日本テレビ系列の「秘密のけんみんshow」という番組をたまに見るが、これが結構面白い。(北海道では、今日木曜の午後9時から放送されている。)
全国各地で、そこでしかありえない風習や文化がある。特に食文化は面白い。それは多くの場合、県単位ではなく、県の一部地域でしか広まっていない料理であったりするが、それがなぜほかの地域に広まらないの?と思うほど旨そうに見えるものが多い。
そこで紹介された地域飯を、その地域に行く機会があれば食べてみるのだが、やはりうまいものが多い。しかしお土産で買ってくると、さほどでもなかったりする。それはやはり、その場所で、その地域の人の手によって作られるから旨いのかもしれない。
登別とお隣の市である室蘭も独特の食文化があって、例えば「やきとり」といえば鶏肉ではなく、豚肉と玉ねぎを串に刺したものをいい、洋辛子を付けて食べるのがスタンダードであったり、ラーメン屋ではカレーラーメンが普通に置いてあったり、下の画像のように、「カツ丼」を注文すると、ほとんどのお店で、丼ご飯とカツ煮が別盛りで出てきたりする。

これが我が地域のカツ丼のスタンダードであり、丼にご飯とカツ煮が一緒に乗せられて出されるカツ丼の店の方が少ないのである。
ところで先日お邪魔した和歌山県御坊市にも、独特の地域飯文化があった。
御坊市講演のきっかけは、昨年6月に和歌山県介護支援専門員協会からのお招きを受け、和歌山市と田辺市で講演を行った祭に、スタッフの中に和歌山県介護支援専門員協会日高御坊支部の役員の方がおられ、その方が僕の講演を聞いた後に、その場で翌年度に予定されていた「和歌山県介護支援専門員協会日高御坊支部、御坊日高地方地域包括支援センター等連絡協議会共催研修」にご招待いただいたものである。
その時に、「日程調整ができれば必ず行きます。」とお約束したが、スタッフの方から、「来てくれた際には、せち焼きをぜひ食べて言ってもらいます」と言われた。
せち焼き?その時初めて聞く言葉であった。その後よく説明を聞くと、焼きそばを卵で絡めて、お好み焼きに似た形にして食べるものということであった。御坊市周辺には、混ぜるということを意味する方言として、「せちがう」(しばき倒すという意味もあるらしい)という言葉があり、今回お邪魔した「やました」というお店の前店主が、「焼そばを卵でせちごうてくれ(焼そばに卵を混ぜてという意味)」という注文に応え、作り出した料理であるということだ。
なにやら面白く、なにやら美味しそうである。ということで当日はせち焼きを楽しみにして御坊市に出かけた。
今回は京都講演のあと、京都駅構内のホテルで1泊し、翌朝9:34京都発くろしおで御坊市に向かったため、ちょうど昼前に御坊駅に到着した。出迎えてくれたスタッフの皆さんと、早速せち焼きを食べにお店に直行。
お店の前の写真。

なんだ、せち焼きって、あの有名ラーメン店「天下一品」で出しているのか?と思われそうであるが、そうではない。画像をよく見ていただくと、天下一品の奥の方に「せち焼き」の看板が見える。そのお店が「やました」である。
このように人気ラーメンチェーン店と並んで立地しているのだが、この日も「やました」の駐車場は満車で、停める場所がなく、お隣の天下一品の駐車場を勝手に拝借して、入店したのである。せち焼き人気が天下一ラーメンを上回っているということだろう。
注文は講演スタッフの湯川さんと、梶原さんにおまかせ。「せち焼きミックス」を3人前注文。ミックスではないメニューは、「イカせち」「豚せち」「肉(牛)せち」の3種類で、ミックスはこれの全部入りという意味だ。

テーブルに備え付いた鉄板で、お店の方が作ってくれる。まずは具材を炒めはじめた。

肉や野菜にしっかり火が通ったところで麺が投入された。

ソースをかけて良い具合に炒めているうちに、なにやら「もんじゃ焼き」を思わせる土手を作り始めた。

ここに卵を投入。少しそのまま熱し、おもむろに麺に卵を絡めていくと


このような形に成形されていく。そしてとうとうせち焼きが完成。

ソースとマヨネーズと青のりと鰹節をかけ、まさに「お好み焼き」としか見えなくなった。しかしこれに小麦粉は一切入っていない。食べ方もお好み焼きと同様、ヘラで切り取りながら食べる。
卵であえているだけにふわふわ感があってマイルドだ。なかなか旨い。お腹もいっぱいになって大満足である。こんなに美味しいのに、このせち焼き、和歌山でも御坊市周辺の人しか知らないそうである。不思議だなあ。
当日の講演120分は、14:00〜16:00まで、せち焼きパワーでノンストップで熱く語ってきた。
ところでこの地域は、高級魚「クエ」(ハタあるいはアラとも言われる)の産地であり、名物になっているそうで、夕食は事務局スタッフの皆様と、「クエ鍋」を囲んでのオフ会と相成った。

白身の美しさを見ていただきたい。


食事会場は、はまゆうという民宿で、有名人のサイン色紙がたくさん飾られている。オフ会会場に湯川さんが、僕のためにハイボールにベストマッチのバランタインを持参してくれた。ハイボールの作り方のうんちくを語りながら、ボトルを空けさせていただいた。

スタッフの皆さんが気を使ってくれて、美味しいクエの身を、たくさん取り皿によそってくださった。身が締まって程よく脂ものっており、美味である。しかもこのポン酢が最高にうまかっった。このポン酢だけでもお取り寄せしたいほどである。自家製とのことで市販はしていないようである。
ごちそうさまでした。
※最後におまけの画像。サイズがばらばらで申し訳ありません。


左の室蘭やきとり丼は、豚肉と玉ねぎの「やきとり」です。うずら卵も室蘭名物のひとつです。右の海鮮三色丼登別バージョンは、いくら・かに・うにの3品が乗せられています。
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