今朝のテレビ報道を見て感じたことは、この国のマスメディアとは国民の英知・知性を代表せず、単に時代の流行を代表するだけの社会的使命を持たない「お気楽情報伝達媒体」に過ぎないということだ。
未曾有の国難からの復興に取り組むべきリーダーが変わろうとしている最中、その有力候補が立候補表明したことも関係なく、国際情勢では原油価格や国際経済に直結するリビア情勢が大きく動こうとしていることにも関係なく、国内経済に大きく影響するムーディーズの日本国債格下げ問題も関係なく、国内の事件では凶悪な一斗缶切断遺体殺人事件の容疑者が逮捕されたことも関係なく、(ファイターズの連勝が止まったことはもともと関係ないが・・・。)今朝のテレビニュース報道のトップは、一芸能人の暴力団との交際を巡る引退記者会見である。馬鹿馬鹿しいにもほどがある。
テレビ電波という公器を使って流す報道の内容を、製作スタッフやキャスターの興味でしかプロデュースできないなら小学生の学芸会と同じである。恥を知れと言いたい。
昨日から今朝にかけての僕の中でのトップニュースは、財団法人介護労働安定センターが公表した「平成22年度介護労働実態調査結果について」である。
これによると
(1)1 年間(平成21 年10 月1日から平成22 年9 月30 日)の離職率の状況は、全体では17.8%(前年度17.0%)であった。また、採用率の状況は全体では25.8%(同25.2%)であった。
(2)介護サービスに従事する従業員の過不足状況を見ると、全体では不足感(「大いに不足」+「不足」+「やや不足」)は50.3%(前年度46.8%)であった。「適当」が48.8%(同52.3%)
であった。
(3)介護サービスを運営する上での問題点を見ると、全体では「今の介護報酬では人材の確保・
定着のために十分な賃金を払えない」が51.5%(前年度52.7%)であった。
(4)介護職員処遇改善交付金に伴う経営面での対応状況を見ると、全体では「一時金の支給」
が50.0%、「諸手当の導入・引き上げ」が29.8%、「基本給の引き上げ」が15.7%、「教育研
修の充実」が15.3%であった。
(5)月給者の所定内賃金は、全体では216,494 円(前年度212,432 円)であった。
(6)仕事を選んだ理由のうち、「働きがいのある仕事だから」が55.7%(前年度58.2%)となっている。
(7)労働条件等の不満では、「仕事内容のわりに賃金が低い」46.6%(前年度50.2%)、「人手が足りない」40.1%(同39.4%)、「有給休暇が取りにくい」36.9%(同36.9%)、「業務に対する
社会的評価が低い」32.2%(同36.4%)となっている。
と総括している。つまり2008年度(平成20年度)から続いていた離職率の改善(低下)傾向が止まったことが分かる。
しかもそれは事業者が望む結果ではなく、なんとか人員を確保しようと残業代を除いた平均月収は前年度と比べても4千円アップさせているが、離職低下にそのことは繋がっておらず、事業者の人手不足は恒常化し、そのことが離職原因の2番目に位置するように、人手がない不満がさらなる離職を生んでいることが分かる。
しかも給与は徐々にアップしているとはいえ、それは全産業平均で見ると大幅に低い状況は変わっていない。しかしそれは必ずしも事業経営者が搾取していることを現わすものではなく、現在の介護報酬の水準で支払うことができる給与のぎりぎりを支出していると考えている事業経営者が多い事が分かる。しかしその結果は「仕事内容のわりに賃金が低い」という相も変わらない結果となって現われており、これを改善するには介護報酬の引き上げしかないと感じている事業経営者が多いことがわかる。
この内容に反して、国の経営実態調査や介護給付費分科会提出資料では、内部留保が多すぎるとか、収益率が高すぎるなどというデータが出されているが、いったい平均経営年数が何年の事業者で、どこの地域のデータなのかが定かではない。サービスに参入した年数が少なければ、職員の勤続年数だって短いのだから当然給与水準は低く抑えられる。しかし長い年数の経営実態があり、職員の離職が少ない「優良事業者」であればあるほど、職員の給与水準は年功に応じて高くなり、それは経営の圧迫要素である。ここをしっかりみないと、経験の長い職員を雇用し、サービスの質の高い事業者が経営困難でサービスから撤退していくことになり、「安かろう悪かろう」のサービス事業主体だけが数多く残って行く実態を生む。
社会福祉法人の内部留保(繰越金)の額が問題になっているが、そもそも介護報酬は3年ごとに改訂され、それは必ず上がる保障ないもので、下げられる可能性があるものだ。現に過去3回の報酬改定のうちプラス改訂は1回しかない。よって報酬減に備えた内部留保はある程度必要だし、それとて建設補助金が削減され続けている現状に於いては10年20年単位の建物の修繕や建て替えで消えていく費用であり、経営者が搾取しているものではなく、一定期間後に社会還元される費用である。
