我がファイターズの2012年シーズンが終わった。本当に熱くしびれる戦いが続くシーズンであった。道民は今年もファイターズから勇気をたくさんもらった。本当にありがとう。ファンを家族と読んでくれた栗山監督にも心より感謝したい。
思えばシーズン前、ドラフト1位指名の即戦力候補の投手からけんもほろろに振られ、絶対エースのダルビッシュの大リーグ移籍などもあり、戦力の大幅ダウンが指摘されていた。ほとんどのプロ野球解説者はファイターズをBクラスと予想するなか、ファンは必ず今年も優勝争いをしてくれることを信じて応援していた。
その熱い思いに応えてくれたファイターズは、若い力が台頭し、戦力が拮抗するパ・リーグから頭一歩抜け出し、見事パ・リーグ優勝を飾り、クライマックスシリーズも制し、日本シリーズに出場した。
その日本シリーズでは敗れたものの、最後までファイターズらしい、素晴らしい戦いを見せてくれた。僕たちファンにとってそれはとても誇らしく思える。最後まで感動をありがとう。

日本シリーズでジャイアンツに負けたのは、ジャイアンツのほうが強かったからである。それ以外の理由は何もない。我がファイターズの力が及ばなかった。
シリーズのターニングポイントとして指摘される、2勝2敗のあとの第5戦。世紀の誤審と言える多田野投手の、加藤捕手に対する危険球退場。ネット上でも様々な論議を呼んでいる。
しかしこの1球でファイターズの勝利の流れが途切れたのかといえばそうではないと思う。そもそもこの試合は、今年のファイターズの快進撃を支えてきたMVP候補・吉川投手を序盤からジャイアンツ打線が打ち崩したことが勝敗を左右したと思う。あの1球がなくても、この試合を逆転で勝利することは難しかっただろう。
むしろ多田野投手の誤審退場の悔しさを、第6戦の反撃パワーにできなかったことが最大の敗因だと思う。その力を発揮させず、常に先手・先手で試合をリードしたジャイアンツは本当に強いチームだったと思う。このシリーズを通じて力の差があったことを認めざるを得ない。
ただし加藤捕手の死球演技を肯定するかといえば、それは別の問題である。加藤捕手がチーム内で、ふだんいくらナイスガイであったとしても、プロ野球人にとって日本シリーズという短期決戦での勝利が一番の優先事項であるとしても、それが実際には勝敗を左右するような絶対的な要素になっていないとしても、当たってもいない頭部死球を受けたかのような演技を認めることはできない。
アウト・セーフや、フェアかファールかという問題ではないのである。これはプレーの当事者が絶対的に正しい判断ができる問題ではなく審判の判断が全てである。しかし当たったか当たっていないかは、当事者である打者が一番よくわかることで、頭部死球はかすっても投手は退場させられるというルールがあることを知らない選手はおらず、あたっていない頭部死球を演ずる行為は、相手投手を退場させることも想定に含めた演技である。そしてあの演技がなければ、審判は正しくファールの判定をしていたのである。
勝利のため、プロフェッショナルには、それを含めてすべてが許されるというなら、プロ野球にはスポーツマンシップはいらないということになる。プロ野球を目指す子供たちにもそう教えないとならないことになる。
それで良いのか?
スポーツマンシップとは、正々堂々と全力を尽くして競技するスポーツマンとしての態度・精神のことであり、こうした態度や精神があるから、スポーツの勝利者は凛々しく美しい。敗者であっても、その姿はしばしば凛とした姿となり得るのである。
しかし少なくともジャイアンツの加藤選手のあのグランドに倒れ、痛がっている姿には、そのような凛々しさは感じられないし、ブーイングの中でヒットを打つ姿にも誇らしさは見いだせない。
加藤捕手が何年かあと、あのプレーについて自分の子供や親に誇らしく語ることができるのだろうか?僕はそれは無理だろうと思うし、それは彼にとっても不幸なことだろうと思う。そういうプレーをせざるを得ないのが日本プロ野球であるとしたら、そこには夢なんてなく、衰退の一途をたどるだろうと思う。
2012年のプロ野球日本一に輝いたジャイアンツは、2012年の日本プロ野球において、一番強かったチームである。しかしその強さの裏には、こうした誇れないプレーが存在したという事実はなくせないだろう。恥辱ある勝利である。
これを汚点と呼ばずして、何を汚点と呼ぶのだろうか。
一方では、ファイターズの若き4番、中田翔は、沢村投手から死球を受け骨折しながら、「相手もわざとではないから」とぶつけた投手をかばい、なおかつ骨折を押してゲームに出続け、最終戦では一時同点に追いつくホームランを打っている。この経験から彼はさらなる高みに登り、やがて日本を代表するスラッガーに育って行くだろう。
その彼も実は1年目、ストレッチなど決められたトレーニングをせずに骨折し、それに対して球団は受診さえも認めず態度を改めることを優先させたという経験を経ている。ファイターズとはそうやって選手を育てるチームである。
恥辱と汚点のない敗者であるファイターズのパ・リーグ優勝パレードは、今月24日、午前11時から札幌駅前通の北5条通南側をスタートし、南進してススキノ交差点手前(南4条西4丁目)をゴールとして行われる。
誇り高き戦士たちを、誇りあるファンが声援するパレードになるだろう。
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スポーツマンシップの件、全くmasaさんと同意見で興味深く拝見しました。
敗因として。
まず、ジャイアンツは強かった。
吉川と武田(勝)で1勝すら出来なかった。
救いと言えば、、。
中田に風格が出てきた。(彼自身に自信が出てきたように思える)
加藤選手のようなプレイヤーがファイターズ側には居ないこと。
でしょうか。
逆にあの四球を受けた演技を見て、「こういう選手ってまだ居るんだなぁ〜」って思いました。
広島の達川のようです(笑)
達川もあれはしないと思いますけど。。
日本一を決める真剣勝負のシリーズで、演技プレイをやられると士気が下がります。
違和感を感じた選手は、たぶんジャイアンツ側にも相当いたはずです。
クレバーなプレイを狙って、駆け引きもしたつもりなのでしょうが、通な野球ファンにあれは許されません。
ファイターズは相手チームの小久保や野村監督を胴上げするチームです。
中田の成長が楽しみになってきました。