昨年4月21日にから「介護報酬制度改正議論を斬る〜時期報酬改定を見据えて」というテーマで始まった北海道医療新聞社・介護新聞の連載は、本年6月からテーマを「希望を紡ぐケア〜介護現場の道しるべ」に変更して続けてきたが、7月26日の同誌に掲載される記事をもって60回目となり、それを区切りにして連載を終了することとした。

新聞休載週以外は、週1回、毎週木曜日の同紙の発行に合わせて原稿を書き続けてきた生活に一旦ピリオドを打つことになる。

最終稿が紙面に掲載されるのは、7/26付の介護新聞であるが、その原稿は先週日曜、僕にとっては今月2回目で、かつ今月最後の休みの日に書き上げた。あとはゲラを校正し終えれば毎週締め切りがある生活から15ケ月ぶりで解放されることになる。

この連載の最終稿にも書いたが、介護サービスとは人の暮らしに密接に関わる重要な職業である。そしてその目的は人の暮らしを良くすることだ。人の幸せをつくるお手伝いをすることだ。そしてその職業とは、私たち自身が誰かの心を癒す「赤い花」になることができるという誇りを持つことができる尊い仕事であるはずだ。

しかし・・・。誰かの心に咲く赤い花になるどころか、介護サービスの現場を密室化し、そこで絶対君主のように君臨し、利用者を人として尊ぶどころか、その尊厳を完全に無視して、人間としての扱いをしない恥ずべき人々も存在する。そういう闇に深く潜り込んで、何くわぬ顔でのうのうと生きている恥ずべき人々が存在する。彼らの彼女らの心の闇はどこから来るのか。どうして「普通じゃない」ことに気がつかないのか?

感覚を麻痺させ、世間の常識が介護サービス現場の非常識という状態を生み出してはいけないことを強く訴えている。そのためにはまず、自身の使う言葉を利用者をユーザーと見て正しくし、適切な丁寧語を使うことを主張している。しかしそのことを理解しょうとしない人々もいる。本当はそのことは非常に恐ろしいことなのだ。なぜなら、それは自分自身を悪魔に変えても気がつかなくなるからだ。

ここにも悪魔がいる。和歌山県海南市の特別養護老人ホーム南風園 投稿者 dengekinetwork

JNNニュースの動画がネット配信されている。これを見て心を傷めない特養関係者はそう多くないはずだ。ほとんどの特養関係者は、これはひどいと思うはずだ。こんなことが許されるわけがないと思うのが普通の感覚だと思う。

しかし事実としてこうした行為を行なっている特養があり、そういう職員がいることを我々は真剣に考えなければならない。自分たちが、そういう状態にならないために何をすべきかを真剣に考えねばならない。人ごととして捉えてはならない。

それにしてもこのホームでは未だに誰も責任をとっていないとのことだ。市の副市長である理事長も、施設長や副施設長や当事者である職員も現職のままだそうだ。しかも改善策は利用者の呼び方を「○○さん」に変えたということのみということだ。

この動画を全職員一人一人が見直して、自分たちの施設で何が行われてきたのかを事実として認識すべきだ。自分たちの醜い姿を事実として認識すべきだ。

それにしてもJNNの取材に答えている副市長でもある理事長の発言。「不適切な言動はあったが個人を虐待しているのではなく、チームで働いているので、(利用者を)静かにさせる中でのやりとり。」とはなんという言い訳だろうか。責任逃れの行為の正当化はいい加減にしろと言いたい。こんなのをチームの対応だなんて言うなよ。一体なんのチームだ!!そもそも利用者を何のために静かにさせる必要があるんだ。

いつから日本人は恥を恥と思わなくなったんだろう。こういう施設があるから、こういう職員がいるから、介護施設はいつまでも必要悪のように言われてしまう。

唯一の救いは、これを録画したのは、この施設の職員で、内部告発によって事態が白日のもとに晒されたということだ。盗撮し内部告発した職員は、きっとこうした状態が日常的に繰り返されていたことに心を痛めていたのだろう。内部告発するしか改善策はないと考えたのだろう。

こうした闇の部分を介護サービスの現場から完全になくしていかないと、いつまでも介護サービスは氷山の下に何があるのか?という疑惑の目から逃れられない。そこで働く職員が胸を張って誇ることができる職業にならない。当然そこにはそれなりの費用しか支払われない。

ただし我々は、こういう施設や施設職員を糾弾することを目的とするのではなく、我々自身が自らの施設や事業所を適切に運営して、利用者の尊厳と暮らしを守るということを「当たり前」に行なっていくということが大事だろう。

そういうことを地道に続けていくことが我々の一番基本となるソーシャルアクションである。

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