さらにいえば、3年間は同額の介護報酬で経営しなければならないのだから、3年間の当初年に収入と支出が均衡してしまえばあとの2年間は赤字で経営が困難になる。3年目に収益がほとんど出ない状況で定期昇給を行ったとしても1年目と2年目には繰越金が出るのは当然であり、さらに3年目で収入と支出が均衡してしまえば、次の改訂で給付費が上がらねばたちまち経営困難になるのだ。だから内部留保をできるだけ減らすことを政策にするのであれば、過度な繰越金を作らなくても、介護報酬改定時に定期昇給分に見合ったプラス改訂が着実に行われるようにせねばならない。
特に現在の人件費支出の構造をよく考えると、国の政策と深く関連して、毎年法定福利費(年金や健康保険の事業主負担分を含む)が階段状に上がっているのだから、これに見合った報酬アップが必要である。これは毎年確実に上がる自然増分なのである。具体的に言えば当施設のような従業員100人規模の施設であれば、人件費支出に占める法定福利費の事業主負担分が毎年500万円前後の負担増となる。この負担をどうするのか?毎年繰越金をある程度出していかねば、将来的に支払えなくなるものだ。
これらの複雑な人件費支出構造を分かっていない能天気な学者が国の審議会で内部留保問題を議論しても始まらない。全国老施協の委員はなぜこのことをもっと強く主張しないのか。やる気があるのか、介護給付費を守る気があるのか、はなはだ疑問である。
しかし現状は、こうした主張がまったくされず、介護報酬はベースをマイナスにして再査定が行われようとしている。ほとんどの地域の、ほとんどの事業に於いて現行より介護給付費は下げられるという議論である。
このことは明日の記事更新で、地域区分の再編問題の続報と共にお知らせするが、来年の介護報酬が現行よりさらに下げられることによって、介護が崩壊する危機があり、それは現実に離職率のアップに歯止めがかからなくなる実態で現われるという危機感を、「介護労働実態調査」から関係者は読みとって、国に、馬鹿な介護給付費分科会委員に声を挙げていく必要があるのだ。
まったく老施協委員の大人しさ(馬鹿さ加減と言ってもよいだろう)には歯がゆくなる。自分があの分科会に出てたら切れてるぞ。だが切れる代わりに言うべきことは言うけれど・・・。そんなことを考えながら怒りの矛先をどこに向けようかストレスをため続ける毎日である。
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介護・福祉情報掲示板(表板)
未曾有の国難からの復興に取り組むべきリーダーが変わろうとしている最中、その有力候補が立候補表明したことも関係なく、国際情勢では原油価格や国際経済に直結するリビア情勢が大きく動こうとしていることにも関係なく、国内経済に大きく影響するムーディーズの日本国債格下げ問題も関係なく、国内の事件では凶悪な一斗缶切断遺体殺人事件の容疑者が逮捕されたことも関係なく、(ファイターズの連勝が止まったことはもともと関係ないが・・・。)今朝のテレビニュース報道のトップは、一芸能人の暴力団との交際を巡る引退記者会見である。馬鹿馬鹿しいにもほどがある。
テレビ電波という公器を使って流す報道の内容を、製作スタッフやキャスターの興味でしかプロデュースできないなら小学生の学芸会と同じである。恥を知れと言いたい。
昨日から今朝にかけての僕の中でのトップニュースは、財団法人介護労働安定センターが公表した「平成22年度介護労働実態調査結果について」である。
これによると
(1)1 年間(平成21 年10 月1日から平成22 年9 月30 日)の離職率の状況は、全体では17.8%(前年度17.0%)であった。また、採用率の状況は全体では25.8%(同25.2%)であった。
(2)介護サービスに従事する従業員の過不足状況を見ると、全体では不足感(「大いに不足」+「不足」+「やや不足」)は50.3%(前年度46.8%)であった。「適当」が48.8%(同52.3%)
であった。
(3)介護サービスを運営する上での問題点を見ると、全体では「今の介護報酬では人材の確保・
定着のために十分な賃金を払えない」が51.5%(前年度52.7%)であった。
(4)介護職員処遇改善交付金に伴う経営面での対応状況を見ると、全体では「一時金の支給」
が50.0%、「諸手当の導入・引き上げ」が29.8%、「基本給の引き上げ」が15.7%、「教育研
修の充実」が15.3%であった。
(5)月給者の所定内賃金は、全体では216,494 円(前年度212,432 円)であった。
(6)仕事を選んだ理由のうち、「働きがいのある仕事だから」が55.7%(前年度58.2%)となっている。
(7)労働条件等の不満では、「仕事内容のわりに賃金が低い」46.6%(前年度50.2%)、「人手が足りない」40.1%(同39.4%)、「有給休暇が取りにくい」36.9%(同36.9%)、「業務に対する
社会的評価が低い」32.2%(同36.4%)となっている。
と総括している。つまり2008年度(平成20年度)から続いていた離職率の改善(低下)傾向が止まったことが分かる。
しかもそれは事業者が望む結果ではなく、なんとか人員を確保しようと残業代を除いた平均月収は前年度と比べても4千円アップさせているが、離職低下にそのことは繋がっておらず、事業者の人手不足は恒常化し、そのことが離職原因の2番目に位置するように、人手がない不満がさらなる離職を生んでいることが分かる。
