僕がまだ講演を行ったことがない県で、今後も具体的な講演予定がない県は全国に12県ある。

逆に言えば、全国の都道府県で、その12県以外では全ての都道府県で講演を行っているか、今後予定があるわけだから、これは結構すごいことだと思ったりしている。(講演実績はないが、今後の予定がある県としては、茨城県と徳島県がある。)

それもこれもひとえに、僕をお招きくださる全国各地の皆さんのおかげである。本当にありがたいと思っている。

ところで僕が住む北海道のお隣といえば青森県である。昨年の海の日の祝日(7/16)に、青森県社会福祉士会主催、ソーシャルワーカーデーの中で講演を行うため、日帰りで同県青森市に行く予定であった。その日、北海道の天候に問題はなく、何の不安も感じないまま飛行機に乗り込み、青森上空まで飛びいよいよ着陸態勢に入ってさて到着だと思った瞬間、飛行機が再上昇・・・。霧のため着陸に支障をきたすと判断されたためで、その後青森空港上空を30分以上旋回し2度着陸を試みたが、結果的には着陸不能で新千歳空港に引き返した。このため青森講演は急遽中止。幻の講演に終わった経緯がある。

先週金曜日〜土曜日にかけての2日間、昨年降りられなかった青森で講演を行った。場所は十和田市で、1日目は老健・とわだの職員研修。2日目は、上十三地区介護支援専門員協会主催研修であった。

今年は天候にも恵まれ、晴れ渡った空を飛び、金曜日の午後に青森空港に降り立った。新千歳からは、わずか50分の空の旅である。空港では、今回僕を十和田市に呼んでくださった事務局の中心となって半年前から動いてくれた、老健・とわだの豊田さんら3名の方が出迎えてくれた。

豊田さんは僕の顔を知っているが、僕が豊田さんの顔を知らないために、空港で僕がわからないと困るのではとのことで、彼女は僕の著書「赤本」を持って出迎えてくださった。本を持っていなくても十分わかりましたよ。でもありがとうございます。

ということで今日の記事は、十和田から日曜日に講演を行った千葉県・幕張までの旅のエピソードを中心に、画像をたっぷり盛り込んでまとめてみようと思う。

長生き鶴亀茶  長生き鶴亀茶2
青森空港〜十和田市に向かう八甲田山の山道の一角にある茶屋では、1杯飲むと3年長生きするというお茶が無料で飲めた。僕も一杯いただいたので、寿命がのびただろう。ちなみにこのお茶を3杯飲むと、死ぬまで長生きするそうである。

そこで休憩しながら、十和田市街に入り、ホテルにチェックインを済ませたあとは.18:00〜19:30まで、社会福祉法人みやぎ会・ 介護老人保健施設とわだ職員 研修で講演。仕事を終えたばかりの職員さんが多かったのに、皆さん熱心に聴いていただいた。その後は、同法人の職員の皆さんと地元のお寿司屋さんでオフ会。

とげくりがに
地元の食材を使ったお寿司屋さんとのことであったので、最初このカニが出てきたとき、このあたりでも毛蟹が取れるんだなと思ったら、これが大間違い。このカニは、「とげくりがに」というカニで、十和田ではこの時期に食卓に欠かせない名物だそうである。なるほどよく見ると毛蟹より少し小ぶりである。しかし味は濃厚で、良い味だ。かにみそも毛蟹のそれに似ているが、身と同じく濃厚で旨い。

刺身盛り合わせ
お刺身も新鮮で美味しい。中トロも脂がのってうまい。画像にはないが、ネギトロ巻きや、お寿司もたいへん旨かった。そしてこれ

銀むつ
銀むつの焼き物と唐揚げ。銀むつの塩焼きは身もぷりぷり、肉厚のしまった白身に脂がのって旨かった。銀むつの唐揚げって初体験だったかもしれないが、これも絶品。かなりのお勧めである。ちなみに飲み物は最初から最後までハイボールをいただいた。

十和田オフ会2次会
1次会を終えた後は、場所を変え、翌日の講演事務局の十三地区介護支援専門員協会の方々がお待ちになっていた場所で2次会。午前0時を超える午前様となった。僕はお腹がいっぱいだったため、締めのラーメンを食べには行かずに、2次会終了後、ホテルに戻りバタンキュー。翌日の講演に備えた。(というより酔っ払って寝てしまっただけではあるが・・・。)

翌日の講演は14:00〜16:30の予定でノンストップ150分講演を行う予定だったが、その時間まで余裕があったので、事務局の方々が奥入瀬渓流〜十和田湖まで観光案内してくださった。
奥入瀬の岩

奥入瀬渓流2  奥入瀬渓流

奥入瀬渓流3
水も空気も澄み渡った奥入瀬は、新緑が眩しかった。秋になると、この緑の葉がすべて真っ赤に燃えるようであるから、もみじの頃の奥入瀬はさぞ見ごたえがあるだろうと思った。豊田さん、今度は秋に講演に呼んでください(笑)

