まだ松の内だから、正月らしい記事を書きたい。少し福祉や介護と離れるが、このブログの名物シリーズである「日本酒道」である。ただ断っておくが、僕は確かに「のんべえ」であるが、普段はウイスキー専門で、めったに「日本酒」は飲まない。

しかし祝い事や、何かの節目には本当に「旨い」日本酒が欠かせない。もちろん、そんな時に醸造用アルコールを添加した「アル添酒」や、化学調味料まで混ぜているいわゆる「三造酒」などはもってのほかだ。
(※日本酒は本来、米と米麹だけで作るものだが、戦中の米不足からアルコールを添加して酒を造るという製法が生まれた。このとき添加されるアルコールは「醸造用アルコール」といわれるものだが、これは発酵してできたアルコールではなく廃糖蜜というサトウキビのカスを蒸留させて作った無味無臭のエチルアルコールである。多くの日本酒は1瓶の酒に対し25%以上のアルコールを加えた「普通酒」であったり、アルコールを本来の酒より2倍も3倍も添加する「三倍醸造酒」であるということだ。純米酒を3倍にするため大量のアルコールを混ぜる様な製法では当然のことながら酒の味はしない。そのため水飴や化学調味料で味付けをする。表示ラベルに「糖類添加」と書かれているのはそういう意味である。こんな酒に「旨み」があるはずがない。)

正月も当然、旨い日本酒が似合うわけであるが、逆に言えば、本物の日本酒を飲もうとすれば、それなりに「値段がはる」ということでもあり、普段そうした酒を飲んでばかりもいられない。だからと言って、まずい日本酒を飲む気にもならないので、必然的に日常的に日本酒を飲む習慣はないという意味である。

ところで純米酒や純米吟醸酒は「燗にしてはいけない」と勘違いしている人がいるが、それは大きな間違いである。そもそも本物の日本酒は「純米酒」であり、江戸時代はそういう酒しかなかったわけであり、それらの酒にも種類によって冷やで飲んだ方が良い酒と、燗で飲んだ方が良い酒に分けることができるのだ。純米吟醸酒(精米歩合が60%以下:米の外側を40%以上削る:で醪:もろみ:の段階において低温で約25日以上の経過をとる造り)も同様で、燗にした方が吟醸香がより高まる酒もあるのだ。

ということで今年の正月は「燗で呑んだ方が旨い酒」を2種類選んだ。

神亀・純米ひこ孫
左の画像は、神亀「純米・ひこ孫」である。埼玉県の「神亀(しんかめ)酒造」。この蔵は日本酒の歴史を語る時に忘れてはならない蔵である。大手酒造メーカーが中小の酒蔵で作っている酒を桶ごと買い取って自社メーカーの酒として大量生産して売っていた、いわゆる「桶買い」と「アル添酒」「三造酒」全盛時代の昭和62年に、この蔵は本物の日本酒しか作らないと決意して全国に先駆けて全量純米酒を生産するようになった。まさに「こだわりの蔵」である。

「純米・ひこ孫」は、この蔵が得意とする熟成酒(造りから2年以上寝かせた酒)で、この酒は3年間寝かせたもので、かすかな吟醸香と柔らかい含み香を奥に秘めている。燗にした旨さは格別で、力強い米の味が口中にふくよかに広がる。しっかりした造りはさすがである。すっきり飲めるお酒だ。(阿波山田錦55% 1.8L 3.580円)

独楽蔵。純米吟醸「玄げん」もう1本は、福岡県「杜(もり)の蔵酒造」の独楽蔵(こまぐら)「純米吟醸・玄(げん)」である。福岡に旨い酒を作る蔵は多いが、この蔵もその一つ。かつて「大手門」というブランド銘酒を作っていた蔵である。その蔵が造っている「独楽蔵」の純米吟醸酒の1ブランド「玄げん」は、ふっくらとした旨みと、バランスが良い冴えた味わい。これも2年以上寝かせた熟成酒であるが、燗にすると豊かな香りと旨みが膨らむ。マグロの刺身と相性がピッタリである。(山田錦55% 1.8L 3.045円)


今年の正月はこの2本の酒で過ごした。朝から箱根駅伝を見ながら、含む燗酒の味は最高であった。

※このブログ読者の皆さんにお願いです。僕は、今年も土日・祝祭日以外は、ネットにアクセスできる環境にいる限りブログ記事を毎日更新し続けるのが目標です。ところで、この際にどのような記事を中心に書いて行くべきか、今一度皆さんのご意見をお聞かせ願いたいと思います。下記のアンケートに是非答えてください。また「こんなことにも触れてほしい」ということがありましたらコメントに書いてください。

↓応援して下さる方、共感してくださる方はプチッと押してください。
人気ブログランキングへ

blogram投票ボタン
↑こちらのボタンをクリックしていただくと、このブログの解析がみれます。
介護・福祉情報掲示板(表板)