今年の3が日は、緊急の呼び出しもなく自宅で休養を取ることができた。
しかしそれは、年末・年始に関係なく働いてくれている職員がいるおかげである。そのことに心より感謝したい。同時にそういう人たちの暮らしを守る待遇を維持するために、今後も様々な機会を捉えて、現場からの意見発信を続けていこうと思う。
数年前まで年末・年始は、僕の住む登別から車で3時間弱の岩見沢市というところにある実家に家族で出かけ、そこで過ごすことが多かった。しかし実家に住んでいた父が死に、母が倒れて以来、そこは誰も住まない空家になっているので、僕は静かに自宅で過ごすようになった。子供も既に就職しているので、家族揃って旅行に行くという機会もほとんどない。
だから外出も、母が入院している病院まで見舞いに行くだけだった。ただそこに行っても母の反応はほとんどなく、大晦日も元旦もわからない状態である。5年前まで、大晦日に1日がかりでおせち料理をたくさん作っていた母はそこにはもういない。そのことだけが少し寂しい。
今年の正月は北海道の日本海側を中心に、寒波と風雪が襲ったが、幸い登別市は大きな天候の崩れもなく静かな日を過ごした。
元日は妻の実家で過ごした後、2日と3日は自宅で箱根駅伝をテレビ観戦した。さらに今年は全国高校サッカー選手権で、北海道代表の旭川実業高校が3回戦まで勝ち進んで、元日から3日まで試合があり、この放送が箱根駅伝中継のすぐあとだったので、朝7時から夕方5時過ぎまで、テレビを見て過ごすという、なんとも暢気な正月であった。
ただしそれも今月発刊予定の「人を語らずして介護を語るな・第3弾完結編」のゲラの最終校正を行いながらであった。おかげさまで校正作業も順調に終了し、予定通り今月25日の新刊本発刊に結びつくであろう。
今日は自分にとって、新年の仕事始めである。利用者のみなさんも、特に重篤な病状の方もおられず、感染症などの発症もなく、年末・年始に事故もなく、本当に穏やかな年明けである。
事務職員等の年末・年始の休暇明けの昼食は、毎年「お雑煮」を出して、利用者のみなさんに味わってもらっている。本来ならお雑煮は元旦に食べるものなのであろうが、毎年多くの高齢者が餅をのどに詰まらせて亡くなるなどの事故があることを考えると、できるだけリスク管理体制を整えて、事故が起きないように安心してお餅を食べていただくようにしたい。
そのため、当施設でお餅を提供する場合は、事務職員も含めて全職員が見守りなどの支援体制に入るため、それらの職員が休みで、日直体制の日にお餅を提供することは避けている。特に正月3が日は、看護職員も1名勤務なので、全職員が通常勤務体制となる4日に雑煮を出させていただいている。
ここは現在の勤務体制から言えばやむを得ないことで、その代わりに、全ての利用者が代替品による雑煮の提供も含めて、お餅を食べるという雰囲気を味わってもらうように努力している。
今日のメニューは、お雑煮と、春菊の和物、だし巻き卵、みかんである。
普通食の方など、お餅をそのまま食べることが出来る人のお膳は下の画像である。このお膳を食べる人について、一番注意が必要である。
下は普段、「極小きざみ食」を食べている方のお膳である。雑煮に入っているお餅は、「おかゆ」を一旦ミキサーにかけて特殊な粉で柔らかく固めたものである。口の中ですぐに溶けて喉つまりをすることなく安全に食べることが出来る代替品である。しかしこのお膳を食べられている方のほとんどは、これを食べて「美味しい」、「お餅はいいね」と満足されている。
お餅は、今月鏡開きの日にも食事メニューとして提供している。今年は1/11(金)がその日で、昼食はお汁粉となっている。万全の体制で事故が起きないように注意したい。
施設管理者としては、お餅が食事メニューとして提供される日は、全員が食事摂取を終えるまで緊張を強いられる日である。しかし、お餅を美味しそうに食べてくれる利用者の笑顔を見ていると、危ないからお餅を提供しないという判断にはならないし、それでは暮らしの場でなくなるだろうと思っている。
どちらにしても、我々はこの仕事を続ける限り、今の状態より良いサービスを目指して、利用者の暮らしの質を高める努力をし続けていく必要がある。そのために我々は存在していると言っても良いだろう。そのために志を同じくする皆さんと一緒に、今年も学び続け、お互いを高めあっていきたいと思う。
今年もどうぞよろしくお願いします。
ちなみに僕は「餅」が大の苦手で、自分で餅料理を食べることはない。
「人を語らずして介護を語るな2〜傍らにいることが許される者」のネットからの購入は
楽天ブックスはこちら
アマゾンはこちら
↑それぞれクリックして購入サイトに飛んでください。
介護・福祉情報掲示板(表板)
私も今日が仕事初めで、年末に片付けてスッキリしたはずの机上の整理整頓から始めました。明けてみたら書類が山積みでした…。
当施設もようやく1月中旬に餅つきをする目途が立ちました。お餅を召し上がっている時の利用者さんの嬉しそうな顔がまた素敵なんです!