先週発行された全国老施協のJS WEEKLY343号の記事を下記に抜粋する、

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厚生労働省の「介護支援専門員(ケアマネジャー)の資質向上と今後の在り方に関する検討会」(田中滋座長)は7月9日に第4回会合を開催した。6名の構成員がプレゼンテーションを行い、施設ケアマネジャーのあり方について議論が行われた。その中で桝田和平構成員(全国老施協介護保険事業経営委員会委員長)は、ケアマネジャーの専従化を図る必要があると主張した

桝田構成員は「特別養護老人ホームにおける介護支援専門員及び生活相談員の業務実態調査研究」(平成22 年度老健事業)のデータを用いて意見を述べた。調査結果では、専任配置している割合は37.2%、兼務配置は59.8%、専任と兼務の両方配置が3%となっている(表1)。また、施設介護サービス計画1ヵ月当たりの担当平均入所者数は、専任51.9 人、兼務37.6人。実際に施設介護サービス計画を作成した入所者数の分布状況は表2のとおりで、1ヵ月当たり平均は
専任21.9 人、兼務15.6 人と違いがみられる。
そうした現状をふまえて、利用者には「良いサービスを受ける権利の他に、虐待や身体的拘束からの自由、プライバシー保護の権利なども保障する必要がある」としたうえで。「第三者的な立場から権利を守る専門職が必要だ。ケアマネと生活相談員が兼務になると、そこが曖昧になる」と指摘。
「施設ケアマネは、各専門職種の収集した情報や支援方針を収斂し、マネジメントすること。そして利用者の「自立支援」や「在宅復帰」に向けて、チームケアによる「科学的介護」の実践を行うための施設ケアプラン作成が重要として、施設ケアマネは関連業務から専従化を図り、「50 対1」までの人数の配置にすることが最も適切だ」と述べた。
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以上である。確かに施設サービスにおける相談援助職員の配置人数は少なすぎる。100人施設で相談員兼介護支援専門員が1名おれば配置基準自体は満たすわけである。しかしこの体制で、施設サービス計画をすべてひとりで担当し、その他の相談援助業務をこなせるスーパーマンはそういないだろう。

だから相談援助職の配置基準を見直して、人数を増やし、その分介護報酬も増やすというなら賛成である。

しかし、この目的が単純に「施設ケアマネの専従化」であるとすれば、それは意味がないだろうと思う。むしろ施設の介護支援専門員の役割というものを、今の状態で曖昧なままにして専任化に走れば、例え配置人員を増やしたとしても施設の介護支援専門員は単なる「施設サービス計画作成人」、つまりケアプランナーもしくは、書類作成専従者に陥ってしまうだろうと思うからだ。

桝田構成員の調査の検証にしても、専従配置している37.2%の施設のケアプランが、「良いサービスを受ける権利の他に、虐待や身体的拘束からの自由、プライバシー保護の権利なども保障するプランになっている」という結果は示されていない。37.2%の専従者が、兼務者と比して明確にケアマネジメントの質が高いという結果がないところで、専任化だけを主張しても意味がないし、施設サービスの質なんて上がるわけがない。

そもそも介護支援専門員の専従化の結果が「科学的介護」の実践であるなんていうところに持ってくるから国民が誰も理解できなくなる。老施協のこのセンスのないキャッチコピーはなんとかしないと、老施協のみが「科学的介護」って言葉に酔って、周囲が何を言ってんだか?という冷めた目で見ていることに気づかなくなり、世論はついてこなくなるぞ。

過去にも指摘していることだが、僕は、施設のケアマネの役割や位置づけを不明瞭なまま、専従化だけ進めても意味はないし、混乱や施設間格差はなくならないだろうと思っている。

むしろ施設のトップが施設のケアマネに求める役割を明瞭にして、位置づけやその機能が生かせる施設内システムを作ることが大事だろう。そこが不明瞭なまま専任化を進めても意味がない。

その前に施設の介護支援専門員とは、単に施設サービス計画を作る人ではなく、施設サービス計画というツールを使って、利用者の暮らしの課題を解決するために、施設サービスと適切に調整を図る役割があって、その調整とは施設サービスの品質に関わってくるのだから、新たなサービスを作ったり、既存のサービスを変えたりする、「能力と権限」を持つ人であることを明確にしなければならない。

書類だけ作って、「それは実地指導に必要だから作っているだけで生活支援では使えないわ。」、あるいは、「そんなプラン作ってもできないから、できる現状に合わせて書類を作って」という立場に置かれてはなんの意味もないのである。

ソーシャルワーカーとしての知識と援助技術を持ちながら、介護保険制度を熟知し、ケアマネジメントの専門技術に長けているが介護支援専門員であり、施設サービスのマネジメントに、その知識と技術を活かす人が、施設の介護支援専門員であって、それが求められている役割であり、専従化によって、それが実現されるわけではないのである。

むしろ僕は、専従か兼務かはあまり問題ではないと考えている。むしろソーシャルワーカーとして、利用者の相談援助業務全般に関わる業務の中で、施設サービスにおいて、ケアマネジメントという社会福祉援助技術をつかいこなせる専門家という意味では、相談員がケアマネを兼務することには意味があると思っている。

ただできれば、業務量を考えれば、ソーシャルワーカーとは、別にケアプランの作成責任を司るケアマネ兼務者が別に配置されていることが必要だというだけである。

そもそもケアマネジャーという職種の概念が、施設サービスに合致しているだろうか?

居宅サービスは事業提供主体やサービス内容がちがう多種類のサービスを結びつけ、チームとして支援をする際に、基本的なサービススケジュールを管理する為に、その窓口を一元化するという意味で、ケアマネジメントに主軸を置いた援助者が必要であろう。

しかし施設サービスという単品サービスの中で「施設サービス計画」は生活援助に必要なツールのひとつに過ぎず、それに主軸を置きすぎると、生活者としての高齢者への援助という意味を取り違えてしまう恐れがある。

プランが立派でも、サービス内容の質が悪ければ意味がないし、365日24時間生活する「器」の中で生じる様々な生活課題やストレスに的確に反応できる人材がいないと、その目的は達しない。

優れたケアマネより、ケアマネジメント技術をもしっかり持っている優れたソーシャルワーカーが求められているのである。なぜならケアマネジメントもまた、社会福祉援助技術の一つに過ぎないからだ。

なにか介護保険制度はケアマネジメントを社会福祉援助技術の中心に置きすぎて考えられていることで様々な矛盾が出てきているように思えてならない。施設サービスも基本的に居宅サービスと考え方の根幹は変わらないといっても、そこで展開される援助方法は、当然、違いがあっても良い。

よって僕は、施設の介護支援専門員を専従配置するのではなく、いっそのこと介護支援専門員の配置義務をなくして、相談援助職の配置数を引き上げ、相談援助職として雇用する人材については、介護支援専門員資格を基礎とするのか、社会福祉士を基礎とするのかは、各施設の判断で良いという方向に変える方がベターではないかと思っている。

そのほうがよっぽどサービスの質は高まるだろう。

参照:介護保険施設における介護支援専門員の業務と役割に関する一考察 () () (

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