今日午後から、北見市留辺蘂町温根湯温泉で行われる網走管内老施協研修の中で講演を行う。

道外の方は、この「留辺蘂」という町名を読めるだろうか?

「るべしべ」と読む。市町村合併で北見市になったが、平成の大合併以前は単独の町であったところである。

その会場に向かうために、先ほど千歳空港から女満別空港に降り立ったところだ。

実は道内に50年以上住んでいるのに、新千歳空港以外の道内空港を使うのは初めてである。

北見に用事がある際も、今までは列車を利用することが多かった。ただそれなら移動時間が8時間近くかかってしまうので、講演の場合前日移動が不可欠である。しかし業務が立て込んでおり、昨日も休むわけには行かなかったので、当日移動で講演を行うために航空機を利用した。幸い昨日までの雨もあがり、青空の中を快適に飛んできたが、女満別は雨だった。しかし車で会場に近づくと晴れてきた。

今朝は列車から航空機への乗り継ぎの時間等から、朝7:05東室蘭発の列車に乗り、新千歳9:40発の便で、女満別には10:25到着。今回の研修に僕を講師として呼んでくださった丸刈リータさんが空港まで車で迎えに来てくれた。北見市の別の小規模特養の施設長さんの運転で、昼少し前に会場である温根湯温泉・大江本家に到着した。空港で待ち時間があっても列車に比べると半分の時間で会場に着くことができた。

今日の受講者は、特養の施設長さんはじめ管理職の立場の人たちが多い。看護師さんやケアマネジャーさんや介護職員さんもおられるが、それは少数派である。グループホームや通所介護等の職員さんもいるようだ。

そんな中で、今日は「看取り介護から考えるチームケア〜デスカンファレンスからの気づき」というテーマでお話をする。通所介護の職員さんが、介護施設の看取り介護についての話を聞いて得るものがあるのかと心配する向きもあろうが、僕の看取り介護講演に関して言えば、その心配は杞憂である。

なぜなら、僕の看取り介護講演は、特養のケアサービスのあり方を考えるだけではないからだ。高齢者介護サービスとは、利用者の人生の最晩年期に関わりを持つという意味を考えるもので、そこでは居宅介護支援や通所介護の職員さんなど、すべての介護サービス従事者の責任が問われることになり、「看取り介護」を考えることによって、我々の日常支援というものを考える意味があるからだ。

つまり我々は常に「看取り介護」を、介護サービスの延長線上に置いて考える必要があるという意味であり、そうであるがゆえに、QOLからQODへの視点変換が必要になるのである。

そもそも僕の講演は、事前に配布資料を作るためのパワーポイントファイルを作っておくが、当日の受講者の属性によって、お話する内容の軸足を随時変えているので、介護施設での看取り介護をテーマにするからといって、居宅サービス関係者の方々を無視した内容に終始することはないので、この点はご安心いただきたい。

実践できる内容しかお話しないが、その引き出しはたくさんあるのだ。それは我が施設で、職員が沢山経験したことを積み上げたものが詰まっている引き出しである。

今日のサブテーマは「デスカンファレンスからの気づき」であるが、デスカンファレンスは、積み上げた実践を整理し、その評価をまとめ、職員が自分たちが行ってきたことの意味を知り、次に繋げるべきものの具体像を見出すという効果もある。

そのことも今日はお話する予定であるが、そうであるなら、我々は看取り介護の対象者に対する実践評価のカンファレンスを行うのではなく、サービス提供を終了したすべての利用者に対する、事後カンファレンスを行う必要があるのではないかと考え始めている。

そのことが次のステージに繋がるのではないかと思い始めている。

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