確定して、そこから審査を継続するというものである。

しかし一次判定の確定時に、2-5と2-6のチェックを修正して一時判定をやり直す、という判断は可能でも、その結果が58分で要介護2に変わるというロジックまで、審査委員が判断できると思う方がどうかしていないか?一次判定ソフトのロジックが、そこまで審査委員に説明されていない現状では、この模擬審査は成り立たないと思う。机上の空論と言って差し支えないだろう。

ところで、この研修時間は何とかならないものだろうか。仕事に支障が出ないように18:00開始なんだろうが、夕食も食う時間がとれない時間設定で、21:00までって異常じゃないか?しかも平日の月曜日に・・・。仕事に支障が出ないということを考えれば、土日の日中だって良いだろうに。

実際には予定時刻より早い20:20頃に終了したが、そうであるなら講義途中の休憩など入れずに、早めに終了するようにノンストップで行えばよいと思った。喫煙者のための喫煙タイムになぜ非喫煙者がつきあわねばならないのか、甚だ疑問である。

役人の考えることはようわからんわい。
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