僕の本の出版元である株式会社ヒューマン・ヘルスケア・システム主催の「人を語らずして介護を語るな THE FINAL 誰かの赤い花になるために」出版記念シンポジウムが3/16（土）13：30〜東京都港区芝の女性就業支援センター で行われた。
僕はその日、金曜日に講演を行った大阪市より8：50発の東京行きの新幹線で会場に向かった。
この日は少し曇っていたが、新幹線の車窓から富士山が見えた。日本一の富士山の頂きを目指すように、志を高く持って日々過ごしたいと思ったりした。
品川駅を経由して11：30近い時間に到着した会場は、前作までの２作の出版記念シンポジウムも行っており、馴染みの会場である。今回は僕の希望で、第１部の講演時間を70分と短く設定し、その分第２部のトークセッションの時間を100分とってもらった。
基調講演のステージは、受講される方々と対面して話すため椅子が置いてあったが、結局そこには座ることなく70分間立ちながら話をさせていただいた。座って話をすると、逆に緊張して足が震えてしまうと思ったからである。
今回はパワーポイントなどの機器を一切使わず、話す内容もあらかじめ決めずに、会場で受講者の皆さんの顔を見て、空気を感じてから話す内容を決めようと思っていた。
ただし「トシさんの戦争体験」で紹介した、新刊本を読まれた84歳の読者からの手紙を紹介して、この手紙に書かれているような辛い時期を生き抜いてきた方々の人生の最晩年期に関わる責任と誇りの両方を伝えることだけは決めていたので、冒頭でその手紙を朗読させていただいた。
とても緊張して、途中で一瞬何を話すべきか頭が真っ白になって、繋がらなくなったが、なんとか70分間という時間で、自分なりの思いを伝えることができたと思う。受講されていた皆さんはどう感じてくれたろうか。
基調講演の後は、15分の休憩を挟んで、トークセッション「介護イノベーション―若い力が日本の介護を変える」が行われた。僕と絡んでくださるメンバーは、いずれも３０代の若い介護事業経営者の方々である。飯塚氏以外のおふたりとは、この日が初対面である。シンポジウム直前の昼食の時間に簡単な打ち合わせのみおこなって、ぶっつけ本番のセッションとなった。どんな展開になるか、僕自身がワクワクしていた。
左から、石井英寿氏（宅老所・デイサービス「いしいさん家」代表）、大塚小百合氏（社会福祉法人蓬莱会 特別養護老人ホーム「ケアプラザさがみはら」施設長）、僕、飯塚裕久氏（小規模多機能型居宅介護「ユアハウス」所長・NPO法人もんじゅ代表）。
お三方ともしっかりした理念と行動力を持ったずばらしい実践家である。眩しい思いで彼らの言葉を聞いていた。このような素晴らしい人と新しい繋がりをもてたことに感謝したい。
なお基調講演とトークセッションの内容は、5/15発刊のシニア・コミュニティ5・6月号で詳しく掲載されるので同誌をご覧いただきたい。購入希望者は「シニア・コミュニティ購入希望申し込みフォーム」よりお申し込みいただきたい。
シンポジウム終了後は、すぐ近くの会場に場所を移して懇親会を行った。ここにも30名以上の方が参加して下さった。
いつもながらの楽しい会。新たな繋がりの誕生。素晴らしかった。ここで知り合えた方々といろいろなネットワークができている。これが僕の一番の財産である。
その日は品川駅前で泊まり、翌日の日曜日に帰道したが、宿泊先のホテルから朝駅に向かう途中の遊歩道には早くも桜が咲いていた。
氷点下の気温がつづいている北海道では信じられない景色だが、僕の出版記念シンポジウムの成功を祝ってくれているような気持ちになって、思わずデジカメのシャッターを押した。
寒い冬にも必ず春が来る。雪が多く寒さが厳しかった今年の北海道の冬もまもなく終わりである。我々もいつも楽しい日ばかりではなく、厳しい冬の季節を耐えなければならないような日々もあるだろうが、その向こうに日差しの眩しい春が来て、綺麗な桜が咲く日が来ることを忘れず、我々の今いる場所で、誰かの赤い花になり続けようと種を蒔き、花を咲かそうではないか。そのために一緒に手を取り合い、心をつなげ合って行きましょう。
本当に皆さん、どうもありがとうございました。
※基調講演とトークセッションの内容は、5/15発刊のシニア・コミュニティ5・6月号でご覧下さい。購入希望者は「シニア・コミュニティ購入希望申し込みフォーム」よりお願いします。
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