石ケ戸
昔、旅人を襲う女盗賊が住処にしていたという石ケ戸という岩。

阿修羅の流れ
一番流れが急になるという「阿修羅の流れ」という場所。たくさんのカメラマンが撮影していた。

銚子大滝
奥入瀬渓流には、たくさんの滝スポットがあったが、その中の「銚子の滝」の前で、観光客の方に頼んで、スタッフの皆さんと一緒に記念撮影。ちなみに僕がかけている眼鏡は、先日札幌で作ったオークリーである。飛蚊症悪化を防ぐ紫外線カットのための調光度付きレンズのため、室内ではほぼ色なしメガネであるが、屋外で紫外線を浴びると、紫外線量により色が変わる度付きメガネ。紫外線がことのほか強いこの時期、僕にとっては飛蚊症悪化を防ぐ必需品である。

十和田湖
奥入瀬渓流から十和田湖へ。駐車場に車をおいて、遊歩道をしばらく歩きながら、高村光太郎作の「乙女の像」を目指す。高村光太郎といえば、僕にとっては彫刻家というより、作家というイメージで、有名な詩「道程」や、詩集「智恵子抄」が思い浮かぶが、本職は彫刻家・画家であったと今更ながら思い出した。

乙女の像
乙女の像2
その乙女の像の前での記念撮影。

十和田湖の遊歩道
その後別ルートの遊歩道を通って駐車場に戻ったが、帰りの距離は、行きの距離の半分に感じた。なぜだろう?それにしても暑くもなく、天気も晴れで、最高の観光日和となった。おっと、本番はこのあとの講演である。身を引き締めようと思ったが、その前にお楽しみの昼食タイムに。

和風ラーメン
ご当地ラーメンを食べようということで、お薦めのお店に。昨晩の2次会からお付き合いくださり、この日運転手を務めてくださった柴崎さんが、盛んに勧めてくれたのが画像の「和風ラーメン」。しかし納豆が入ったラーメンという怪しさに腰が引け、結局僕は別のラーメンを注文した。
和風ラーメン2     和風ラーメン3
すると優しい柴崎さんは、小皿に和風ラーメンを取り分けて味見させてくれた。ありがたい。なるほどスープはなかなかイケてる。天ぷらが入っているのはさほど違和感はない。どれどれ、引きわり納豆を一緒に味わってみよう。・・・柴崎さん、納豆なしの和風ラーメンが良いと思います。(笑) 小分されたラーメンを間食すると、皿の下から「クレヨンしんちゃん」が現れた。ここは春日部ではないぞ!!

で、僕の注文はこちら。

旨馬ラーメン
十和田の名物も、先週おじゃました熊本と同様に「馬肉」ということで、馬肉の入ったご当地ラーメン「旨馬ラーメン」。スープは味噌味であるが、これは甘い味噌。モツ煮込みで甘味噌で煮込んだものがあるが、あれがそのままラーメンスープになっているような感じである。しかしこれがなかなか旨い。初めての味だが悪くない。ラーメンは細麺で、ちじれ麺。弾力のある特徴あるラーメンだ。これもなかなかである。馬肉は、一般的なチャーシューよりラーメンにあっているかは疑問符で、やや硬い肉という印象だが、ここでしか食べることのでいないご当地ラーメンとして考えれば、逆にこれは豚チャーシューではいかんだろう、と思った。十和田に行ったら、一度このラーメンは食べる価値がある。ただし甘味噌が苦手な人はパスしたほうが良いだろう。

昼食のあと、講演会場に向かう途中に近代美術館に立ち寄った。
近代美術館
アート
アート2
十和田はアートの街として、街おこしをしているとのことで、美術館の前には近代的?オブジェが・・・。アートっぽいだろうか?

この日の十和田は、運動会シーズン真っ盛りということで、運動会があるために講演を聞きに来れないという関係者が多かったそうである。それでも同会としては過去最高の参加人数ということ。150分のノンストップ講演は、受講者の皆さんの熱気も伝わってくるくらい、好評のうちに終了した。

僕はそのあと18:45七戸十和田駅発の新幹線に乗って、東京駅経由、海浜幕張駅まで行き、翌朝8:30〜幕張メッセのアパホテル&リゾートで行われる、徳州会病院の職員研修に備えて、十和田をあとにせねばならなかったが、講演とサイン会終了後の17:00〜1時間ほどオフ会に参加した。

十和田バラ焼き
ここでもハイボールを飲んだ。画像の料理の左上、お刺身の隣にみえるのがB1グランプリでもお馴染みの「十和田バラ焼き」。甘じょっぱい豚バラ肉と玉ねぎの炒め物。熱々の白ご飯にぶっかけて食べると、ご飯が何杯でもいけそうである。

馬鍋
馬鍋?(正式な名称は忘れた)馬刺しやラーメンの中に入っている馬肉では気がつかなかったが、鍋にすると馬の独特の風味が強く感じられる。ということは昼に食べたラーメンの甘味噌は、この風味を消す役割があったのかも?普段馬肉を食べ慣れていない僕にとっては、ちょっと苦手な部類の味になったかなあ?

