昨年3/7の朝のことであった。福島県介護支援専門員協会のCさんから、同協会総会での講演依頼メールをいただき、その日のうちに講演日や内容を決めた。
その予定では、2011年5/28(土)、福島県郡山市内で行われる福島県介護支援専門員協会の総会で、「感動できなきゃ介護じゃない〜介護サービスの常識を問い直そう〜」というテーマの講演を行う予定だった。
しかしその調整を行ったそのわずか4日後、あの震災が起こった。福島は原発の問題もあり大変な状況となったことは僕がここに書くまでもない
震災直後は僕も福島での講演がどうなるか等考える余裕もなかったが、その後1月ほどして、そのことを確認するメールでのやりとりを行った。驚くことにそうした大変な状況下でも、福島の方は、「今だからこそ、みんなが勇気を得る勉強機会を得たい」として、講演を含めた研修会の開催をあきらめていなかった。
しかし一番ネックになったのは、会場確保であり、さらに大変な状況の中で、介護支援専門員の皆さんは、被災地の現場支援から離れる時間がなかなか取れないこともあり、予定されていた講演は中止されることになった。当時の状況ではやむを得ないことであったし、僕もその決定は当然であると思った。しかしありがたいことに事務局をはじめとした福島の方々が、その中止を残念に思って、いろいろなメッセージを頂いた。
東日本第大震災の発生から1年を過ぎた今年3/16。再びCさんからのメールが届いた。そこには
「昨年度は講演会中止となり残念でした。今年は講演会を是非開催したいと思っています。」という言葉と、「福島県ケアマネにエールのご講演をいただきたく返事お待ちしています。」という言葉が書かれていた。
僕はこのメールを読んだ瞬間、不覚にも涙をこぼしてしまった。
被災地で支援活動を行なっている人々は、日本人すべてが誇るべきヒーロー、ヒロインだ。それは福祉援助だけではなく、すべての活動に携わっている人に対して僕が寄せる思いだ。特に福島県は原発の問題で、目に見えない放射能という恐怖と向かい合うという過酷な状態の中で、様々な支援活動に携わっておられる方々である。
ここは絶対にエールを送らねばならない。義援金等の後方援助だけではなく、それらの方々に直接エールを送ることができるのであれば、そのような機会を得ることは僕にとって大変ありがたいことであり、二つ返事で承諾した。福島県は、今年1月にも同じ意味で訪れているが、その時は福島市の社会福祉法人職員研修ということで訪問しているので、県全体の介護支援専門員を対象にする今回の講演は、より広く、多くの人たちにエールを送れると思う。
その講演が、いよいよ再来週に迫った。7月6日(金)14:00〜16:00の予定で、郡山市民文化センターで行われる「福島県介護支援専門員協会 公開講演会」である。案内リンクを貼り付けているので参照願いたい。
この講演会は、福島県内の介護支援専門員を対象にしているとのことで、県外の方の参加はできないそうだが、協会の会員ではなくとも参加できるそうだ。しかも参加料は無料とのこと。福島県内の方で、介護支援専門員協会の会員ではない方も、案内文と、こちらの「申込書」から問い合わせや、参加申し込みを行なっていただきたい。申込期間は、今週月曜から始まって6月末日までとのことである。既に今日時点で300人を超える参加申し込みがあるそうだが、会場には800人の席があるという広さなので、これから申込されても十分間に合うと思う。
今回お話するテーマは、僕の著書第1作の題名と同じ「人を語らずして介護を語るな〜介護サービスの常識を問い直そう〜」というテーマである。主催者が研修目的について、「対人援助専門職としての介護支援専門員が、利用者の支援に必要な視点や介護・福祉に携わる者としての倫理観や使命感を再確認するための講演会」と定義付けているので、それに沿って、ケアマネジメント実務からは少し離れた視点から、介護支援専門員という立場以前に、福祉援助者・ソーシャルワーカーとして持つべき視点というものを、現場論として語ろうと思う。
福島県で頑張っている介護支援専門員の方々が、もっと元気になれる現実論を語ろうと思う。
そしてそれらの方々と心をつなげて、僕自身も元気と勇気をもらおうと思う。
心を込めて、思いを込めて、福島のみなさんに伝えてこようと思う。福島県の皆さん、どうぞよろしくお願いします。
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再会を楽しみにしています。