僕は今、横浜で記事を更新している。
講演先に向かう途中でブログ記事を更新する必要もないのではとも思うが、羽田空港で電車待ちの時間が少しあった事と、ボーっと電車に乗っているだけではつまらないし、時間つぶしに記事更新でもしておこうというわけで電車の舞っている時間から書き始めて電車の中で書きあげ送信しているというわけである。それにせっかくIpadというタブレット型PCを持ち歩いているんだから、使わないと購入費の無駄のような気がするしな・・・。
当然、脳裏に浮かんでいるもう一つの動機づけは、平日ならほとんど更新しているブログ記事を読みに来てくださる読者の存在である。結構、律義なのである。誉めてください。
さて今日の講演は法令に沿った居宅介護支援がテーマである。法令に沿うという意味は、何も国が決めたことを絶対視して、それが最善と思いこむという意味ではない。
このことに関して、今日の講演ファイルでは「制度の問題点や瑕疵を知っていることでより適切な援助に結びつくと同時に、社会福祉援助者としてソーシャルアクションが求められているという責任。」ということを書いている。このことは講演中に詳しく説明するが、ソーシャルアクションとは法令を遵守した上で、その瑕疵を実感して、そのことの改善の提言を行うものにしか許されないものなのであるという理解が必要だ。
それから居宅サービス計画の作成ルールを考察していくと、このルールは調べれば調べるほど難解で解釈に困る問題がたくさんあることがわかる。特にサービス担当者会議の開催ルールが非常に難解である。
例えば居宅サービス計画を変更については基準省令13条12号に示されているが、15号ではこのことについて「第三号から第十一号までの規定は、第十二号に規定する居宅サービス計画の変更について準用する。」としている。つまり新規計画作成と同様、生活課題を把握するためのアセスメントを、利用者に面接した上で実施し、原案を作成し、サービス担当者会議を経て、同意交付しなければならないというものである。
しかし居宅サービス計画の目標は長短期に分かれており、短期目標の期間を過ぎては困るので、短期目標の期間だけを変更し目標内容が変わらない場合でも、第三号から第十一号までの一連の手続を踏んだ上でこの変更を行わねばならないのか?という疑問については、解釈通知「老企29号」において「介護サービス計画の一部を変更する都度、別葉を使用して記載するものとする。但し、サービス内容への具体的な影響がほとんど認められないような軽微な変更については、当該変更記録の箇所の冒頭に変更時点を明記しつつ、同一用紙に継続して記載することができるものとする。」と規定している。
つまり軽微変更の場合は「同一用紙に継続して記載」でよいとしているんだから、新しい計画書を作って同意してもらい交付する必要がないという意味で、そうであれば、このような軽微変更は基準省令13条12号の「計画変更」には該当せず、短期目標期間だけを変えるためにわざわざサービス担当者会議を開催する必要はないという意味になる。
そして軽微変更とは、基準省令では具体的に示されていないが、介護保険最新情報Vol.155(2010年7/30)「介護保険制度に係る書類・事務手続き見直し」に関するご意見への対応について 、において「一連の業務が行う必要性が高いかどうかによって軽微か否かを判断すべきものである」という条件付きではあるが、次の9項目が具体例として示されている。
1.サービス提供の曜日変更
2.サービス提供の回数変更
3.利用者の住所変更
4.事業所の名称変更
5.目標期間の延長
6.福祉用具で同等の用具に変更するに際して単位数のみが変更になる場合
7.目標もサービスも変わらない(利用者の状況以外の原因による)単なる事業所変更
8.目標を達成するためのサービス内容が変わるだけの内容
9.担当介護支援専門員の変更
である。
またサービス担当者会議を開催する場合であっても、担当者を全員招集する必要はなく、やむを得ない理由があれば「照会」でもよいとされるが、このやむを得ない理由というのは「開催の日程調整を行ったが、サービス担当者の事由により、サービス担当者会議への参加が得られなかった場合」に限られるものではなく、「居宅サービス計画の変更であって、利用者の状態に大きな変化が見られない等における軽微な変更の場合等が想定される。」(老企25号)とされている。つまり後者の場合は、最初から日程調整の必要がないという意味である。
しかもこの軽微変更とは、老企29号で示した軽微変更とは意味が違うと解釈できる。なぜなら老企29号はサービス担当者会議を開く必要もない「軽微変更(つまり基準省令13条12号の計画変更ではない場合)」であるのに対し、日程調整の必要のない軽微変更とは基準省令13条12号の計画変更そのもので、サービス担当者会議は必要だが参加調整をせず照会だけで済ますことができる「軽微変更」であるからだ。
例えばこれは、訪問介護と通所介護だけを利用していた方の主介護者が突発的な要件で一時的に不在になる間、一時的にショートを数日使うという場合、これは新しいサービス導入で計画の変更が必要で担当者会議は必要だが、介護者が不在の数日ショートを使うというためだけの計画変更で「利用者の状態に大きな変化が見られない」場合は、他の訪問介護と通所介護については「軽微変更」として「照会」で済ますことが可能という解釈になる。
