最近ラーメン通の間で噂になっているラーメンの一つに「富山ブラック」がある。

2009年と2010年の東京ラーメンショーで2年連続売上No1を獲得したラーメンで、本家は富山県の「麺家いろは」であるという話は聞いていたが、先週末に富山県にお邪魔した折、講演主催者の方の案内で、この「富山ブラック」を食する機会を得た。

土曜のお昼どきとあって、店内はさすがに混んでいる。幸い僕らは前に2人並んでいるのを待つだけでカウンターに座れたが、僕らの後から続々客がやってきて、あっという間に店の外まで行列が延びていた。幸運だった。

メニューを見ると、富山ブラックと呼ばれる「黒醤油ラーメン」のほか、富山名物の白エビを前面に出した「白エビ塩ラーメン」(いずれも750円)などが目につくが、ここまで来て富山ブラック以外のラーメンを食べる選択肢はない。ごちそうしてくれた「はるかぜ」の澤田理事長の推薦で「黒醤油ラーメン煮玉子入り」を注文した。

待つこと数分。店内が混んでいても、手際良く分業されているので、待ちくたびれるという感覚はない。


麺家いろはの黒醤油ラーメン出された「黒醤油ラーメン」はさすがにスープが真黒である。このスープを見慣れていない他県の人はこの色に驚くのだろうが、しかし我ら北海道の室蘭・登別地域の人はおそらく、この真黒醤油スープにはさほど驚かないだろう。なぜなら我が室蘭地域のラーメンの有名店のひとつ「なかよし」の醤油ラーメンの色とそっくりだからである。

早速スープをすすってみた。見た目から濃い味を想像するが、さほど塩分は強くない。これも「なかよし」と似た特徴だ。


スープの味はなかなか深く、複雑で美味しい。店内のメニューに書かれている説明文では、富山湾の深層水を使って、これに丸鶏などを使った食肉系スープと、白エビや宗田ガツオなどで作る魚介系スープを合わせて仕上げていると書かれているが、鳥ガラやカツオの風味はさほど強くない。

白エビのだしといっても、例えば「縁や」の「えびそば」のような、強烈なエビの主張はない。むしろ説明に書かれていなければ、エビが出しに使われていることは分からない人が多いだろう。

むしろこのスープの味の特徴は「旨み成分を多く含み、塩分を控え目にするという独自の製法で造られた超濃厚な魚醤」を使っているというところに求めたほうがよいような気がする。

とするとこのスープの濃い黒色と、僕がほのかに感ずる「ある懐かしい風味」から想像するに、おそらくこの魚醤あるいは、スープのだしのどちらかに、特定の昆布が使われていると思う。それも根昆布ではあるまいか?僕自身にとっては昆布系の味を一番感じるスープである。

化学調味料でごまかすようなスープではなく、魚醤の味がしっかりしたスープで、かつ「魚醤」でしか出せない味のスープと思う。これは癖になる。

麺は太めのちぢれ麺であるが、ちぢれ具合は超軽く、ストレートに近い。スープにあっていると感じた。具は、トッピングの煮玉子のほかは、とろとろのバラ肉チャーシューが2枚、しっかり味のしみ込んだメンマが入っているほか、刻みネギのほかに、しゃきしゃきの白髪ネギが入っているのも嬉しい。なかなか完成度の高い美味しいラーメンである。

満足の一杯と言ってよいだろう。

それにしても富山は美味しいものがたくさんあった。富山湾の魚は、特に白身魚が味が濃くておいしかった。白エビというのも初めて食べたが、生の白エビを軍艦巻きにのせた寿司や、かきあげなどは非常においしかった。ただじこの白エビ、地元の人は食べ飽きているのか、あまり喜ばない人が多いという話である。

それと今回の講演は90分と100分の講演を2本行ったが、3連休の真ん中の日であるにも関わらず、たくさんの方が訪れてくれて、熱心に聞いてくれた。会場が異なる2つの講演に両方参加してくれる方もたくさんおられ、大変感激させていただいた。ありがとうございます。僕の話が皆さんの期待に沿うものであったか心配であるが、自分なりに一生懸命伝えさせていただいた。

銘酒立山と富山ブラック話を聞いていただいただけではなく、講演会場にお土産まで持ってきてくれる方がいて、これにも感激した。銘酒・立山と、「富山ブラックを食べる時間がなければ、変わりにこれを」ということで、カップ麺の「富山ブラック」を持って来てくれた方もいて感謝感激である。本当にありがとうございます。

しかも講演を受講できなかった方で、僕が帰る際にわざわざ空港でお待ちになって僕を見つけてお土産を渡してくれる方までいて、これまた感激するやら、恐縮するやらで、本当に有難いことであると感じた。

富山の方々は本当に温かかった。

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