餅つきは何のためにするのか?こんな問いかけが成立しないほど、その答えは簡単である。餅は食うためにつくのである。食えないもちをついたってしょうがないのである。

しかしながら、世間の常識が通用しない介護施設では、食わせず、見せるためだけの餅つきが存在する。
(参照:悪平等ここに極まれり

そして食わせない餅をつくことを、「昔懐かしい餅つきを楽しむことで、療養効果を高める」なんて喧伝し、それを鵜呑みにして、素晴らしいことをしているように報道記事を書く良識のない新聞社と、見識の低い新聞記者が存在している。この国の新聞報道は事実を伝えるとしても、真実を伝えないということを証明している。

こんなことは療養効果どころか、餅を食いたい人の目の前に餅を出しているのに、強制的にお預けをくらわせる拷問に等しいという常識を持たないと介護は変わっていかない。実際には、餅を支障なく食べることができる人も十把一絡げにして低き方に流れていけば、そりゃあ楽だろう。それは工夫も創造も必要ない世界だからである。だからそこには専門家は存在しない。バカでもいられる世界である。

僕の施設の「餅つき」は、そのような幻想行事にしたくない。楽しく食うための餅をつきたい。そのためにはリスクをきちんとアセスメントし、どうしても食べることのでいない人については、「擬似餅」を食べてもらうことで、差別感を感じず、満足してもらえる工夫も同時に行っている。
(参照:食の専門家とは、どういう人か。

そういう場所にしか、本当の意味の療養効果なんて生まれないのである。

昨日は、当施設の「餅つき」の日。正月用に食べる「のし餅」も作るが、つきたての餅をお昼に「おしるこ」にして食べた。「擬似餅」を活用せれば、経口摂取する人全員が、おしるこを食べることができる。食べる餅をつくから、心からの笑顔が生まれる。食べる餅をつくから、普段力が入らない人が、杵を振り上げられるのだ。

食わない餅つきなんか糞くらえだ。餅を食える人まで十把一絡げにして、餅をついて見せて、お預け喰らわすなんて行為は、虐待と何ら変わらない。そう思う。

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