今年は4月1日が日曜日になっているため、今日2日を入社式としている事業者も多いだろう。
当施設でも、辞令交付式を本日朝行った。
そこでは新入職員へ向けた新たな旅立ちに当たってのお祝いの言葉を贈ると同時に、今年度に限って言えば、大幅に引き下げられた介護給付費により、3年間の施設運営は大変厳しくなるという状況説明と、その中で職員全員が介護の質を落とすことなく、無駄な経費の削減に向けた意識を高く持っていかなければならないことを説明した。
希望を胸にいただいた新入職員にとっては、現実の厳しい状況を耳にすることは「冷や水」を浴びせられることに等しいかもしれないが、スタッフの一員として、良きも悪しきも、現状認識を正確に持つことは必要である。
今後3年間は、直接ケアに関係しない間接的経費をいかに削っていくかは重要な課題だ。不必要な光熱費をできるだけ抑える職員全員の取り組み等、無駄な経費の削減策は各施設で精査すべきである。施設全体で皆の力を結集して荒波を超えるという共通認識が求められる。そのため、厳しい情勢にあることと、コスト削減意識を高めるための管理者の説明責任は、より重要になるであろう。
現場の看護職員や介護職員、調理員等が、そんなの管理者の仕事と「我関せず」では困るのである。
このことは今までも会議等で、何度も繰り返しアナウンスしてきたが、新年度のスタートのこの時期に、今一度職員の覚悟を促したという意味がある。
しかし同時に、我々は地域の中の特養の枠割を再確認して、我々のサービスによって、きちんと暮らしを守ることが地域における「介護の最終的なセーフティネット」の役割を果たすことに繋がるし、それこそが特養の存在意義であるという意識付けも重要だ。
特養の職員が、施設軽視という意識を打破して、自らの所属事業に誇りを持つことが一番大事である。自らの所属する事業が社会から必要悪のように認識されていると感じてしまえば、そこでモチベーションは高まらない。そのためにも我々のサービスの意義を明確にして、それに沿ったケア理念を確立し、サービスの質をより一層高めることで、存在意義を示していかねばならない。
地域包括ケアシステムの中で、広域型特養は過去の遺物としてなくなるのではなく、終生施設として地域になくてはならない「要介護高齢者の住まいの一つ」という機能を強化し、そのことを地域にアピールしていかねばならない。その中でサテライトとして地域の中に機能を分化させていく取り組みも必要であるが、そうであるがゆえに、その基盤として本体施設の機能強化や安定した運営はより一層重要視されなければならない。
看取り介護の質向上は、そう言う意味でも重要となるが、それは看取り介護期という特別な時期のサービスの質を意味するのではなく、利用者が我々の施設を「暮らしの場」と受け入れることができ、その場所を「人生の最後まで過ごす場」として選択し得る日常のケアサービスの質担保を意味するものである。
利用者がどのような理由で特養に入所しようとも、それが利用者本人の思いではなく、家族の都合による入所であろうとも、我々が利用者を受け入れ、スタッフとして関わる瞬間から、それらの人々の様々な思いに寄り添い、利用者にとって信頼できる存在となり、そのことを含めて、利用者が「望まない入所」であったとしても、結果として「ここに住めて良かった」と思え、「最期まで、ここに住みたい」と思える場にしなければならない。
以前にも書いた内容の繰り返しになるが、我々のサービスは、今年度から作られる「24時間巡回サービス」にはできないケアを実現していかないと、その存在意義が薄れる。住まいの機能とケアの機能を切り離した巡回型サービスでは達成できないサービスの質を作っていかねばならない。
暮らしの場という「利用者の息吹」を感ずる場所でしかできないことは、例えばアセスメント不能で、突発的な尿・便意にも対応できることであり、臨機にサービスの提供時間や方法を、利用者の体調やニーズに合わせて臨機応変に変えて対応することであり、表情からくみ取る感情に適切に寄り添うことである。
だから我々スタッフには、より一層「気づくこと」が求められるし、「想像し創造する」ことが求められるのだ。頭と体と五感を使ったケアが求められるのだ。そこでエビデンスを作っていくことが大事だ。
全国老施協のいう「科学的ケア」とは、利用者のニーズに適切に対応して、トイレで排泄するという普通の暮らしを作ることで、必要のないオムツを使わず、オムツ0のエビデンスを作っていこうという意味だとしたら、それは方向性としては正しいと思う。
しかしそれを「科学的ケア」と称するのは違和感しか覚えず、一般の市民が理解できるスローガンではないだろう。
もう少しセンスある言葉を使ってもらいたい。「エビデンスを作るケア」のほうがずっとましだと思うのは僕だけだろうか。
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介護・福祉情報掲示板(表板)