宴会の途中で新幹線の時間が迫り、途中で失礼することになった。本来ならその日は、オフ会を含めて十和田でゆっくり過ごし、翌朝青森空港〜北海道に帰る予定であったが、徳州会病院の系列特養の施設長が、僕の大学の先輩で、幕張メッセの研修予定を組み替えてまで、僕の話を聞きたいという要望が出されているとのことで、数週間前に急遽予定が入ったものである。十和田市の皆さんには本当に申し訳なかったが、大学の先輩には逆らえないというのが、北星の伝統である。

宴会で十分食事ができなかったろうということで、豊田さんが「新幹線の中で食べてください」と、出来たての「カツサンド」をお土産に渡してくれた。
カツサンド&ハイボール
ということで、ハイボールを買って、新幹線の中で、「ひとり2次会」。
カツサンド
このカツサンドが超美味。マヨネーズのソースが濃厚で、カツも柔らかくて肉汁たっぷり。完食いたしまして、お腹がパンパンになりました。また太ったな・・・。豊田さん、ありがとうございます!!

なんやかやで幕張に到着したのは夜11:00過ぎ。
アパホテル&リゾート
アパホテル&リゾートの37階のダブルの部屋をとってもらった。やはり広いベッドと、タオルを夜も朝も気にせず2人分使えるダブルルームはプチ贅沢感を味わえる。シャワーを浴びて、その日はすぐに就寝。

オーシャンビュー
翌朝は6:00前に起きて、4階フロア全部を使って造られている大浴場で汗を流して講演に臨んだ。この日の幕張は昼までに30度近くまで気温が上がって晴れ渡った。画像は僕の泊まった部屋の窓からのオーシャンビュー。早朝は少し雲がかかっていたが、その後はすっきり晴れ渡った。

この日の受講対象者は、徳州会病院の中でも、介護部門を管理する立場の幹部看護職員さんが主である。「介護の誇り〜誰かの赤い花になるために〜」というテーマで、介護職員を育てる視点や、モチベーションを高く保つ方法について講義をしたが、僕の話が参考になるのかどうなのか不安な面も感じながら、僕なりの実践論をお話させていただいた。

しかし多くの皆さんが共感を寄せて下さり、講演後の本の販売と、希望者へのサイン会に、受講された方が列を作ってくれて、ひとりでシリーズ全3巻をまとめ買いしてくださる方が何人もいた。ありがたいことに同会の介護部門を統括する方から、今朝次のようなメールをいただいた。

研修生たちの反響はものすごいものが、ございました。〜お話しの内容はもちろん感動したのですが、先生の体からにじみ出る説得力のある、お話しぶりに身震いを感じるほどでした。胸が熱くなり、何度も涙が毀れました。〜わたしは、一人でも多くの職員に聞いてほしいを痛切にに感じました。せめて、先生の著書を紹介して、読んでもらおうかと考えています。

過分なる評価をいただき恐縮であるが、僕の話がきっかけになって、介護の現場でモチベーションを高め、誰かの赤い花になってくれる方がひとりでもいてくれるのであれば幸いである。

先輩からも昨日メールが来て、次のように書かれていた。

本当にタイトな日程なのに、無理をきいてくれて感謝です。
参加者も大感激でね。みんな「今まで聴いてきた講演の中で一番良かった」「うちのステーション(施設)でも講演して欲しい」と口々に言われました。半分くらいの参加者は泣いてたしね。とにかく、ありがとうしか言えないや。

というありがたい言葉をいただいた。加えて

書籍は、ごめん、完売できませんでした。16冊残っちゃった(110部のうち)。販売する時間が少なすぎたのもあって、宣伝できなかった。

120人の受講者の方が、94冊の本を買ってくれるとうのは驚異的である。会場で本を売っていただく際は、出版社が受講者の数から、何冊売れそうかと予測して、足りなくならないように予測冊数より多く送るのが普通だから、ソールドアウトするということはあまりないのである。

そういえば十和田講演でも、豊田さんの大活躍で赤本は完売・ソールドアウトとなり、手に入れることができない人に、ネットからの購入案内のチラシを配布してお詫びすることになった。今回の十和田〜幕張では、出版社が大喜びする盛況ぶりであった。本当にありがたいことである。豊田さんには、販売協力員として、僕の全国各地の僕の講演に駆けつけていただきたいほどである(笑)。

ホテル前11:27発の高速リムジンバスで羽田に向かった。その日、搭乗まで2時間ほど時間があったため、僕が自著本シリーズを出している出版社の社長と編集担当者と、空港でお昼ご飯を食べながら、今後の打ち合わせをする予定を立てていた。

その中で、次作、新しい本の出版に向けての話し合いもしてきた。シリーズ第3作「人を語らずして介護を語るな THE FINAL 誰かの赤い花になるために」を出版して半年も経っていない現在、すぐに新シリーズを同社から出版するということにはならない。

しかし来年の春頃には、現在のシリーズとはまったく異なる、新しい企画による新刊本を出すことになる方向で話を進めている。皆さんの予測を裏切る、新シリーズとなるかもしれない。乞うご期待。

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