ある地域包括支援センターの保健師さんが、表の掲示板のスレッドに書き込まれた内容を読んで首を傾げた。

スレッドの議論自体は、地域包括支援センターが関わっていた方が、グループホームに入所した後、プラン作成の段階で、過去の受診歴等を地域包括支援センター職員に情報提供を求めることが問題ないだろうかという主旨で展開されている議論である。その中で

『その包括が直営か委託かによって、できること・できないことに多少違いがあると思いますが』

という書き込みがされている。

地域包括支援センターの職務に就いているものが、直営と委託では機能が異なると考えることは間違っているのではないのか?もし違っているという実態があるのなら、それをやむなしとするのではなく、改善して、直営であろうと委託であろうと変わらないようにするアクションが必要ではないのか?

我々社会福祉援助に関わる専門職は、そういうソーシャルアクションを起こす責任をもっているのではないか?

だって地域包括支援センターって、市町村が設置すべき機関だぞ。それは市町村そのものであって、委託された場合であっても、市町村の機関機能を発揮できるという前提で業務委託されるものだ。

少なくとも地域住民にとっては、直営であろうと委託であろうと、市町村機関ということに変わりはないわけで、委託されている場合に、本来はその機関が持つはずの機能の一部分が直営の場合と違って機能しないとか、直営であればできることが委託の場合にはできないということであれば、地域住民は委託法人が存在することにより不利益を被ってしまうことになる。

こんなことがあってよいと考えることのほうがどうかしている。それは極めておかしなことだ。

そのような支援機能、あるいはサービス提供方法の低下を招くような法人は、本来市町村の委託先として手を挙げてはいかんだろう。もし受託法人ができないことがあるというなら、市町村のシステムの欠陥として、その改善を求めることが受託法人に課せられた社会的責務だろう。

地域包括支援センターができることが、市町村町の直営か、委託かで違いが出ると考えている人たちは、委託であればできないこともあって仕方がないと諦めてしまい、地域住民の不利益を知らぬ間に生み出してしまっているバリアである。

それは自分の仕事の責任の一部を放棄しているということであり、甘えに過ぎない。

そこには地域住民へのサービスであるという根本的な視点の欠如がある。そんな機関であっては、地域包括ケアシステムを支える基盤にはなりえないだろう。じゃあ地域包括支援センターの存在意義って何なんだ?

そもそも地域包括支援センターの職員の中に、自分らの役割とは、地域の居宅介護支援事業所をはじめとした介護サービス事業所を指導するものだと勘違いしている人もいるが、それこそが間違いだ。

地域包括支援センターとは、本来、地域のサービス事業者をサポートする役割を持つもので、指導権限を持つのではなく、支援機能を持つものだ。そのためにはサービス事業者等をサポートすべき高い理念と知識と援助技術を持つ存在でなければならない。

それは市町村直営であっても、委託であっても同じだろう。市町村の機関としての責任を果たすためにも、直営と委託の差を当然のごとく認める姿勢はなくしていただきたい。意識の改革を求めたい。

そして真の意味で、地域住民の保健・福祉・医療の向上、虐待防止、介護予防マネジメントなどを総合的に行う機関として存在して欲しいものだ。

地域包括ケアシステムが事実上存在していない地域が多いのは、案外、地域包括支援センターの職員が、委託だから市町村直営とは機能が異なると考えていることが理由の一つなのかもしれない。

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