僕は今、札幌から登別に帰る途中で記事更新している。
札幌入りしたのは昨日の仕事を終えた後の夜である。ホテル・ロイトン札幌で行われている第33回・老人福祉施設研究発表会の2日目の講演講師を依頼されたため、研修会場であるホテルで一泊し、今日は朝9:30から「 介護従事者に期待するもの」をテーマにお話をしてきた。この時間の講演だと、札幌から登別に帰って順調に列車が動けば、ちょうど昼休みが終わる時間には職場に着くことができる。その後は通常業務に就けるのである。
先程終えた講演内容については、介護サービスの場ですぐにできる「実践論」を話してきたので、多くの方から共感の声をいただいた。ただしそのことに共感していただいた方々が、今後職場にそれをどのように持ち帰って、サービスに生かすのかという問題がある、。せっかく学び取ったものがあるのに、職場に持ち帰ってそれを研修に参加していない職員に伝えられないと、介護サービスに生かせないし、結果的に何も変わらないということになりかねないのである。
全職員が研修会などの学びの場に参加できないのだから、この伝達は重要である。伝達がうまくいかないことで、せっかく良い学びの機会を持って、何かを変えようと熱く心を燃やしていた職員が、周囲の理解を得られず結果的にバーンアウトしてしまっては元も子もないのである。
介護サービス事業者の管理者は、研修会に職員を参加させただけでは、職場全体のスキルアップに繋がらないという問題意識を持ち、この伝達の仕組みをきちんと整えるべきである。そうは言っても、このことは簡単な問題ではなく、僕も常日頃悩み、試行錯誤を繰り返しているところである。
先週土曜日に、僕自身が受講者として参加したセミナーについては、「暮らしの質に直結する座位姿勢」の中で紹介しているが、このセミナー内容が非常に役立つもので、僕の施設のサービスに取り入れたり、現在の介護の方法を変えなければならない点がいくつもあった。しかし新しい方法で介護を行う根拠を示さないままに、トップダウンで「やれ」と言われても、現場の職員は納得できないだろうし、効果も上がらないだろう。
そうであればセミナーで教えてもらった内容を、できるだけ正確にセミナーを受講しなかった職員にも伝えて、本来求められている介護方法はどんな方法であるか、それはなぜかということをわかってもらわねばならない。
そのためセミナー受講者の責任は重たい。今回は、僕と副主任ケアワーカー(4人の副主任のうちの一人)の2名しか受講しなかったので、二人で役割分担して、その内容を伝達することした。
まず僕は昨日までに、研修内容の骨子理解を促すためにリポートを作成し、どんな講義内容で、そこで何を学んで、当施設のどのようなことを、どのような理由で変える必要があるかを簡単に示した。そのリポートが下の画像である。
このリポートは、基本資料として全員に読んでもらう。このようなリポート資料を作る際に気をつけなければならないことは、書き手があまりに自分の伝えたいことばかりに関心を寄せすぎて、読み手の都合を考えなくなることだ。忙しい業務の合間や、プライベートな時間に読むのであるから、読める量への配慮と、読んでわかる内容の文章になっているかという配慮が必要だ。今回のリポートは、A4用紙で1枚と2/3くらいでまとめた。
この資料を読んだ上で、副主任が詳細の伝達を、実技を含めて全員に対し、日にちと時間をかけて直接指導することにしている。
昨日から、副主任による伝達研修が始まっている。初日は各ユニットリーダーである、他の3人の副主任に対しての伝達。主任や副主任たちは、その理解ができただろうから、今後はそれらの役職者が中心になって、セミナーを受講した副主任の伝達を補佐し、その中で疑問点や解決できない問題があったら、僕がスーパーバイザーとして直接指導することになる。
こうして少しづつでもサービスの質の向上を図っていく必要がある。その中で職員は考えるという作業を自然にしていくし、本来保守的で方法を変えたがらない人間が、学んで変わることの面白さを体験していくことで、サービスの質は上がる可能性を持つのだと思う。
守って行くことも必要だが、我々のサービスはまだまだ目指さなけれなならない山の途上にあるのだから、前に進めるための努力は、惜しんでいる暇はない。
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研修の充実は大切ですね。
私の勤務先も毎週、短時間ですが「OJT」を実施しておりまして参考になりました。
まだまだ、悪戦苦闘中ですが、少しずつ、前へ進めればいいと思っていますが、・・・
エネルギーが不足気味です。
では、ボチボチ、行ってまいます。