今年2月に全国老施協主催の「地域ケアセミナー」が行われ、その2日目の分科会で「短期入所生活介護計画の立て方」という講演を行った。
この講演(講義という方が的を射ているかもしれない)依頼を受けたのは、昨年のことであったが、その時に考えたことは「短期入所生活介護計画」に特化した分科会など、果たして何人の受講者があるのだろう?ということである。
しかし蓋を開けたところびっくりで、当初から受講申込者が予想外に集まり、結果的に当日100人近い方が、僕の分科会講演を受講してくれた。これは少々驚きであった。
考えてみれば、介護保険制度施行以後、居宅介護支援事業所が行うケアマネジメントや、同事業所の介護支援専門員が立案する「居宅サービス計画」に関する研修会は盛んに行われてきたが、同じケアマネでも施設のケアマネジメントや「施設サービス計画」に関する研修はやや少なく、最近やっと定期的にそれらの研修も行われるようになってきた。しかし居宅サービス事業所のケアプランについては、それがサービス提供の必須条件であるにもかかわらず、その内容やケアマネとの連携について勉強する機会はほとんどなかったと言ってよい。
しかも各サービス事業所の計画担当者は、必ずしも介護支援専門員であることを求められているわけではなく、資格のない担当者も多い。しかも居宅サービス計画や施設サービス計画と異なり、これらの各サービス事業所の計画書は、国の指定様式もなく事業所それぞれで独自の様式を使う必要がある。
これを「標準指定様式を使わなくてもよい」と考えるか、「独自の計画書様式を作らねばならない」と考えるかは、各サービス事業計画に対する担当者の理解度に左右される問題であろう。
つまり各サービス事業所においては、ケアプランというものを基本から勉強した者ではない職員が、計画書を一(いち)から作成せねばならないという状況が実際にはあり得るのである。
それなのに各サービス事業所の計画作成に関する勉強機会がほとんど与えられていない現状があり、多くの計画担当者が自分の計画の根拠や評価基準、ケアマネとの連携方法に悩みを持っていることが考えられる。だから「短期入所生活介護計画」に焦点を絞った分科会にも多くの関係者が集まったのであろう。受講ニーズはかなりあるという意味である。
居宅サービスの計画担当者が頭を悩ます問題の一つに「居宅サービス計画が立てられている場合は、その内容に沿ってサービス事業所の計画を立案しなければならない」という規定がある。この意味について明確に理解できていないため、各サービス事業所の計画目標に、居宅サービス計画の目標をそっくりそのまま転記している例も見られる。
これは大きな間違いで、居宅サービス計画の内容に沿うとは、担当ケアマネが居宅サービス計画書で示した「総合的援助の方針」を達する為に、生活課題を解決する手段として、長短期目標を掲げて、その目標を達成するために組み込んだ各サービス種類の「介護計画」が、ケアマネの示した目標を達する方向に向かい、結果的に総合的援助方針の実現に繋がる各サービス事業所計画になっているということを意味している。
つまり計画書の文言が同じになることを求めているわけではなく、向かうべき方向への支援者側の視点が同じであることが求められているわけである。逆にサービス種類とスケジュールを決める「居宅サービス計画」の中で、特定の事業種類と事後所を選定した結果、総合的援助方針を達成するための居宅介護支援における長短期目標が、その事業者が提供する具体的な個別サービスの目標と全く同じ内容であるのは不自然である。ケアマネの立案した目標を達成するために、サービス事業者は何を具体的にクリアすべきかという固有の目標がそこには書かれる必要があるからである。このあたりをしっかり理解してサービス事業所ごとの介護計画を立てる必要がある。
このことについては今年度も、各事業所のサービス計画について、担当介護支援専門員との連携や、居宅サービス計画との関連を考えながら、どのように立案すべきか、具体的な計画内容の例示も含めて講演や講義で伝える機会を設けていただいている。
