大阪府健康福祉部地域福祉推進室が作成した「介護保険サービスに関するQ&A」(19年8月作成、21年4月改正)には次のようなQ&Aが載せられている。
(訪問介護・身体介護)
Q.利用者の趣味嗜好品を買いに行く。
A. 利用者の趣味・嗜好品等の買い物を目的とした外出援助は、日常生活上必ずしも必要な支援と考え難い事から介護給付費の算定はできない。また生活援助における買い物代行も同様である。なお趣味嗜好品とは、日常生活上必要な日常品と考え難いもの。例えば宝くじ、中元・歳暮の品、酒、煙草など。
これにより大阪府下では訪問介護利用者の買い物外出時や、買い物代行については酒や煙草を購入することは不可能となり、それらは保険給付のサービスとは別に購入しなければならない。
いかに公費によるサービスだからと言って、この考え方はあまりに杓子定規ではないのか?
この考え方で言えば、スナック菓子はどうなんだ?ジュースやコーヒーはどうなんだということになりかねない。嗜好品の範囲はとめどなく広いのだ。そして嗜好品=日常生活上必要な日常品と考え難い、とも必ずしも言えないはずだ。嗜好品であっても個人の暮らしに欠かせないというものなら、日常生活の支援として必要であるし、保健対象としてもよいだろう。そもそも買い物の最中に、大阪府が示している物品を買わないことで公費が削減できるなんてことはないし、無駄な給付により財源が不足するなんてことにはならないだろう。公費で変えないという条件に当てはまるかどうかという判断のために時間がかかって、逆に必要のないサービス提供時間が増えてしまう可能性さえある。
国から出されている通知を確認してみると、「訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について」 (老計第十号老人保健福祉局老人福祉計画課長通知)では、このことを必ずしも否定する文章はない。
特に身体介護については「利用者の日常生活動作能力(ADL)や意欲の向上のために利用者と共に行う自立支援のためのサービス」とされているもので、外出して買い物を自分でできる、という行為そのものを援助することに意味があるのだから、この際に何を買うかは本来あまり問題ではないはずだ。むしろ、ヘルパーが付き添って訪問介護のサービスとして買い物を行う際に「あれは駄目、これはやめておいた方が無難」という判断をいちいちしなければならないならば、本来楽しいはずの買い物が煩わしくなる。自立支援としての外出の動機づけが著しく薄れるだろう。
また同通知の「生活援助(家事援助)」の内容を読むと、「直接、本人の日常生活の援助に属しないと判断される行為 」については保険外である旨が記されているが、生活援助の買い物代行として「酒や煙草等の嗜好品を購入する」という行為がこれに当たるかといえば、必ずしもそうとは言えない。何より
2−6 買い物・薬の受け取り
○日常品等の買い物(内容の確認、品物・釣り銭の確認を含む)
↑このように記されているように、買い物代行は日用品に限らないことが「等」という文言で明らかである。
確かに酒や煙草は、それがなくても人間の生存には関係ないだろう。しかし生活習慣として毎日晩酌する人のお酒とは食事そのものと言ってよい場合があり。飲みすぎなければ酒は百薬の長でもあり、豊かな暮らしを送るための絶対条件と言えなくもない場合もあるだろう。
思いだすのは、当施設が開設当時、ある医療機関から入所されてきた方について、医師より夕食時に小コップ1杯の「赤ワイン」を摂取するよう指示を受けていたケースがあることだ。その方は若いころより食が細く、痩せている方であったが、ほんの一杯の赤ワインが食事を勧め、栄養状態を維持しているケースであった。そのほかにショート利用の方で、朝ごはんを全く摂らず、毎日日本酒を1合飲むのを習慣にされている方がいて、家族の希望もあり、毎回そのように対応していた方もいた。
このような極端な例ではなくとも、酒や煙草の購入を一律排除するようなサービスは、人の暮らしの様々な側面をカバーし得ないサービスと言えるだろう。
このくそ暑い夏に食が細って、日中アイスクリームで水分とカロリーを摂取することが有効な人なら、アイスクリームの購入は立派な「日常生活の援助」である。酒や煙草だけがこれに該当しないという考え方の方がおかしい。
このあたりは計画担当者の適切なアセスメントに委ねてよい部分である。そのために介護支援専門員という資格やケアマネジメント義務化が法令上定められているんではないのか。役人の偏った価値観で決めつけることができるほど、人間の暮らしや、その支援行為は単純なものではない。
少なくとも大阪府のこのQ&A作成者は、就業中あるいは仕事に関連した席で酒や煙草を一切口にしてはいけないだろう。そんなものは生活の支障にならないということを、そういう生活態度で証明せねばならない立場だからだ。
自分にとっての必要性を否定できないものを、他人だけに我慢を強いるというのは人として情けない態度と考え方である。
ただこのようなQ&Aを示さねばならないという背景には、ケアマネジメント=居宅サービス計画を担当するケアマネジャーに対する信用のなさがあるのだろう。
ここを変えていくためには、現場で「いい仕事」をして、世間一般にそのスキルを認めてもらう以外にないのかもしれない。
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介護・福祉情報掲示板(表板)
(訪問介護・身体介護)
Q.利用者の趣味嗜好品を買いに行く。
A. 利用者の趣味・嗜好品等の買い物を目的とした外出援助は、日常生活上必ずしも必要な支援と考え難い事から介護給付費の算定はできない。また生活援助における買い物代行も同様である。なお趣味嗜好品とは、日常生活上必要な日常品と考え難いもの。例えば宝くじ、中元・歳暮の品、酒、煙草など。
これにより大阪府下では訪問介護利用者の買い物外出時や、買い物代行については酒や煙草を購入することは不可能となり、それらは保険給付のサービスとは別に購入しなければならない。
いかに公費によるサービスだからと言って、この考え方はあまりに杓子定規ではないのか?
