北海道は冬に向けてまっしぐらである。最低気温が氷点下を記録する地域も出てきた。日中の最高気温も10℃に届かない日がある。

今年は初雪が降った地域もあるが、全道的にみると今は紅葉の季節である。

紅葉02紅葉01

当施設でも天気を見ながら入所者の方々が紅葉狩りのドライブに出かける姿が見られる。通所介護の方でも、サービス提供時間内に心身活性化効果を機能訓練として位置づけた外出行事として「紅葉狩り」に出かけている。(上の画像は昨日通所介護の職員が撮影した紅葉である)

ところで通所介護のこのような外出行事は、老企25号で
(2)指定通所介護の基本取扱方針及び具体的取扱方針
4.指定通所介護は、事業所内でサービスを提供することが原則であるが、次に掲げる条件を満たす場合においては、事業所の屋外でサービスを提供することができるものであること。
イ・あらかじめ通所介護計画に位置付けられていること
ロ・効果的な機能訓練等のサービスが提供できること

以上のように規定されている。ここで書かれているように、算定ルール上あらかじめ計画されている必要があるのは「通所介護計画」であって、居宅介護支援事業所の「居宅サービス計画」ではない。つまりこのルールに合致する外出行事を行うごとに、居宅介護支援事業所の介護支援専門員に、居宅サービス計画変更をお願いする必要もないし、ましてや「伺い」を立てる必要もない。

さらにいえば、外出行事を通所介護計画に位置付ける場合であっても、外出による心身活性化効果を「個別機能訓練計画」の中にあらかじめ落としておけば外出行事を行う時期になるたびに通所介護計画を変える必要はない。もっと具体的にその内容を示すとしたら下記のようなイメージ図に示した通所介護計画の内容を参照してほしい。(当施設併設デイサービスの通所介護計画の一部を転載したものだ。)

通所介護計画2

一番下の「行事・レクリエーション」の部分を見ていただくと分かると思うが、このように示しておけば、季節ごとの外出行事を企画するたびに「通所介護計画」を変更しなければならないということはなくなる。これは法令上何ら問題のないものである。

ただし通所介護計画は「居宅サービス計画が立てられている場合は、その内容に沿ってサービス事業所の計画を立案しなければならない」という規定がある。そのため居宅サービス計画には、こうした機能訓練を通所介護の中で行うことが目的として書かれている必要がある。

そうであっても何も具体的に外出行事を行うということではなくとも、機能訓練を行い身体機能や精神機能を維持するという居宅サービス計画になっておれば、その内容に沿った形で心身活性化サービスとしての機能訓練の一環として「外出行事」を位置づけてよいという意味である。そのことを具体的に示したイメージ図が次の通りである。

通所介護計画

ここでは居宅サービス計画の「他者と交流して心身活性化を図り生活意欲が保たれる」という長期目標と「通所介護利用で定期的に外出し張りのある生活を送る」という短期目標のそれぞれに沿う形で、通所介護計画が「社会参加の機会を確保し気分転換を図り」という目標に沿って「心身を活性化させる」という具体的方法として外出行事を位置づけているわけであるから、これは法令上適切な計画であると言える。
(※このイメージ図の居宅サービス計画の短期目標で「定期的に外出し」としているのは、あくまで通所介護を定期的に利用することによる外出機会という意味であって、通所介護の外出行事を意味したものではないことはお分かりかと思う。)

これらのイメージ図は僕が「通所介護の役割から考える通所介護計画の視点〜ケアマネジャーとの連携と協働〜」というテーマで講演を行う際に使用しているパワーポイントファイルの一部である。(通所サービス関係者の方でこうした講演を企画している方で、僕を講師に招きたいと考えて下さる方はメールでご相談ください。)

このように老企25号で定められた外出行事とは、外出先で機能訓練を行うことに限定しておらず、効果的な機能訓練等のサービスが提供できるのであれば、バスドライブとして車中で行う心身活性化メニューをも含めたものと解釈できる。桜や紅葉を見ながら唄を歌ったり、俳句を作ったり、車中でも機能訓練は可能だからである。(※勿論ここでいう機能訓練とは医学的・治療的リハビリテーションエクササイズに限ったものではないことはいうまでもない。)

ところが今般、静岡県では集団指導において
「屋外への移動の際に車を使用する場合、乗車している時間は基本的にはサービス提供時間には含まれない。」とする指導を行っているそうである。

まったく機能訓練とか外出行事を極端に狭く解釈した不適切指導である。役人の頭というのはこうも固くて見識が低いのかと情けなくなる。

静岡県といえば2003年、2008年と問題となる集団指導を行いそれが「静岡騒動」として世間をにぎわせている。まったくこの県の介護保険指導担当課は「サービス適正化」を間違った方向からしか考えることができない偏屈的性格を遺伝子レベルで引き継いでいるとしか思えない。県庁の担当課は行政の裁量権を間違って受け継ぐのが伝統なのか?それともよほどのボンクラばかりが介護保険担当課に集まってくるのか?ちょっとした病理研究を要すかもしれないな。

それにしてもまったくくだらん指導を行う県である。自分達が何でも決めることができる神様だと思っているんだろうな。こんなことで介護サービスが良くなるわけがないし、地域住民が喜んで使える通所サービスになるわけがないじゃないか。まったく指導の視点がなっていない。

今日は午後から当地域の集団指導であるが(先日の台風のため、延期されていた)まさか同じような指導はないだろうな。

ところで、秋といえば紅葉だけではなく、収穫の秋でもある。緑風園デイサービスセンターでも、秋の味覚を収穫しようと、利用者の方から寄付していただいた「さつまいも」の苗を育てて、昨日収穫としゃれこんだ。その収穫写真が次の画像である。

デイの収穫


・・・無残にも食べられるような収穫はなかった。どうらや植える時期が少し遅かったらしく、充分生育しなかった。ということで今年は見るだけで、食べる方は来年のお楽しみということになった。

静岡県は、来年はきっと収穫しても食べられない芋を作ったらサービス提供時間とは認めないとでも集団指導するんじゃないのか。ここまで来ると今年の静岡はどんなびっくり指導がされるのかが毎年の恒例行事になるな。静岡名物は行政の引き起こす「静岡騒動」である、って認識が業界全体に広がりつつあるんじゃないのか。

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