しかも給与は徐々にアップしているとはいえ、それは全産業平均で見ると大幅に低い状況は変わっていない。しかしそれは必ずしも事業経営者が搾取していることを現わすものではなく、現在の介護報酬の水準で支払うことができる給与のぎりぎりを支出していると考えている事業経営者が多い事が分かる。しかしその結果は「仕事内容のわりに賃金が低い」という相も変わらない結果となって現われており、これを改善するには介護報酬の引き上げしかないと感じている事業経営者が多いことがわかる。
この内容に反して、国の経営実態調査や介護給付費分科会提出資料では、内部留保が多すぎるとか、収益率が高すぎるなどというデータが出されているが、いったい平均経営年数が何年の事業者で、どこの地域のデータなのかが定かではない。サービスに参入した年数が少なければ、職員の勤続年数だって短いのだから当然給与水準は低く抑えられる。しかし長い年数の経営実態があり、職員の離職が少ない「優良事業者」であればあるほど、職員の給与水準は年功に応じて高くなり、それは経営の圧迫要素である。ここをしっかりみないと、経験の長い職員を雇用し、サービスの質の高い事業者が経営困難でサービスから撤退していくことになり、「安かろう悪かろう」のサービス事業主体だけが数多く残って行く実態を生む。
社会福祉法人の内部留保(繰越金)の額が問題になっているが、そもそも介護報酬は3年ごとに改訂され、それは必ず上がる保障ないもので、下げられる可能性があるものだ。現に過去3回の報酬改定のうちプラス改訂は1回しかない。よって報酬減に備えた内部留保はある程度必要だし、それとて建設補助金が削減され続けている現状に於いては10年20年単位の建物の修繕や建て替えで消えていく費用であり、経営者が搾取しているものではなく、一定期間後に社会還元される費用である。
さらにいえば、3年間は同額の介護報酬で経営しなければならないのだから、3年間の当初年に収入と支出が均衡してしまえばあとの2年間は赤字で経営が困難になる。3年目に収益がほとんど出ない状況で定期昇給を行ったとしても1年目と2年目には繰越金が出るのは当然であり、さらに3年目で収入と支出が均衡してしまえば、次の改訂で給付費が上がらねばたちまち経営困難になるのだ。だから内部留保をできるだけ減らすことを政策にするのであれば、過度な繰越金を作らなくても、介護報酬改定時に定期昇給分に見合ったプラス改訂が着実に行われるようにせねばならない。
特に現在の人件費支出の構造をよく考えると、国の政策と深く関連して、毎年法定福利費(年金や健康保険の事業主負担分を含む)が階段状に上がっているのだから、これに見合った報酬アップが必要である。これは毎年確実に上がる自然増分なのである。具体的に言えば当施設のような従業員100人規模の施設であれば、人件費支出に占める法定福利費の事業主負担分が毎年500万円前後の負担増となる。この負担をどうするのか?毎年繰越金をある程度出していかねば、将来的に支払えなくなるものだ。
これらの複雑な人件費支出構造を分かっていない能天気な学者が国の審議会で内部留保問題を議論しても始まらない。全国老施協の委員はなぜこのことをもっと強く主張しないのか。やる気があるのか、介護給付費を守る気があるのか、はなはだ疑問である。
しかし現状は、こうした主張がまったくされず、介護報酬はベースをマイナスにして再査定が行われようとしている。ほとんどの地域の、ほとんどの事業に於いて現行より介護給付費は下げられるという議論である。
このことは明日の記事更新で、地域区分の再編問題の続報と共にお知らせするが、来年の介護報酬が現行よりさらに下げられることによって、介護が崩壊する危機があり、それは現実に離職率のアップに歯止めがかからなくなる実態で現われるという危機感を、「介護労働実態調査」から関係者は読みとって、国に、馬鹿な介護給付費分科会委員に声を挙げていく必要があるのだ。
まったく老施協委員の大人しさ(馬鹿さ加減と言ってもよいだろう)には歯がゆくなる。自分があの分科会に出てたら切れてるぞ。だが切れる代わりに言うべきことは言うけれど・・・。そんなことを考えながら怒りの矛先をどこに向けようかストレスをため続ける毎日である。
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介護・福祉情報掲示板(表板)
と 思いました。 かなりこれから厳しくなるかも知れません。 介護の本質と 命の尊さが 担当官僚には 1ミクロンも理解されていないのかもしれません…


感動の完結編。

> 定期昇給
たぶん、介護業界に限らず「定期昇給」を慣行としないようにしているような気がしますね。
社会システムでの給与について、「能力」のみに一本化したいのが経団連や厚生労働省の労働についての、
基本理念となりつつあるのではないでしょうかとは思っています。
景気動向も併せて考えていくと、今後介護業界以外も含めて、定期昇給はなくなっていく方向であるとするならば、
(本質的には各企業の判断するべきところではありますが、社会のシステムとしてという意味で)
それはしかたのないことななのかもしれませんが……。
ただ、離職率は下がるように取組をしていきたいと考えて動かしたいとは思いますが。