僕は今、千葉市のホテルの中で記事更新している。
先週末、土曜日の愛媛県松山市講演を終えた後、昨日の日曜日に千葉市に移動し、今朝10:00〜13:00まで、千葉県老人保健施設協議会主催・ターミナルケア研修の中で、「介護老人保健施設におけるターミナルケアの視点」というテーマの講演を行う予定である。そのため、いつもの月曜日より早い時間帯に記事更新を行っている。
こうした状況だから今日は1日本業の方はお休みをもらっている。お盆期間中もずっと働いていたので、8月唯一の有休ということでお許しいただきたい。今日は13:00に講演を終えた後、羽田空港に向かい、北海道に帰る予定だ。順調にいけば自宅に着くのは夜8:30頃だろう。
今日行う講演は、5月に依頼されたものであるが、当初は講師依頼ではなく、FBで友達としてつながっている当研修事務局の方から、「問い合わせ」という形でメッセージが送られてきた。その内容は
「老健施設におけるターミナルケアの在り方」について5時間程度の研修会を企画するのですが、そのような研修会自体あまり開催されていないようで、講師をしていただけそうな方を探すことができませんでした。菊地様のお知り合いで、どなたかそのような研修会の講師が可能と思われる方がおりましたら、お知らせいただければありがたいと思っております。
以上のようなものだった。その時僕は、老健のターミナルケアについて講義できる人が思い浮かばなかったため、「ターミナルケアに関する講義についていえば、僕自身は出来ますが、他の誰かというのは千葉近隣では思い浮かびません。医師の立場からのお話を聞きたいということであれば、在宅ターミナルケアに先進的に取り組んでおられる、○○県の「医療法人○○○○○」の○○○○先生を推薦します。親交があるのでご紹介できます。」と返答したと記憶している。
しかしその後、
「菊地様は自施設で、ターミナルケアを実践され、理想論ではない講義をされるということは十分に存じ上げており、本当は菊地様にお願いできたら、一番ありがたいと思っております。しかし、老健施設と特養の看取り介護の考え方について、違いがあるかのか、私自身理解していない中で、講師の依頼を菊地様にすることが失礼に当たらないかと考えました。」
「○○先生の推薦、ありがとうございます。当方といたしましては、在宅でのターミナルケアでなく、老健という施設でのターミナルケアの在り方、考え方についてご講義いただきたいと思っておりますので、菊地様に講師をしていただけるとありがたいです。」
このようなやりとりがあって講師を引き受けることとなった。特養であっても、老健であっても、看取り介護とターミナルケアという言葉の違いはあるが、その基本的な考え方、取り組み方法は同じだと思うし、僕は医療機関の職員として従事している方を対象にしたターミナルケア研修でも話をした経験もあるので、対象者が老健の職員さんでも不安なくお引き受けした。
今日は、老健のターミナルケア加算創設の経緯や、本来中間施設であるはずの老健で、なぜターミナルケアが求められるようになったのかなども含めて、その加算算定ルールも意識しながら内容を組み立てお話ししようと思っている。受講者の皆さんにとって参考になる内容かどうかは、受講後にはんだんしていただくことになるが。自分としては、伝えるべきことは、伝えられるだろうと思っている。
ターミナルケアは、その時期にだけ考えるべき概念ではない。高齢期という時期に、何らかの生活課題を持った方々に関わらせていただいている我々にとって、それは人生の最晩年期に関わっているという意味であり、我々の関わり方次第で、その人の人生の幸福度合いが大きく左右されてしまうかもしれないという意味があり、その責任を背負っているのが我々の職業だと思う。
実際にその人のターミナル期に、我々がその人の傍らにいるかどうかにかかわらず、我々の提供するサービスは、一人の人間の死の瞬間までつながっているものだと思う。だからターミナルケアを考え、その質を向上させることは、我々の日常のケアの質そのものが問われる問題ではないかと思う。
日々、我々がだれかの心の中に咲く、赤い花のような存在になることができているのか、最後の瞬間に傍らにいることが許される存在になっているのかということが毎日問われているのが、我々の職業だと思う。
そしてそのことは重い十字架ではなく、我々が胸に抱くべき「誇り」である。誇り高き介護を作るのが、我々に与えられた使命であることを忘れてはならないと思う。
介護・福祉情報掲示板(表板)
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と思い込んでいたが、現実は厳しいものがあり・・・
なかなか、実現困難な現状です。
「常時、たん吸引」が、どうしても大きな壁になります。
看護職員がいても、日勤希望者が多く、24時間の看護師確保は困難です。
最近は、「介護職員のたん吸引研修」の機会も減少し、受けたくても受けられません・・・・
病院でも看護師による「たん吸引」を観察していると、やはり、患者に対する負担は、現実、差が激しい・・・
「たん吸引」さえクリアすると、「特養」でのターミナルケアは増加すると思われます。
先日、療養型病院へ転院した家族の対応をみていると、
療養型病院の方が、訪室回数が多く、清拭やおむつ交換の回数が多く・・・家族は、より、安心しています。
ターミナルケアは、色々と難しいことが多いと思われますが、
ご本人様やご家族に寄り添う心の支援が、一番だと思われます。
いつの日か、私の勤務先の特養でも「ターミナルケア」が実現できますように、小さいことからコツコツと頑張りたいです。