9月13日付けで、厚労省老健局・振興課より「介護保険最新情報Vol.341」が発出され、その中で「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について」(老企22号)が改正されたことが通知されている。

改正後の老企22号では、介護支援専門員の配置基準の表現が
変更前
 当該常勤の介護支援専門員の配置は利用者の数三五人に対して一人を標準とするものであり
変更後
 当該常勤の介護支援専門員の配置は利用者の数三五人に対して一人を基準とするものであり

↑このように「標準」から「基準」に変更されている。これはどのような意味だろうか。

もともと今回の改正は、「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための法律の整備に関する法律」(以下、「分権法」とする。)において、介護保険法の改正がなされ、従来厚生労働省令等で定めるとしていた居宅介護支援に関する基準について、来年4月以降は、都道府県の条例で定めることになったことに関連した改正である。
(なお、介護予防支援及び地域包括支援センターに関する基準については、市町村の条例で定めることとされた。)

この際、条例で定める基準については、厚生労働省令で定める基準(従うべき基準)と、厚生労働省令で定める基準を参酌するもの(参酌すべき基準)に分けられた。

「従うべき基準」とは、条例の内容を直接的に拘束する、必ず適合しなければならない基準であり、当該基準に従う範囲で地域の実情に応じた内容を定める条例は許容されるものの、異なる内容を定めることは許されないもの、とされており、居宅介護支援については以下が該当することになっている。

ア、居宅介護支援に従事する従業者に係る基準及び員数
・従業者およびその員数
・管理者
イ、居宅介護支援の事業の運営に関する事項であって、利用する要介護者のサービスに適切な利用、適切な処遇及び安全の確保並びに秘密の保持等に密接に関連するもの
・内容及び手続きの説明および同意
・サービス提供拒否の禁止
・秘密保持等
・事故発生時の対応等

これらについては、現行省令の基準に従わなければならないものである。よって介護支援専門員の配置基準が変わるわけでも、減算ルールが現行より厳しく適用されたり、運営指導が現行より厳しい基準となって行われるという意味ではなく、「従うべき基準」という文言に沿って、その文言との整合性を取るために解釈通知の文言も、「標準」から「基準」と変更したものであり、文言変更という意味以外はないものと思われる。

しかし同時に、居宅サービス計画作成に関する手順部分については、以下の変更が行われており、その内容は

変更前
『介護支援専門員は、効果的かつ実現可能な質の高い居宅サービス計画とするため、各サービスが共通の目標を達成するために具体的なサービスの内容として何ができるかなどについて、居宅サービス計画原案に位置付けた指定居宅サービス等の担当者からなるサービス担当者会議の開催又は当該担当者への照会等により、専門的な見地からの意見を求め調整を図ることが重要である。また、介護支援専門員は、利用者の状態を分析し、複数職種間で直接に意見調整を行う必要の有無について十分見極める必要があるものである。』
変更後
『介護支援専門員は、効果的かつ実現可能な質の高い居宅サービス計画とするため、各サービスが共通の目標を達成するために具体的なサービスの内容として何ができるかなどについて、利用者やその家族、居宅サービス計画原案に位置付けた指定居宅サービス等の担当者からなるサービス担当者会議の開催又は当該担当者等への照会等により、専門的な見地からの意見を求め調整を図ることが重要である。なお、利用者やその家族の参加が望ましくない場合(家庭内暴力等)には、必ずしも参加を求めるものではないことを留意されたい。』

↑このように変更前には、利用者やその家族が、サービス担当者会議に必ず参加するということにはなっていなかったものが、改正後、基本原則は利用者やその家族が参加するものとされ、後半部分の、「参加しなくて良い例外規定」に該当したとしても、そのことは参加しない理由としてきちんと記録しておくことが求められるだろうし、この場合でも照会を行うことは免除される義務になっていないので、照会記録を残しておく必要があり、それを行っていなければ運営基準違反として指導対象になると思われる。

居宅介護支援事業所の介護支援専門員の皆さんは、このことをしっかり把握しておかないとならない。

なお分権法に関連しての、「参酌すべき基準」とは、地方自治体が十分参酌した結果としてであれば、地域の実情に応じて、異なる内容を定めることが許されるとされ、居宅介護支援については、「従うべき基準」以外のもの、すべてが「参酌すべき基準」とされたため、この部分ではローカルルールが数多く条例として定められることが予測される。

ところで施設サービス計画に関しては、この部分の変更は今のところ行われていないため、今現在は、サービス担当者会議に必ずしも利用者や家族に参加を求める義務はないが、今後、居宅介護支援と同様の改正が行われる可能性は0ではないので、施設の介護支援専門員も介護保険最新情報にはアンテナを張っておくことが必要である。

ただ、「ケアプランはサービス種別によって作成ルールが異なる」で指摘しているように、もともと施設サービス計画作成ルールと、居宅サービス計画作成ルールは異なっているので、施設ケアマネは、照会がサービス担当者会議と同列であり、やむを得ない理由がなくともサービス担当者会議を開催せずに、照会だけで施設サービス計画を作成して良いというルールを、今後もうまく活用すべきであることには変わりはない。
介護・福祉情報掲示板(表板)

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