現在決まっているものとしては、大阪市老人福祉連盟デイサービス連絡会が主催して7/23(金)大阪市社会福祉センターで行う研修で「通所介護の役割と求められるサービス〜ケアマネジャーとの連携によるサービス計画〜」というテーマでお話しすることになっている。その後、全国老施協在宅研修委員会主催で9/9(木)東京都(場所未定)で行う研修内で「(仮題)法令を遵守した通所介護計画の立て方」というテーマでお話しすることになっている。
大阪市の講演はいよいよ来週に迫った。当日お逢いする皆さん、そうぞよろしくお願いします。
居宅サービスについては、たまたまテーマとして通所介護が重なったが、基本的にショートステイなど、その他のサービス計画における「担当介護支援専門員と連携した支援体制の構築」や「居宅サービス計画の内容に沿ったサービス計画の具体的内容」については同様の考え方ができるものと思える。よって2月に東武ホテルレバント東京で行った全国老施協主催の地域ケアセミナーの中で講義した「短期入所生活介護計画の立て方〜居宅サービス計画との関連とケアマネジャーとの連携」という内容とかぶっている部分が多いことに気がついた。
居宅サービスの目的が、利用者の生活課題を解決するために位置づけられたもので、複数の種類のサービスを組み合わせて、総合的援助方針の実現のため、各サービス担当者がスクラムを組むんだから、この連携方法が共通しているのは当然だし、ケアプランが単に事業者のルーチンワークを利用者に結びつけるものではないことから、ケアプラン作成の考え方も共通する部分が出てくることは当然だろう。
老施協研修では、これに加えて支援記録の書き方についても触れてほしいとリクエストされている。問題は90分以内でこれらを全て網羅できるかである。
ということで今後も居宅サービス事業者の皆さんに、居宅サービスのケアプラン作成についてお話しする機会があろうと思うので、機会があれば是非「masaの講演予定」を参照しながら参加していただきたい。
その際は是非声をかけていただき、僕とあなたの「繋がり」ができることを心より期待している。
※本日新たなアンケートを右サイドバーに掲示しています。来週の情報提供に関する内容を結果により決めたいと思いますので、どうぞ投票にご協力ください。
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この講演(講義という方が的を射ているかもしれない)依頼を受けたのは、昨年のことであったが、その時に考えたことは「短期入所生活介護計画」に特化した分科会など、果たして何人の受講者があるのだろう?ということである。
しかし蓋を開けたところびっくりで、当初から受講申込者が予想外に集まり、結果的に当日100人近い方が、僕の分科会講演を受講してくれた。これは少々驚きであった。
考えてみれば、介護保険制度施行以後、居宅介護支援事業所が行うケアマネジメントや、同事業所の介護支援専門員が立案する「居宅サービス計画」に関する研修会は盛んに行われてきたが、同じケアマネでも施設のケアマネジメントや「施設サービス計画」に関する研修はやや少なく、最近やっと定期的にそれらの研修も行われるようになってきた。しかし居宅サービス事業所のケアプランについては、それがサービス提供の必須条件であるにもかかわらず、その内容やケアマネとの連携について勉強する機会はほとんどなかったと言ってよい。
しかも各サービス事業所の計画担当者は、必ずしも介護支援専門員であることを求められているわけではなく、資格のない担当者も多い。しかも居宅サービス計画や施設サービス計画と異なり、これらの各サービス事業所の計画書は、国の指定様式もなく事業所それぞれで独自の様式を使う必要がある。
これを「標準指定様式を使わなくてもよい」と考えるか、「独自の計画書様式を作らねばならない」と考えるかは、各サービス事業計画に対する担当者の理解度に左右される問題であろう。
つまり各サービス事業所においては、ケアプランというものを基本から勉強した者ではない職員が、計画書を一(いち)から作成せねばならないという状況が実際にはあり得るのである。
それなのに各サービス事業所の計画作成に関する勉強機会がほとんど与えられていない現状があり、多くの計画担当者が自分の計画の根拠や評価基準、ケアマネとの連携方法に悩みを持っていることが考えられる。だから「短期入所生活介護計画」に焦点を絞った分科会にも多くの関係者が集まったのであろう。受講ニーズはかなりあるという意味である。