また省令13条21号は「介護支援専門員は、居宅サービス計画に福祉用具貸与を位置付ける場合にあっては、その利用の妥当性を検討し、当該計画に福祉用具貸与が必要な理由を記載するとともに、必要に応じて随時サービス担当者会議を開催し、継続して福祉用具貸与を受ける必要性について検証をした上で、継続して福祉用具貸与を受ける必要がある場合にはその理由を居宅サービス計画に記載しなければならない。」として、ここでは「照会」でよいという文言がなく、サービス担当者会議を照会に替えることはできないが、それはあくまで「必要に応じて随時サービス担当者会議を開催」する場合の規定であって、福祉用具貸与を新規でサービスに位置づける場合や、福祉用具に関連しない計画変更の規定は、それぞれ前者は13条9号、後者は13条12号及び15号規定であるので、この場合は福祉用具貸与担当者に対しても「照会」が認められていると解釈できる。
さらに省令13条22号規定は「介護支援専門員は、居宅サービス計画に特定福祉用具販売を位置付ける場合にあっては、その利用の妥当性を検討し、当該計画に特定福祉用具販売が必要な理由を記載しなければならない。」としており、これを持って特定福祉用具販売担当者はサービス担当者会議のメンバーとして参加しなくてよいと考えている人が多いが、ここで規定されているのは福祉用具貸与のように「必要に応じて随時サービス担当者会議を開催」する必要はないということを示しているだけであり、新規で福祉用具販売をサービスに位置づける場合や、福祉用具販売に関連しない計画変更の規定は、それぞれ前者は13条9号、後者は13条12号及び15号規定であるので、サービス担当者会議の構成メンバーになるのが原則という解釈になる。
加えて13条9号で担当者について『介護支援専門員が居宅サービス計画の作成のために居宅サービス計画の原案に位置付けた指定居宅サービス等の担当者(以下この条において「担当者」という。)を召集して行う会議をいう。以下同じ。』としており、「指定居宅サービス等」とされている意味は相当広く考えざるを得ず、指定居宅サービスの担当者に限らず「居宅サービス計画の原案に位置付けたサービス担当者全員」と解釈するのが妥当である。
特に給付管理外のサービスは担当者会議のメンバーに含める必要はないと考えている人がいるが、例えば給付管理の対象外である「居宅療養管理指導」においては省令89条5号において「居宅介護支援事業者又は居宅サービス事業者に対する情報提供又は助言については、原則として、サービス担当者会議に参加することにより行わなければならない。」と、給付管理外サービスでるにも関わらず、サービス担当者会議の構成メンバーであることが示されているのである。
んん〜考えれば、考えるほど複雑である。
古来、複雑すぎる法律にろくなものはないが、介護保険制度はそのろくなものではない法制度の典型と言ってよいのかもしれない。
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当然、脳裏に浮かんでいるもう一つの動機づけは、平日ならほとんど更新しているブログ記事を読みに来てくださる読者の存在である。結構、律義なのである。誉めてください。
さて今日の講演は法令に沿った居宅介護支援がテーマである。法令に沿うという意味は、何も国が決めたことを絶対視して、それが最善と思いこむという意味ではない。
このことに関して、今日の講演ファイルでは「制度の問題点や瑕疵を知っていることでより適切な援助に結びつくと同時に、社会福祉援助者としてソーシャルアクションが求められているという責任。」ということを書いている。このことは講演中に詳しく説明するが、ソーシャルアクションとは法令を遵守した上で、その瑕疵を実感して、そのことの改善の提言を行うものにしか許されないものなのであるという理解が必要だ。
それから居宅サービス計画の作成ルールを考察していくと、このルールは調べれば調べるほど難解で解釈に困る問題がたくさんあることがわかる。特にサービス担当者会議の開催ルールが非常に難解である。
例えば居宅サービス計画を変更については基準省令13条12号に示されているが、15号ではこのことについて「第三号から第十一号までの規定は、第十二号に規定する居宅サービス計画の変更について準用する。」としている。つまり新規計画作成と同様、生活課題を把握するためのアセスメントを、利用者に面接した上で実施し、原案を作成し、サービス担当者会議を経て、同意交付しなければならないというものである。
しかし居宅サービス計画の目標は長短期に分かれており、短期目標の期間を過ぎては困るので、短期目標の期間だけを変更し目標内容が変わらない場合でも、第三号から第十一号までの一連の手続を踏んだ上でこの変更を行わねばならないのか?という疑問については、解釈通知「老企29号」において「介護サービス計画の一部を変更する都度、別葉を使用して記載するものとする。但し、サービス内容への具体的な影響がほとんど認められないような軽微な変更については、当該変更記録の箇所の冒頭に変更時点を明記しつつ、同一用紙に継続して記載することができるものとする。」と規定している。
つまり軽微変更の場合は「同一用紙に継続して記載」でよいとしているんだから、新しい計画書を作って同意してもらい交付する必要がないという意味で、そうであれば、このような軽微変更は基準省令13条12号の「計画変更」には該当せず、短期目標期間だけを変えるためにわざわざサービス担当者会議を開催する必要はないという意味になる。
