成人の日の昨日、あるいはその前日に多くの地域で成人式が行われたことだろう。
北海道では新成人の数が10年連続、前の年を下回っており、今年も昨年と比べると1.053人減ったそうである。少子化の影響はそのまま高齢化率のアップにつながる。さらにそれは高齢者介護を支える人材不足に直結する問題であり、非常に憂慮されることである。
このように新成人が減少する中で、若い世代に今以上に介護サービスに従事しようという動機付けが生まれないと、すぐ先のこの国の高齢者介護は破綻せざるを得ない。
アベノミクスという政策で、市場にお金を潤沢に回してデフレから脱却しようとするのは良いが、公共事業や官民ファンドの創設など、企業重視の政策だけではなく、介護サービス事業が若者を安定雇用できる職業にしていくように、そちらに費用を回すことも必要だと思う。
コンピューターや機械で代用できない介護という職業は、多くの人手を必要とするのだから、それは一面、雇用を増やす職業という意味がある。この職業を一生の仕事にして生活が安定するのであれば、若い世代の就業動機は増大し、そのことで多くの雇用が自然発生し、消費も拡大し、社会に還流するお金も増え、デフレから脱却する大きな要因になりうると思う。
しかもそのことによって、高齢化問題、介護問題に対応する社会のセーフティネットが充実するのだから、それは「福祉を充実する小さな政府」という新しい形を作る可能性を持っている。市場での安定競争とセーフティネットは相互補完関係にあり、社会的なセーフティネットが機能しないと財政を支える国の経済そのものが破綻する可能性があるという経済・社会モデルもあるのだから、このことを政策として取り入れて欲しいと思う。
ところで成人式といえば、登別市のそれはユニークな場所で、ユニークな形で行われている。成人式の会場は、マリンパークニクスというテーマパーク(水族館)であり、イルカやアシカのショーを見ながら行うというものだ。堅苦しい挨拶一点張りの成人式より思い出に残る式典だろう。
しかし固苦しい式典で、厳粛にセレモニーを行うということも意味がないわけではない。大人としての責任と義務を負う覚悟をそれで促すということも求められるからだ。
ただそのことに気がつかない人も多いのが現状ではあろう。そういった現代気質の若者の意識と、式典としての意味をどのようにマッチングさせていくのかは難しいところだ。式典の意味や性格から言えば、現在の若者気質だけに迎合することが良いことだとは思えない。
新成人がインタビューを受けている様子をテレビのニュースで見たが、「大人として社会の役に立ちたい」「責任ある大人としての自覚を持っていきたい」など、立派なコメントを寄せている人が多くて頼もしく思った。その姿はとても凛々しく見えた。
しかしその一方では、式典会場で来賓挨拶のステージに乱入し、壇上で一升瓶の酒をラッパ飲みして騒ぎ、式典をめちゃめちゃにするなどのニュース映像も見られた。そういう行動に何の意味があるんだろう。もっと別の方法で自己アピールできるだろうに。その姿はとても醜いと思う。
新成人が酒を飲めることや酒に強いことを自慢するような行動は滑稽だ。
酒に強いということは、酒席で乱れることがないという意味では悪いことではないかもしれないが、飲兵衛は自慢にならない。少なくとも格好よくはない。それはもっと年を取れば自然とわかることなんだろうが、厳粛な式典を酒を飲みながら妨害する姿が、ニュース映像やデジカメ画像などに一生残ってしまうことの恥ずかしさをもっと自覚すべきだろう。その姿は自分の親や、将来生まれるであろう自分の子には、決して見せられる姿ではないのだから。
成人式という式典を経て、大人の自覚を持った瞬間から、本当の意味の格好良さ、人としての生き方の格好良さを見直して欲しいと思う。衣装はお金さえ出せば次々と変えることはできるが、人間としての姿は、心の持ちようで決まるものであり、どんなにきらびやかな衣装で着飾っても、人としての立ち振る舞いが見苦しい人は、誰から見ても醜いということを知る日が来るのだから・・・。
そんなことを考えながら、自分のときの成人式はどうだったか思い出していた。岩見沢市民会館で行われた式典。そのあとで高校の時の同級生とみんなで騒いだ喫茶店。確か「民」というお店だった。・・・その夜、飲みに行ったのかどうかの記憶はない。でも夜もおとなしくはしてなかったと思う。ただ式典は退屈だったが、そこで騒ぐような人間はひとりもいなかったと記憶している。
まあそんな追憶にふけること自体、年をとった証拠だろうと思った。
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今年も宜しくお願い致します。
成人式で問題になる若者達は、自己顕示欲が強いのでしょうね。
それだけ保護者から注目されなかったという事なのかも知れません。
私も心して息子を育てなければ、思わぬ形で返ってくると改めて自戒しました。
ところで、今日はケアマネの研修でした。
今年からカリキュラムが変わった事もあり、また講師陣や受講生の質も高くて良い刺激をたくさん受ける事が出来ました。
特に社会福祉士である講師の、誠意と熱意のこもった講義を受けて「自分が本当にやりたかった事はこれなんだ」と気付きました。