居宅サービスの計画担当者が頭を悩ます問題の一つに「居宅サービス計画が立てられている場合は、その内容に沿ってサービス事業所の計画を立案しなければならない」という規定がある。この意味について明確に理解できていないため、各サービス事業所の計画目標に、居宅サービス計画の目標をそっくりそのまま転記している例も見られる。
これは大きな間違いで、居宅サービス計画の内容に沿うとは、担当ケアマネが居宅サービス計画書で示した「総合的援助の方針」を達する為に、生活課題を解決する手段として、長短期目標を掲げて、その目標を達成するために組み込んだ各サービス種類の「介護計画」が、ケアマネの示した目標を達する方向に向かい、結果的に総合的援助方針の実現に繋がる各サービス事業所計画になっているということを意味している。
つまり計画書の文言が同じになることを求めているわけではなく、向かうべき方向への支援者側の視点が同じであることが求められているわけである。逆にサービス種類とスケジュールを決める「居宅サービス計画」の中で、特定の事業種類と事後所を選定した結果、総合的援助方針を達成するための居宅介護支援における長短期目標が、その事業者が提供する具体的な個別サービスの目標と全く同じ内容であるのは不自然である。ケアマネの立案した目標を達成するために、サービス事業者は何を具体的にクリアすべきかという固有の目標がそこには書かれる必要があるからである。このあたりをしっかり理解してサービス事業所ごとの介護計画を立てる必要がある。
このことについては今年度も、各事業所のサービス計画について、担当介護支援専門員との連携や、居宅サービス計画との関連を考えながら、どのように立案すべきか、具体的な計画内容の例示も含めて講演や講義で伝える機会を設けていただいている。
現在決まっているものとしては、大阪市老人福祉連盟デイサービス連絡会が主催して7/23(金)大阪市社会福祉センターで行う研修で「通所介護の役割と求められるサービス〜ケアマネジャーとの連携によるサービス計画〜」というテーマでお話しすることになっている。その後、全国老施協在宅研修委員会主催で9/9(木)東京都(場所未定)で行う研修内で「(仮題)法令を遵守した通所介護計画の立て方」というテーマでお話しすることになっている。
大阪市の講演はいよいよ来週に迫った。当日お逢いする皆さん、そうぞよろしくお願いします。
居宅サービスについては、たまたまテーマとして通所介護が重なったが、基本的にショートステイなど、その他のサービス計画における「担当介護支援専門員と連携した支援体制の構築」や「居宅サービス計画の内容に沿ったサービス計画の具体的内容」については同様の考え方ができるものと思える。よって2月に東武ホテルレバント東京で行った全国老施協主催の地域ケアセミナーの中で講義した「短期入所生活介護計画の立て方〜居宅サービス計画との関連とケアマネジャーとの連携」という内容とかぶっている部分が多いことに気がついた。
居宅サービスの目的が、利用者の生活課題を解決するために位置づけられたもので、複数の種類のサービスを組み合わせて、総合的援助方針の実現のため、各サービス担当者がスクラムを組むんだから、この連携方法が共通しているのは当然だし、ケアプランが単に事業者のルーチンワークを利用者に結びつけるものではないことから、ケアプラン作成の考え方も共通する部分が出てくることは当然だろう。
老施協研修では、これに加えて支援記録の書き方についても触れてほしいとリクエストされている。問題は90分以内でこれらを全て網羅できるかである。
ということで今後も居宅サービス事業者の皆さんに、居宅サービスのケアプラン作成についてお話しする機会があろうと思うので、機会があれば是非「masaの講演予定」を参照しながら参加していただきたい。
その際は是非声をかけていただき、僕とあなたの「繋がり」ができることを心より期待している。
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