この考え方で言えば、スナック菓子はどうなんだ?ジュースやコーヒーはどうなんだということになりかねない。嗜好品の範囲はとめどなく広いのだ。そして嗜好品=日常生活上必要な日常品と考え難い、とも必ずしも言えないはずだ。嗜好品であっても個人の暮らしに欠かせないというものなら、日常生活の支援として必要であるし、保健対象としてもよいだろう。そもそも買い物の最中に、大阪府が示している物品を買わないことで公費が削減できるなんてことはないし、無駄な給付により財源が不足するなんてことにはならないだろう。公費で変えないという条件に当てはまるかどうかという判断のために時間がかかって、逆に必要のないサービス提供時間が増えてしまう可能性さえある。
国から出されている通知を確認してみると、「訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について」 (老計第十号老人保健福祉局老人福祉計画課長通知)では、このことを必ずしも否定する文章はない。
特に身体介護については「利用者の日常生活動作能力(ADL)や意欲の向上のために利用者と共に行う自立支援のためのサービス」とされているもので、外出して買い物を自分でできる、という行為そのものを援助することに意味があるのだから、この際に何を買うかは本来あまり問題ではないはずだ。むしろ、ヘルパーが付き添って訪問介護のサービスとして買い物を行う際に「あれは駄目、これはやめておいた方が無難」という判断をいちいちしなければならないならば、本来楽しいはずの買い物が煩わしくなる。自立支援としての外出の動機づけが著しく薄れるだろう。
また同通知の「生活援助(家事援助)」の内容を読むと、「直接、本人の日常生活の援助に属しないと判断される行為 」については保険外である旨が記されているが、生活援助の買い物代行として「酒や煙草等の嗜好品を購入する」という行為がこれに当たるかといえば、必ずしもそうとは言えない。何より
2−6 買い物・薬の受け取り
○日常品等の買い物(内容の確認、品物・釣り銭の確認を含む)
↑このように記されているように、買い物代行は日用品に限らないことが「等」という文言で明らかである。
確かに酒や煙草は、それがなくても人間の生存には関係ないだろう。しかし生活習慣として毎日晩酌する人のお酒とは食事そのものと言ってよい場合があり。飲みすぎなければ酒は百薬の長でもあり、豊かな暮らしを送るための絶対条件と言えなくもない場合もあるだろう。
思いだすのは、当施設が開設当時、ある医療機関から入所されてきた方について、医師より夕食時に小コップ1杯の「赤ワイン」を摂取するよう指示を受けていたケースがあることだ。その方は若いころより食が細く、痩せている方であったが、ほんの一杯の赤ワインが食事を勧め、栄養状態を維持しているケースであった。そのほかにショート利用の方で、朝ごはんを全く摂らず、毎日日本酒を1合飲むのを習慣にされている方がいて、家族の希望もあり、毎回そのように対応していた方もいた。
このような極端な例ではなくとも、酒や煙草の購入を一律排除するようなサービスは、人の暮らしの様々な側面をカバーし得ないサービスと言えるだろう。
このくそ暑い夏に食が細って、日中アイスクリームで水分とカロリーを摂取することが有効な人なら、アイスクリームの購入は立派な「日常生活の援助」である。酒や煙草だけがこれに該当しないという考え方の方がおかしい。
このあたりは計画担当者の適切なアセスメントに委ねてよい部分である。そのために介護支援専門員という資格やケアマネジメント義務化が法令上定められているんではないのか。役人の偏った価値観で決めつけることができるほど、人間の暮らしや、その支援行為は単純なものではない。
少なくとも大阪府のこのQ&A作成者は、就業中あるいは仕事に関連した席で酒や煙草を一切口にしてはいけないだろう。そんなものは生活の支障にならないということを、そういう生活態度で証明せねばならない立場だからだ。
自分にとっての必要性を否定できないものを、他人だけに我慢を強いるというのは人として情けない態度と考え方である。
ただこのようなQ&Aを示さねばならないという背景には、ケアマネジメント=居宅サービス計画を担当するケアマネジャーに対する信用のなさがあるのだろう。
ここを変えていくためには、現場で「いい仕事」をして、世間一般にそのスキルを認めてもらう以外にないのかもしれない。
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感動の完結編。

(訪問介護・身体介護)
Q.自分でテレビのチャンネルをかえることができないジャイアンツファンの利用者から、ナイターでジャイアンツ戦を見たいので訪問から帰る前にテレビのチャンネルを日本放送系に変えてから帰ってほしいとの希望があった。
A.利用者の趣味・嗜好品等に合わせたテレビのチャンネルの変更は、日常生活上必ずしも必要な支援と考え難い事から介護給付費の算定はできない。ましてやジャイアンツの応援など論外である。なお、大阪人にとってタイガース戦のテレビ観戦は、日常生活上必要なものと考えられるため、サンテレビにチャンネルをかえることは必要な支援と考えられるので、この場合にかぎり介護給付費の算定は可能であることを申し添える。
趣味・嗜好品として酒や煙草の購入がダメならば、当然、こういった指導になると思うのだが、まさか本当にこんなQ&Aはないですよね。(ありそうなところが大阪クオリティ!)