当施設でも、辞令交付式を本日朝行った。
そこでは新入職員へ向けた新たな旅立ちに当たってのお祝いの言葉を贈ると同時に、今年度に限って言えば、大幅に引き下げられた介護給付費により、3年間の施設運営は大変厳しくなるという状況説明と、その中で職員全員が介護の質を落とすことなく、無駄な経費の削減に向けた意識を高く持っていかなければならないことを説明した。
希望を胸にいただいた新入職員にとっては、現実の厳しい状況を耳にすることは「冷や水」を浴びせられることに等しいかもしれないが、スタッフの一員として、良きも悪しきも、現状認識を正確に持つことは必要である。
今後3年間は、直接ケアに関係しない間接的経費をいかに削っていくかは重要な課題だ。不必要な光熱費をできるだけ抑える職員全員の取り組み等、無駄な経費の削減策は各施設で精査すべきである。施設全体で皆の力を結集して荒波を超えるという共通認識が求められる。そのため、厳しい情勢にあることと、コスト削減意識を高めるための管理者の説明責任は、より重要になるであろう。
現場の看護職員や介護職員、調理員等が、そんなの管理者の仕事と「我関せず」では困るのである。
このことは今までも会議等で、何度も繰り返しアナウンスしてきたが、新年度のスタートのこの時期に、今一度職員の覚悟を促したという意味がある。
しかし同時に、我々は地域の中の特養の枠割を再確認して、我々のサービスによって、きちんと暮らしを守ることが地域における「介護の最終的なセーフティネット」の役割を果たすことに繋がるし、それこそが特養の存在意義であるという意識付けも重要だ。
特養の職員が、施設軽視という意識を打破して、自らの所属事業に誇りを持つことが一番大事である。自らの所属する事業が社会から必要悪のように認識されていると感じてしまえば、そこでモチベーションは高まらない。そのためにも我々のサービスの意義を明確にして、それに沿ったケア理念を確立し、サービスの質をより一層高めることで、存在意義を示していかねばならない。
地域包括ケアシステムの中で、広域型特養は過去の遺物としてなくなるのではなく、終生施設として地域になくてはならない「要介護高齢者の住まいの一つ」という機能を強化し、そのことを地域にアピールしていかねばならない。その中でサテライトとして地域の中に機能を分化させていく取り組みも必要であるが、そうであるがゆえに、その基盤として本体施設の機能強化や安定した運営はより一層重要視されなければならない。
看取り介護の質向上は、そう言う意味でも重要となるが、それは看取り介護期という特別な時期のサービスの質を意味するのではなく、利用者が我々の施設を「暮らしの場」と受け入れることができ、その場所を「人生の最後まで過ごす場」として選択し得る日常のケアサービスの質担保を意味するものである。
利用者がどのような理由で特養に入所しようとも、それが利用者本人の思いではなく、家族の都合による入所であろうとも、我々が利用者を受け入れ、スタッフとして関わる瞬間から、それらの人々の様々な思いに寄り添い、利用者にとって信頼できる存在となり、そのことを含めて、利用者が「望まない入所」であったとしても、結果として「ここに住めて良かった」と思え、「最期まで、ここに住みたい」と思える場にしなければならない。
以前にも書いた内容の繰り返しになるが、我々のサービスは、今年度から作られる「24時間巡回サービス」にはできないケアを実現していかないと、その存在意義が薄れる。住まいの機能とケアの機能を切り離した巡回型サービスでは達成できないサービスの質を作っていかねばならない。
暮らしの場という「利用者の息吹」を感ずる場所でしかできないことは、例えばアセスメント不能で、突発的な尿・便意にも対応できることであり、臨機にサービスの提供時間や方法を、利用者の体調やニーズに合わせて臨機応変に変えて対応することであり、表情からくみ取る感情に適切に寄り添うことである。
だから我々スタッフには、より一層「気づくこと」が求められるし、「想像し創造する」ことが求められるのだ。頭と体と五感を使ったケアが求められるのだ。そこでエビデンスを作っていくことが大事だ。
全国老施協のいう「科学的ケア」とは、利用者のニーズに適切に対応して、トイレで排泄するという普通の暮らしを作ることで、必要のないオムツを使わず、オムツ0のエビデンスを作っていこうという意味だとしたら、それは方向性としては正しいと思う。
しかしそれを「科学的ケア」と称するのは違和感しか覚えず、一般の市民が理解できるスローガンではないだろう。
もう少しセンスある言葉を使ってもらいたい。「エビデンスを作るケア」のほうがずっとましだと思うのは僕だけだろうか。
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