静岡県の方々は、いま大変恥ずかしい思いをしているのではないだろうか。

教育界では度重なる不祥事が明らかになって、県の教育長が「万策尽きた」と発言した。そのわずか5日後には39歳の男性中学教諭が、13歳の男子中学生にわいせつ行為を行ったとして逮捕されている。静岡の先生たち、いったいどうしちゃったの?安心して子供を学校に行かせられなくなるよな。

ところで静岡でおかしいのは教育界だけではない。

この県の介護保険担当課も相当おかしい。それも今に始まった事ではなく、遡れば平成15年の集団指導から、おかしなルール解釈に基づく不適切指導が行われるようになって、それは「静岡騒動」として全国的にも有名になっている。そしてその後も同じような不適切指導が何度か繰り返されている。反省と学習能力のない不思議な県体質である。

そして今年の集団指導でもまたやってくれた。

18日の記事「静岡名物は行政の偏屈集団指導だな。」でも紹介したように、今年の集団指導では通所介護の外出行事について「屋外への移動の際に車を使用する場合、乗車している時間は基本的にはサービス提供時間には含まれない」というおバカな指導を行っている。静岡県の指導担当者の一番の勘違いは、通所介護事業所の屋外でサービスを行う場所について、それを車等で移動した先にある「外出先」に限定して考えていることだ。しかしこのルールに関わる法令には「外出先」という文言は存在していない。

そもそも老企25号では
2)指定通所介護の基本取扱方針及び具体的取扱方針
4.指定通所介護は、事業所内でサービスを提供することが原則であるが、次に掲げる条件を満たす場合においては、事業所の屋外でサービスを提供することができるものであること。
イ・あらかじめ通所介護計画に位置付けられていること
ロ・効果的な機能訓練等のサービスが提供できること

以上のように規定され、「事業所の屋外でサービスを提供することができる」とされているだけであり、効果的な機能訓練等を行う場所は、何もバスに乗って出かける「外出先」で行うサービスに限定されておらず、外出そのものを機能訓練効果と結びつければサービスとして成立することになっている。バスの中だって「事業所の屋外でサービスを提供する場所」になり得るということだ。例えばこれを花見の時期に桜の花を見に行き、その花を見ながら俳句を作ろう、ということでも「心身活性化効果を目的にした機能訓練等のサービス」(この規定は機能訓練ではなく、機能訓練等となっている点が重要。)とすることも可能である。そうであればこれはバスに乗って桜を見ている間も立派なサービス提供時間である。

つまり静岡県の担当課はこのルールの正しい解釈をしておらず、生半可な知識に基づく独善的な解釈でまたまた変な指導を行ったということだ。

当然こうした「おバカな解釈」に納得できない事業者は多いだろう。案の定たくさんの疑問が県に寄せられたそうである。

その結果以下のような新たに回答があったことを、表の掲示板でデイの心さんが情報提供してくれている。

1.老企25号の要件に該当する事業所の屋外サービスを提供する場合であって、移動時の車中においても適切に職員を配置し、職員がサービス提供(機能訓練、利用者の状態確認、見守り等)を行っている場合には、移動時間をサービス提供時間に含め、保険給付の対象とすることは可能。

2.通常の通所介護計画書の他に、事業所の屋外でのサービス提供のための通所介護計画書を別に作成する必要はない。

3.通所介護計画書に具体的な外出先、外出時間等までは記載の必要はないが、サービス提供の記録として、外出先、外出時間等を記録すること。

4.なお、屋外でのサービス提供は例外として認められるものであるため、通所介護計画の計画期間終了時に、屋外でのサービスにより効果的な機能訓練等のサービスが提供できたかどうかの評価を適切に行う必要がある。

5.同件で複数の事業所から照会があったため、内容等を整理し、補足としてWAMNETに掲載する予定。

↑しかしこの回答ほど静岡県介護保険指導担当課の傲慢ぶりを示すものはない。

この回答は事実上、集団指導の場での発言を取り消す内容である。そうであればまずは集団指導の場で、法令根拠に基づかない間違った指導を行い、現場を混乱させたことについて謝罪すべきである。そして間違いをきちんと認めた上で、なぜそのような法令根拠に欠ける指導を繰り返してしまうのかを内部で検証した上で、そういうことが起こらないように襟を正すべきである。

それなのに、静岡県の今回の回答は指導の誤りを認めるのではなく、言葉を難しくして取り繕って、実際には変な指導がなかったかのように糊塗しているだけだ。

そもそも回答に示されている2〜4は、外出行事を行っている通所サービス事業者にとっては、今更のルールであり、あらためて集団指導で指摘されるべき解釈ではないって。

このような問題を繰り返すたびに、間違いを糊塗し続けて恥ずかしくはないのだろうか。こうした静岡県介護保険担当課の恥ずべき体質を受け継がないように、静岡県は遺伝子レベルから徹底的な改善に努めるべきだろう。

それにしてもこれだけ何度も不適切指導が繰り返されると、逆に来年は何が起きるだろうと興味津々である。毎年集団指導の時期になると、今年の静岡ではどんな集団指導がなされて、どのような形で行政の馬鹿っぷりが明らかになるのかと期待を寄せてしまうのは僕だけだろうか。

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