そして軽微変更とは、基準省令では具体的に示されていないが、介護保険最新情報Vol.155(2010年7/30)「介護保険制度に係る書類・事務手続き見直し」に関するご意見への対応について 、において「一連の業務が行う必要性が高いかどうかによって軽微か否かを判断すべきものである」という条件付きではあるが、次の9項目が具体例として示されている。
1.サービス提供の曜日変更
2.サービス提供の回数変更
3.利用者の住所変更
4.事業所の名称変更
5.目標期間の延長
6.福祉用具で同等の用具に変更するに際して単位数のみが変更になる場合
7.目標もサービスも変わらない(利用者の状況以外の原因による)単なる事業所変更
8.目標を達成するためのサービス内容が変わるだけの内容
9.担当介護支援専門員の変更
である。
またサービス担当者会議を開催する場合であっても、担当者を全員招集する必要はなく、やむを得ない理由があれば「照会」でもよいとされるが、このやむを得ない理由というのは「開催の日程調整を行ったが、サービス担当者の事由により、サービス担当者会議への参加が得られなかった場合」に限られるものではなく、「居宅サービス計画の変更であって、利用者の状態に大きな変化が見られない等における軽微な変更の場合等が想定される。」(老企25号)とされている。つまり後者の場合は、最初から日程調整の必要がないという意味である。
しかもこの軽微変更とは、老企29号で示した軽微変更とは意味が違うと解釈できる。なぜなら老企29号はサービス担当者会議を開く必要もない「軽微変更(つまり基準省令13条12号の計画変更ではない場合)」であるのに対し、日程調整の必要のない軽微変更とは基準省令13条12号の計画変更そのもので、サービス担当者会議は必要だが参加調整をせず照会だけで済ますことができる「軽微変更」であるからだ。
例えばこれは、訪問介護と通所介護だけを利用していた方の主介護者が突発的な要件で一時的に不在になる間、一時的にショートを数日使うという場合、これは新しいサービス導入で計画の変更が必要で担当者会議は必要だが、介護者が不在の数日ショートを使うというためだけの計画変更で「利用者の状態に大きな変化が見られない」場合は、他の訪問介護と通所介護については「軽微変更」として「照会」で済ますことが可能という解釈になる。
また省令13条21号は「介護支援専門員は、居宅サービス計画に福祉用具貸与を位置付ける場合にあっては、その利用の妥当性を検討し、当該計画に福祉用具貸与が必要な理由を記載するとともに、必要に応じて随時サービス担当者会議を開催し、継続して福祉用具貸与を受ける必要性について検証をした上で、継続して福祉用具貸与を受ける必要がある場合にはその理由を居宅サービス計画に記載しなければならない。」として、ここでは「照会」でよいという文言がなく、サービス担当者会議を照会に替えることはできないが、それはあくまで「必要に応じて随時サービス担当者会議を開催」する場合の規定であって、福祉用具貸与を新規でサービスに位置づける場合や、福祉用具に関連しない計画変更の規定は、それぞれ前者は13条9号、後者は13条12号及び15号規定であるので、この場合は福祉用具貸与担当者に対しても「照会」が認められていると解釈できる。
さらに省令13条22号規定は「介護支援専門員は、居宅サービス計画に特定福祉用具販売を位置付ける場合にあっては、その利用の妥当性を検討し、当該計画に特定福祉用具販売が必要な理由を記載しなければならない。」としており、これを持って特定福祉用具販売担当者はサービス担当者会議のメンバーとして参加しなくてよいと考えている人が多いが、ここで規定されているのは福祉用具貸与のように「必要に応じて随時サービス担当者会議を開催」する必要はないということを示しているだけであり、新規で福祉用具販売をサービスに位置づける場合や、福祉用具販売に関連しない計画変更の規定は、それぞれ前者は13条9号、後者は13条12号及び15号規定であるので、サービス担当者会議の構成メンバーになるのが原則という解釈になる。
加えて13条9号で担当者について『介護支援専門員が居宅サービス計画の作成のために居宅サービス計画の原案に位置付けた指定居宅サービス等の担当者(以下この条において「担当者」という。)を召集して行う会議をいう。以下同じ。』としており、「指定居宅サービス等」とされている意味は相当広く考えざるを得ず、指定居宅サービスの担当者に限らず「居宅サービス計画の原案に位置付けたサービス担当者全員」と解釈するのが妥当である。
特に給付管理外のサービスは担当者会議のメンバーに含める必要はないと考えている人がいるが、例えば給付管理の対象外である「居宅療養管理指導」においては省令89条5号において「居宅介護支援事業者又は居宅サービス事業者に対する情報提供又は助言については、原則として、サービス担当者会議に参加することにより行わなければならない。」と、給付管理外サービスでるにも関わらず、サービス担当者会議の構成メンバーであることが示されているのである。
んん〜考えれば、考えるほど複雑である。
古来、複雑すぎる法律にろくなものはないが、介護保険制度はそのろくなものではない法制度の典型と言ってよいのかもしれない。
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